<連載> 専門家のお悩み相談室

60歳以降も今の会社で働くか、別の生き方か……迷っています

作家・楠木新さんが読者の疑問に答えます(5)

2020.06.19

 あなたは定年後、お金を上手に使えますか? 「人生100年時代」を迎え、長い老後に備えて節約や貯金に意識が向きがちです。でも、それだけで幸せな老後を送れるのでしょうか。Reライフ読者会議メンバーの疑問に、『定年後のお金』を刊行した作家の楠木新さんに答えてもらいました。

ビジネス 女性

Q:大阪府の50代女性からの質問

 60歳以降も現在の会社で勤務するのか、別の生き方を選ぶのか、もう2年間考え続けています。「今の会社では続けない」「5年前から学んでいるカウンセリングの技能で生きる」「75歳までは現役」 と考え、学び続ける中でそこは明確になってきました。でも収入はどうなるのか。一時的にでも収入が沈むのが怖い、と悶々(もんもん)としています。結論はこの秋に出す必要があります。貯蓄はそれなりにありますし、なんとかなるよと、自分を励ますのですが、誕生日を迎えて不安は増すばかり。
 この不安は、お金のことを考えようとせずに、ただただ見えない敵を恐れているところから来るのだろうと思います。 今の私には、的確に自分とお金の関係を見つめることが必要だと思います。 私は娘との二人暮らし、娘は今大学1回生です。

A:楠木さんの回答

  「5年前から学んでいるカウンセリングの技能で生きる」という目標があるのは素晴らしいと思います。ぜひチャレンジしてみてください。またお金の不安もあることは当然でしょう。ひょっとしたら、カウンセリングをやっていけるのかの不安も重なっているのかもしれません。
 まずは、「財産増減一括表」を作成して自分の財産の状況を確認してみてください。50代後半であれば、退職金や年金の額もほぼわかるので財産の全体感をつかんでください。

 なお、お金に関する不安があるのであれば、私なら当面は60歳以降も雇用延長や別の仕事で働きながら、カウンセリングの仕事を目指します。想定したことは実際にやってみないとわからないことがありますし、定年後は現役の時よりも時間的な余裕ができるので、二足の草鞋(わらじ)を履きやすいと思うからです。並行してやっていくうちにどうすればよいかが見えてきます。

  • 楠木 新(くすのき・あらた)

    作家、神戸松蔭女子学院大学教授

    1954年神戸市生まれ。京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。 人事・労務関係をはじめ総合企画、支社長などを経験。会社勤務と並行して「働く意味」「個人と組織」をテーマに取材を続け、執筆、講演などに取り組む。 2015年3月に定年退職。現在、神戸松蔭女子学院大学教授。『定年後』『定年準備』『定年後のお金』など著書多数。

  • この連載について / 専門家のお悩み相談室

    「第二の人生」を生きていく上で、誰もが様々な課題に直面します。Reライフ読者会議のメンバーから寄せられた悩みや疑問を皆で共有し、解決のヒントを専門家に教えてもらいます。

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