<連載> 今さら聞けないスマホの使い方

スマホを正しく充電してバッテリーを長持ちさせるためのポイント

スマートフォンの基礎知識・スマホの充電について知っておくと安心なこと

2020.05.27
スマホ充電イメージ

 通話やメールだけではなく、ネットや動画、写真やアプリなど、日常生活に欠かせなくなっているスマートフォンですが、正しい方法で充電しないとバッテリーを劣化させてしまう可能性があることをご存じですか?

 今回は、スマホの正しい充電方法や充電を長持ちさせる使用法、充電できないときのチェックポイントをご紹介します。

<目次>

スマホの充電に関する基礎知識

 スマホには、リチウムイオン電池が使われています。一般的に、リチウムイオン電池は約300回の充電で約2~3割、500回で3~5割程度バッテリーの容量が劣化する といわれています。このようなリチウムイオン電池の特徴を知って、普段のスマホの使い方や正しい充電方法を確認していきましょう。

リチウムイオン電池の特徴は?

 リチウムイオン電池は、電極にリチウムという金属を活用し、リチウムイオンの移動によって電流を発生させる電池のことです。

 流れるイオンが無くなってしまって「充電切れ」の状態になっても、電源につないで「充電」することで何度も繰り返し使えるのが特徴です。 

リチウムイオン電池のしくみ

 リチウムは軽い金属で、イオンになりやすく高い電圧を生み出すことができます。また、他の充電電池よりも、充電を繰り返すことによる劣化が起こりにくい特徴があるため、小型電化製品のバッテリーに適しています。

バッテリーが消耗しやすい使い方とは?

 スマホのバッテリーの持ちは、使い方によって変わります。次のような使い方をしている場合、充電の減りが早くなるので注意が必要です。

  • ・操作音やバイブレーションをオンのまま使用している
  • ・電波の弱い場所に長時間いる
  • ・消費電力が高いアプリをインストールしている
  • ・ライトを頻繁に使用している
  • ・液晶画面の輝度を高くして表示している
バッテリーが消耗しやすい使い方

充電がゼロになる前に充電する

 充電がゼロになると、バッテリーの劣化が早くなってしまいます。特に外出先では、充電切れになる前に以下のような対策をしてください。

  • ・長時間の外出予定がある時はモバイルバッテリーを持ち歩く
  • ・車で外出する時はシガーソケットやUSBポートを使って充電をする
  • ・充電器がない場合、携帯ショップや家電量販店で充電スタンドを使う

バッテリーの劣化を早めてしまうスマホの充電方法とは?

 経年劣化によりバッテリーの性能は、だんだんと悪くなるものですが、充電方法によっては、バッテリーの劣化をより早めてしまいます。スマホのバッテリーを長持ちさせるために、以下のような充電方法を避けるようにしましょう。

高温になる場所での充電

 リチウムイオン電池は熱に弱く、電池の温度が45度になると劣化するといわれています。気温の高い場所や、直射日光が当たる場所に置いて充電しないように注意しましょう。

スマホを使いながらの充電

 スマホを充電しながら使用すると、バッテリーに負荷がかかり熱を持ちやすくなります。バッテリーを劣化させてしまう原因となるため、控えましょう。

電池残量が0%になってから充電する

 リチウムイオン電池は、満充電や電池切れ状態で長期間放っておくことで劣化してしまいます。このような保存状態が原因となっておこる劣化を「保存劣化」とよびます。

 「保存劣化」を避けるために、充電残量が0%になるまで使い切りそのままにしておくことや、常に充電が100%近くの状態にしておくような使い方をしないようにしましょう。年々バッテリーの性能は向上していますが、新しいものでも注意して充電するようにしてください。

必要以上に頻繁に充電する

 頻繁に充電することもバッテリーの劣化を早めます。充電を繰り返すことで、リチウムイオン電池の電流を流す働きが少しずつ弱まり、貯められる電気量が少なくなっていくためです。これを「サイクル劣化」とよびます。

