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<連載> ひとことブックレビュー

ブレイディみかこさんのノンフィクション本 日本では味わえないカルチャーショック

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んで/連載・ひとことブックレビュー

2020.06.18

 読者会議メンバーからブックレビューを募る企画にブレイディみかこさん「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んだ感想が届きました。広島県の大澤優子さんはご自身の米国での生活を思い出したそうです。

読者会議メンバーが読んだ本

  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
     (著)ブレイディみかこ/出版:新潮社

     優等生の「ぼく」が通う元・底辺中学は、毎日が事件の連続。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティーに悩んだり。世界の縮図のような日常を、思春期真っただ中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。落涙必至の等身大ノンフィクション。

読んでいるうちに自分のことのようにどぎまぎ……

 本書は2019年本屋大賞のノンフィクション本大賞受賞作であり、テレビ番組でも紹介されていたので買って来た。読み始めると1990年代に4年間過ごした米国での生活を思い出した。
 当時、息子の友達に米国人と韓国人のハーフの子がいた。米国人の父親に似たその子は小学校の3年生。そのことで学校でいじめられるので、自分とは似ていない母親と距離を置くようになり、母親はかなり悩んでいた。
 本書のエピソードはどれも主人公の「ぼく」が絵に描いたような優等生である。それがノンフィクションをどこかうさん臭くさせてしまっていはしないだろうか?良い話であることは間違いないのであるが。どうしてもうがった見方をしてしまう私は、かなり濁った眼を持ってしまっているのかも知れない。
 しかしながら、これがノンフィクションなのかと思うほど、英国の光も闇も、そしてそれらに照らされたり、ぶち当たったりする作者や子どもたちの人間関係が生き生きと描かれ、また、どれも不思議なほどうまく一話ごとに完結する。
 読んでいるうちに自分のことのようにどぎまぎしてしまうのは、作者と同じ日本人としての立場にいるからだろうか?日本ではちょっと味わえないカルチャーショックのようなものも含めて、これからますます国際化していくであろう日本社会への予備知識としても、役立つと思う。
(広島県 大澤優子さん 60代)

  • この連載について / ひとことブックレビュー

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