<連載> 専門家のお悩み相談室

妻を怒らせないように、上手に家事をするコツを教えてください

家事研究家・佐光紀子さんが読者の疑問に答えます(2)

2020.06.01

 新型コロナウイルスの影響で外出自粛が長引き、家事の負担が増えた人も多いことでしょう。頑張りすぎて笑顔が消えてしまっては本末転倒です。上手な「手抜き術」や家事分担のコツを学びませんか。Reライフ読者会議メンバーの疑問に、『もう「女の家事」はやめなさい』などの著書がある家事研究家・佐光紀子さんが答えます。

男の家事イメージ

Q:東京都の60代男性からの質問

 もうすぐ完全リタイアになるので、その予行演習として、最近は妻の手伝いをしています。しかし、どうもやり方が違うようで時々指導を受けるので、やる気もなくなってくる。うまくこなしていく秘訣(ひけつ)のようなものがあれば、教えていただきたいです。

A:佐光さん「家事を一つ決めて『任せてくれ』と伝えて」

 30年、40年と長い間、家庭という「城」を通して守ってきた女性側には、長年やってきた家事の「正解」があります。彼女の正解以外は認めがたい気持ちも強いでしょう。それが「指導」につながるのだと思います。
 家事を引き受ける時は、お手伝いはNGです。まずは、何か一つ「任せて」もらいましょう。小さなことでも自分で完結させる意識が大事です。例えば、ゴミ出し一つでも、出すゴミの種類を覚え、言われなくてもゴミを出し、新しいゴミ袋をかけ、ストックがなくなったら新しい袋を買ってくるところまでで完結です。「今日は燃えるゴミよ」と言われて出すのでは、お手伝いになってしまいます。
 お手伝いでは女性が上司です。部下は、上司の指示を正確にこなすことが求められますが、「任せて」ということで、新人ながらも同僚の立場に立ちましょう。

 家事ができないのは、慣れていないせいも大きいでしょう。新人ですから、最初はうまくいかないかもしれません。うまくいかないことは「ここはどうしたらいい?」と先輩に相談します。
 家事のやり方で文句を言われたら、「今までどうやってきたの?」と聞いてみることです。ポイントは、自分から家事のコツを聞くことです。指導を受けるのと、自分から聞くのは、似ていますが違います。家事を分担するときは、上下関係にならないように、先手を打って対等な立場に立つことも大事です。

 日々の会話の中で、ご夫婦で家事について話すのもとてもプラスです。やり方を説明してもらって、「へぇ、こうやっていたのか」と感心してもらえれば説明のしがいもあるというものです。また、こんなやり方はどうだろうと提案してみたり、新聞の家庭欄などの情報を話題にしたりするのもいいですね。

<他にもこんな声が寄せられました>

  • ・数年前に完全にリタイアしました。妻から「私も定年退職したいから家事を半分やって」と言われたのですが、何をやっていいのか分かりません。家の修理や機械物の取り扱い、力仕事・庭仕事は以前からやっているが、家事で何をどう分担すれば良いのかを学びたい。(東京、60代男性)
  • ・妻の行動能力が低下してきたので、自分も少し手伝わなければと思っています。(埼玉、70代男性)
  • ・妻にいつも負担をかけているので、少しでも自分でできることはやらなければならないかなと思っています。(東京、50代男性)
  • 佐光紀子
  • 佐光 紀子(さこう・のりこ)

    家事研究家、翻訳家

    1961年、東京都に生まれる。1984年、国際基督教大学を卒業。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に携わったあと、フリーの翻訳者に。ある本の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に目覚め、研究を始める。2002年、『キッチンの材料でおそうじするナチュラルクリーニング』(ブロンズ新社)を出版。以降、掃除講座や執筆活動を展開中。

  • この連載について / 専門家のお悩み相談室

    「第二の人生」を生きていく上で、誰もが様々な課題に直面します。Reライフ読者会議のメンバーから寄せられた悩みや疑問を皆で共有し、解決のヒントを専門家に教えてもらいます。

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