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<連載> シネマのある人生(映画部)

人生は思うようにならない 映画「パラサイト 半地下の家族」で感じた本当の幸せとは

「パラサイト 半地下の家族」/おとなの映画感想文

2020.06.18

 読者会議メンバーから映画レビューを募る企画に「パラサイト 半地下の家族」についての感想が寄せられました。監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、カンヌ国際映画祭では審査員満場一致で最高賞のパルムドールに輝き、第92回アカデミー賞で最多4冠を獲得した作品です。
 事業に度々失敗し、計画性も仕事もないが楽天的な父キム・ギテク。そんなかい性なしの夫に強くあたる、元ハンマー投げ選手の母チュンスク。大学受験に落ち続け、若さも能力も持て余している息子ギウ。美大を目指すがうまくいかず、予備校に通うお金もない娘ギジョン。「半地下住宅」で暮らす貧しいキム一家と「高台の豪邸」で暮らすパク一家。この相反する2つの家族が交差した先に、想像をはるかに超える衝撃の光景が広がっていく——。

本当に幸せだったのは半地下で暮らしていた頃かも

 いろいろな賞を総なめにした、おとなり韓国の映画。超大金持ちと半地下に住む貧乏な一家という題材にひかれ、映画館で見てきました。いっぱい笑い、たくさん考えさせられました。
 ネタばれ厳禁、と「パラサイト」ではよく言われていますが、終盤はサスペンス映画さながらに心臓がドキドキ。本当にスリル満点でした。
 貧乏一家は、お金を稼ぐために奇想天外な方法でお金持ちの家に入り込みます。生きるために姑息(こそく)な手段も使いますが、家族への愛情が深く、人への理解、思いやりがあります。一方、金持ち一家もそれぞれ愛し合い、幸せではありますが、やはり貧乏人のことはわからないし、生理的に受け付けません。お金持ちにも当然それなりに悩みはあり、幸せとは限らない。
 この映画の最大のメッセージは、貧乏家族の父親の言う「計画は立てない。なぜならその通りになんてならないから」というセリフにあると思いました。人生は思うようにならない。だから、そこで何とかやって生きていくんだとポン・ジュノ監督は言いたかったのではないかと思います。
 「金持ちになる」これは貧乏家族の願いでしたが、実は一番楽しく幸せだったのは、半地下で家族4人、不平不満を言いながら日々暮らしていた頃だったのでは……と、映画を見終わったときに思った私でした。
(神奈川県 北嶋るみ子さん 50代)

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