<連載> 専門家のお悩み相談室

家族に家事を分担する意識がありません どうしたらうまくいくでしょうか?

家事研究家・佐光紀子さんが読者の疑問に答えます(3)

2020.06.08

 新型コロナウイルスの影響で外出自粛が長引き、家事の負担が増えた人も多いことでしょう。頑張りすぎて笑顔が消えてしまっては本末転倒です。上手な「手抜き術」や家事分担のコツを学びませんか。Reライフ読者会議メンバーの疑問に、『もう「女の家事」はやめなさい』などの著書がある家事研究家・佐光紀子さんが答えます。

洗濯する老夫婦

Q:神奈川県の60代女性からの質問

 このままずっと続くのかと思うと、いやになるときがあります。頼めばやってくれても、頼まないと動いてはくれないし、あまり言うと難しくなるし。上手な進め方を体験した方の話も聞いてみたいです。

A:佐光さん「『私がいなくなっても、皆が困らないように』という視点で」

  家事分担をする大きな目的は、「私が楽になる」ではなく、私が寝込んだり、旅行に行って家にいなくても、暮らしていく上で困らないようにすること、と割り切ります。家事は習うより慣れよ、ですから、一度頼んだら「これはあなたの仕事」と、毎回任せます。

 家事を分担する際に、「お昼ごはんを作るのか、毎食後の片づけか、お風呂掃除、どれならできそう?」というふうに選択肢を示すと、うまくいくと思います。家事をステップ化し、「洗濯」と「干す」と「たたむ」のを分けて、どれかを任せるのもいいでしょう。

 スキルアップに失敗はつきものです。慣れるまでは失敗しても怒らないことはとても大事です。朝、ご飯を炊くのを引き受けてくれた夫が、炊き忘れても、怒りません。でも、助け舟も出しません。コンビニに走るも、代わりにパンを出すも、判断し動くのは夫です。私は、おみそ汁と納豆を用意します。パンに納豆でも、夫は怒れません。だって、炊かなかったのは「あなた」ですもの。

 私の思い通りの家事を家族にさせることではなく、皆の家事スキルを上げるという目的を忘れないことが大切です。失敗を笑いで受け流しつつ、スキルアップの過程を家族で楽しみましょう。

 分担を決めるときは皆で話すことも大切ですが、家族会議まではしなくていいでしょう。日常の食卓の会話で十分です。やり方についても、食卓で、こうすると楽よ、といったアドバイスすると、和やかに話がすすむような気がします。

<他にもこんな声が寄せられました>

  • ・3月末で早期退職をし、新しい生活を始めたいと考えています。仕事を辞めたら、家事を今までよりしっかりやらないといけないと感じていましたが、逆に家事を効率よく削減して、自分のための時間を捻出できたらいいと感じています。夫は家事をとてもよくやってくれますが、成人した子どもたちは家事を分担しようという姿勢が感じられません。子どもたちにも、もっと自然に家事に参加してほしいと思っています。(神奈川、50代女性)
  • ・夫もリタイアしました。そして、親の介護も必要になりました。そんな状況で、家事をうまく分担し、家事の内容を見直すことが必要となりました。家族で家事について考えたいです。(千葉、60代女性)
  • ・共働きから専業主婦になり、かなり妻に家事の負担があることに気づきました。「今日一日、何をしていたの?」と聞かれ、怒りより悲しい気持ちの方が大きく、家事分担をスムーズにできたらお互いにストレスがないと思います。(東京、50代女性)
  • ・仕事を持っていないので、家事を1人で担うのは当然と思ってきた。しかし、自分より時間に余裕のある家族がいるのだから、「お手伝い」ではなく、みんなが自分のすべきことの一つと捉えて欲しい。でもどうすれば良いか、全く分からない。理想に近づくためのヒントを求めています。(静岡、50代女性)
  • 佐光紀子
  • 佐光 紀子(さこう・のりこ)

    家事研究家、翻訳家

    1961年、東京都に生まれる。1984年、国際基督教大学を卒業。繊維メーカーや証券会社で翻訳や調査に携わったあと、フリーの翻訳者に。ある本の翻訳をきっかけに、重曹や酢などの自然素材を使った家事に目覚め、研究を始める。2002年、『キッチンの材料でおそうじするナチュラルクリーニング』(ブロンズ新社)を出版。以降、掃除講座や執筆活動を展開中。

  • この連載について / 専門家のお悩み相談室

    「第二の人生」を生きていく上で、誰もが様々な課題に直面します。Reライフ読者会議のメンバーから寄せられた悩みや疑問を皆で共有し、解決のヒントを専門家に教えてもらいます。

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