 極端にバッテリー残量が減らないようにするために、適度な充電は必要ですが、必要以上に頻繁な充電をしないようにしましょう。

スマホの充電ができない・遅い(時間がかかる)ときのチェックポイント

 スマホが充電できない・充電完了まで時間がかかるときは、以下の原因と解決法を確認してみてください。

確認部位 原因 チェックポイント
ケーブル 断線 他のケーブルで充電できるか確認してみてください。充電できる場合は充電用のケーブルを交換しましょう。
接続部分 接触不良 接触状態を確認し、ホコリがたまっているようであれば掃除してから、ケーブルを接続しなおしてください。
充電器 充電器不適合 メーカー純正品以外にも互換充電器が販売されていますが、充電できない場合、端末に適合した充電器かどうか確認をしてください。
スマホ本体 一定温度以上に熱をもつと、安全機能が作動して、充電ができない場合があります。風通しのよいところなどに置き、スマホをじゅうぶんに冷ましてから再度充電してみましょう。
バッテリー バッテリーの劣化 以上の項目に当てはまらない場合は、そろそろバッテリーの交換時期が近づいているかもしれません。バックアップをとり、バッテリー交換を検討してください。バッテリーの劣化状況を確認できる設定画面やアプリもあるので確認してみるのもよいでしょう。

 これらをチェックしても充電ができない場合は、スマホ本体や充電器の故障などが考えられます。症状を確認して、ご自身が使っている携帯ショップに問い合わせてみてください。

スマホのバッテリーの寿命を延ばすために充電で気を付けたいこと

 スマホのバッテリーは充電方法で寿命を延ばすことも可能です。バッテリーにやさしい充電テクニックをできる範囲で試してみてください。

スマホカバーを外して充電する

 充電中はバッテリーが熱くなるため、スマホカバーを外して少しでも放熱させながら充電することで、バッテリーの寿命が長くなります。

無線給電(ワイヤレス充電)を行う

 充電ケーブルと本体を接続して充電する場合、充電回数に伴いケーブルの抜き差しが多くなり、徐々に端子が劣化していきます。ケーブルを刺さずに置くだけで充電できるワイヤレスタイプに変えることで、これらの不安が解消でき、端末自体の寿命を延ばすことにつながります。

バッテリーは20%〜80%以内をキープする

 先述したとおり、バッテリー残量0%も100%も保存劣化につながります。バッテリー残量は20%から80%をキープするのが一番よいとされています。残量を終始確認しなくてはならないため、現実的には難しいので、ある程度充電時間の目安を知って、消耗させすぎない、充電しすぎないことを意識しましょう。

 また、最近発売しているスマホによっては、「いたわり充電」などバッテリーの寿命のことを考えて負荷の少ない充電をしてくれる端末もあります。気になる方は、そのような機種を検討するのもよいでしょう。

使用中のスマホの温度に気を遣う

 バッテリーへの負荷が高いアプリを長時間使用し続けると、スマホ本体が熱くなることがあります。温度が上昇してきたと感じた時にはスマホの使用をやめて、少し温度が下がるまで待ちましょう。充電タイミングはもちろん、温度が下がってからです。

放置しないで定期的に充電する

 リチウムイオン電池は、充電せずに放置するだけでもダメージがあると言われています。長期間使用予定がない場合は、自然とバッテリーが消耗していくためやむを得ませんが、そうでない時は、バッテリー容量を時々確認しながら、充電するようにしましょう。

アップデートを行う

 直接充電とは関係ありませんが、発売されてから時間がたっているスマホは、OSをアップデートすることで消費電力を抑えられるものもあります。新しい機種であっても、不具合を解消するためのアップデートが比較的多いため、OSやアプリのアップデートがあった時には、更新するようにしましょう。

スマホの充電方法も使い方もこれで安心

 バッテリーを長持ちさせる正しいスマホの充電方法をお伝えしてきました。使い慣れたスマホだからこそ、大事に長く持ち続けたいものです。スマホ本体の熱や充電タイミングなど少し気をつけるだけでも、バッテリーの寿命を延ばせるので、早速試してみてください。そして、最近充電の減りが早くなったと家族や友人から相談された時には、ご紹介した充電方法を教えてあげましょう。

(取材・文 山口 尚孝)

監修:岡嶋裕史

  • 岡嶋裕史
  • 岡嶋 裕史(おかじま・ゆうし)

    中央大学国際情報学部教授

     中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。富士総合研究所、関東学院大学准教授、情報科学センター所長を経て、中央大学国際情報学部教授(現職)。専門分野は情報ネットワーク、情報セキュリティ。著書は『ブロックチェーン』、『構造化するウェブ』(講談社)、『実験でわかるインターネット』(岩波書店)、『ビッグデータの罠』(新潮社)ほか180冊を超える。NHK Eテレ スマホ講座講師など。

  • この連載について / 今さら聞けないスマホの使い方

    通話やメールだけではなく、ネットや動画、写真やアプリなど、日常生活に欠かせなくなっているスマートフォン。便利な活用術や正しい使い方など、今さら聞けないスマートフォンの基礎知識を紹介します。

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