<連載> 専門家のお悩み相談室

2千万円? 1億円? 老後資金は一体いくらあれば、安心して過ごせますか

作家・楠木新さんが読者の疑問に答えます(2)

2020.05.29

 あなたは定年後、お金を上手に使えますか? 「人生100年時代」を迎え、長い老後に備えて節約や貯金に意識が向きがちです。でも、それだけで幸せな老後を送れるのでしょうか。Reライフ読者会議メンバーの疑問に、『定年後のお金』を刊行した作家の楠木新さんに答えてもらいました。

老後資金イメージ

Q:奈良県の50代女性からの質問

 お金がなくては、心もとないわびしい生活になると思う。そのために節約してためることは大事だと思っているが、ためる…どれだけためたら安心感が出るのでしょうか。ためることが目的になって、使うことが怖くなる時もある。どんなお金のため方、使い方が今の自分に安心感と幸福感が得られるかなと思い、参加したいです。

 A:楠木さんの答え

 高齢者の財産状況は、人によって大きく異なります。また収入額、退職金の額、年金額、家計の支出額も大きく異なっているので、共通の必要な金額はないと思った方が良いでしょう。
 まずは、自分の財産がどうなっているかを自分で知ることが最大のポイントです。家計簿でも良いですが、細かい計算をするよりも、自分の月末の財産の残高を確認していくやり方もあります。私はこの30年間、半年ごとに「財産増減一括表」を作って家計管理をしてきました。3カ月ごとでも良いのです。手間はそれほどかかりませんので、財産の残高の変化を見ていけば、1年か1年半くらいすれば自分の家計のことが分かってきます。
 少し貯蓄額を増やしても安心にはつながりません。むしろ自らの財産の内容を知ることと、自分の楽しみを見つけることが大切です。そのために自ら行動しましょう。

◇ 

Q:兵庫県の60代女性からの質問

 定年になって2年。今までの仕事とは畑違いのアルバイトをしたり、フランス語の勉強を始めたり、まさに今後の生き方を模索しているところです。老後のお金も心配だし、だからといって節約だけの人生ではつまらない。家計を破綻(はたん)させずにこれからの暮らしを充実させたいと考えているところなので、サロンで新しい切り口を見つけたいと思っています。

A:楠木さんの答え

 「定年になってから畑違いのアルバイトをしたり、フランス語の勉強を始めたり」と、定年後に新たな分野に取り組まれているのは素晴らしいです。しかも、これからの暮らしを充実させたいと考えているのは申し分ありません。
 アルバイトや学びで出会う人からヒントをもらうことも大切です。私の場合は「いい顔」をしている人に話を聞いています。そうするとヒントが得られることが多いのです。また子どもの頃に好きだったことやこだわっていたことにもう一度取り組んでみることもいいかもしれません。

  • 楠木 新(くすのき・あらた)

    作家、神戸松蔭女子学院大学教授

    1954年神戸市生まれ。京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。 人事・労務関係をはじめ総合企画、支社長などを経験。会社勤務と並行して「働く意味」「個人と組織」をテーマに取材を続け、執筆、講演などに取り組む。 2015年3月に定年退職。現在、神戸松蔭女子学院大学教授。『定年後』『定年準備』『定年後のお金』など著書多数。

  • この連載について / 専門家のお悩み相談室

    「第二の人生」を生きていく上で、誰もが様々な課題に直面します。Reライフ読者会議のメンバーから寄せられた悩みや疑問を皆で共有し、解決のヒントを専門家に教えてもらいます。

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