<読者ブログ>

<連載> ひとことブックレビュー

私の中の「モヤモヤ」が文字になったよう ジェーン・スーさん、ありがとう

「これでもいいのだ」を読んで/連載・ひとことブックレビュー

2020.06.25

 読者会議メンバーからブックレビューを募る企画に「これでもいいのだ 」を読んだ感想が届きました。神奈川県の山田久子さんは「じんわり心にしみるものの、くすっと笑えて、気持ちを明るくしてくれた」といいます。

読者会議メンバーが読んだ本

  • これでもいいのだ
  • これでもいいのだ
     (著)ジェーン・スー/出版:中央公論新社

     年齢を重ねただけで、誰もがしなやかな大人の女になれるわけじゃない。思ってた未来とは違うけど、これはこれで、いい感じ。「私の私による私のためのオバさん宣言」「コンプレックスと欲のバランス」「パツンパツンの喪服で」など、疲れた心にじんわりしみるエッセー66編。

「大人だって傷付いている」に、私だけじゃなかったと安心

 この本の題名「これでもいいのだ」に一目でひかれた。

 もうすぐ還暦を迎える私。日々、60年私は何をしてきたのだろう?何を成し遂げたのか?誰かの役に立てたのだろうか?といつも悶々(もんもん)とした何かをかかえている。

 結婚後は子育てをし、食事の支度、掃除、洗濯、買い物、犬の散歩……誰に褒められるということもなく、何となく過ぎていく日々に、自己肯定感が下がって行く一方の今日この頃。

 そんな私に著者スーさんが一言「これでもいいのだ」と、言ってくれているような気がして手に取った。

 66編から成るエッセー集はどれも「あるある」で、何とも親しみを感じ、共感し、何より私を安心させてくれた。

 著者ジェーン・スーさんは私より10歳以上も若く、ラジオのパーソナリティーなどもこなすバリバリのキャリアウーマンである。それなのに本当によくある日常のささいな事を切り取り、私の中でモヤモヤした何かを一気に文字化し、結論づけてくれた。

 それも、どれもがじんわり心にしみるものの、くすっと笑えて、気持ちを明るくしてくれた。

 特に私が感銘を受けたのは、第4章「大人だって傷付いている―『大丈夫だよ』と言ってほしかった」の中にある一節、「誰かに安心させてほしい時だって、背中をさすってほしくなる時だってあるのだ……」の部分。

 大人になって傷付くことは多いけれどそれを悲しいかな、何とか自分で折り合いつけて胸に納めるというのが常である。

 まさにこの部分を読んだ時、そうだった、誰かに優しくしてもらいたかったんだ、安心させてもらいたかったんだ、と気が付いた。私だけじゃないんだと。

 人生も後半にさしかかり、若かった頃のようなときめきや希望などとっくに忘れかけていたが、それでも日々ちょっとした幸せを見つけていこう、本を読んで何かを思い、音楽を聴いて感動し、映画を見て楽しもう。生きていれば元気で生きてさえいれば、楽しいこともあると信じて。

傷付いたって「これでもいいのだ」
失敗したって「これでもいいのだ」
落ち込んだって「これでもいいのだ」

ありがとう!スーさん。
(神奈川県 山田久子さん 50代)

  • この連載について / ひとことブックレビュー

    Reライフ読者会議では、登録メンバーから本の感想を投稿してもらう企画を開催しています。メンバーが推薦する大人年代に読んで欲しい本、Reライフ編集部が厳選した新刊本など、読書好きのReライフ世代からのブックレビューを集めました。

関連記事

おすすめ記事

PAGE TOP