<連載> 専門家のお悩み相談室

夫と同じ墓に入らなくてもいいの? 準備や費用を教えてください

シニア生活文化研究所長・小谷みどりさんが答えます(1)

2020.07.10

 人生の終末期は、誰にでも訪れます。少子高齢化による「多死社会」を迎える中、弔いのあり方も多様化しています。あなたは、ご自分のお墓をどうしたいと考えていますか? Reライフ読者会議メンバーの疑問に、Reライフ.netで「”ひとり死”時代の葬送と備え」を連載した、シニア生活文化研究所長の小谷みどりさんが答えます。

悩むシニア夫婦イメージ

Q:東京都の60代女性からの質問

 夫婦で同じお墓に入らなくてもいいのでしょうか。遺言は必要ですか。そのための準備や費用について知りたいです。

A:小谷さん「夫婦が同じ墓に入るかどうか、決まりはない」

 夫婦が同じお墓に入るかどうかに決まりはありません。最近では、「夫婦が同じお墓である必要はない」と考える女性は多く、実際に「夫と同じお墓はイヤ」という「あの世離婚」を望む女性も少なくありません。

 夫婦仲に関わらず、最近では、それぞれの実家のお墓に入る夫婦もいます。自分だけのお墓を建てる人もいますが、散骨したいという人もいますし、自治体や高齢者施設、市民団体などが運営する共同墓に入る人もいます。どんな形態のお墓なのか、経営主体は公営墓地か寺院墓地かによっても、かかる費用は数万円から数百万円と、まちまちです。公営墓地によっては生前には申し込めない自治体もありますので、お住まいの役場に確認してみてください。

 しかし、いくら生前に自分のお墓を準備しておいても、自分で自分の遺骨を納骨することはできません。したがって、子どもや親戚、友人などに、なぜ別墓がいいのかを伝え、理解してもらったうえで、どうしてほしいのかをあらかじめ話しておく必要があります。子どもにとっては、両親のお墓が二つになるので、場合によっては、墓の維持費やお参りの負担が増えることもあります。遺(のこ)される人から理解を得られないと、本人の思い通りに納骨してもらえるかは保証の限りではありません。

 そのうえで、準備を万全にするなら、遺言書では祭祀(さいし)継承者を指定できますので、自分の思いを理解してくれた人を祭祀継承者に指定しておくとよいでしょう。

  • 小谷みどり
  • 小谷 みどり(こたに・みどり)

    シニア生活文化研究所長

    大阪府出身。博士(人間科学)。専門は生活設計論、死生学、葬送問題。2018年末まで第一生命経済研究所に25年余り勤務。国内外のお墓や葬儀の現場を歩き、その実態や死生感の変化などを著書などで伝えている。著書に『<ひとり死>時代のお葬式とお墓』(岩波新書)、『ひとり終活』(小学館新書)、『没イチ パートナーを亡くしてからの生き方』(新潮社)など。奈良女子大学、立教セカンドステージ大学で講師をするほか、身延山大学、武蔵野大学の客員教授も務める。

  • この連載について / 専門家のお悩み相談室

    「第二の人生」を生きていく上で、誰もが様々な課題に直面します。Reライフ読者会議のメンバーから寄せられた悩みや疑問を皆で共有し、解決のヒントを専門家に教えてもらいます。

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