人生の終末期は、誰にでも訪れます。少子高齢化による「多死社会」を迎える中、弔いのあり方も多様化しています。あなたは、ご自分のお墓をどうしたいと考えていますか? Reライフ読者会議メンバーの疑問に、Reライフ.netで「”ひとり死”時代の葬送と備え」を連載した、シニア生活文化研究所長の小谷みどりさんが答えます。

Q:岩手県の50代男性からの質問
檀家(だんか)をやめることを考えています。妻の実家の両親が亡くなり、その一人娘の妻が亡くなったので、お墓の管理や住職との付き合いといった役割を担っています。住職の高額なお布施(60万円)の請求、供物は物ではなく現金3万円の要求、故人のお膳代の請求(仏前にはお膳はありません)など、諸費用の要求に困っています。
A:小谷さん「離檀料の支払い義務はない」
生まれ育った場所で一生を終える人が少なくなり、遠く離れた場所のお寺に先祖のお墓があるなど、菩提(ぼだい)寺とのつきあいに疑問を持つ人が増えています。菩提寺に、先祖のお墓を人質ならぬ「ハカジチ」としてとられていると感じている人も少なくないのか、実際、菩提寺と縁を切るために、民間霊園や市営霊園にお墓を引っ越す人もいます。
お葬式と法事でしかつながりがないのに、なぜ寄付を強要されるのかと思う人もいるかもしれませんが、檀家は菩提寺を経済的に支えるスポンサーです。
とはいえ、憲法で信教の自由が保障されており、家の宗教や宗派に関係なく、誰でも自由に好きな宗教を選択できます。現代では、檀家制度は実際には存在しません。しかし、代が替わるたびにお墓を引っ越したり、宗派を変えたりするのは大変なので、家の宗教という名のもとに、菩提寺との関係を子々孫々継承しなければならないと私たちは思い込んできたのです。お布施の問題が起きるのは、檀家がお寺と信仰でつながっていないことの証しです。
昨今では、お墓のあり方が多様化し、継承を前提としない合葬墓や期限付きのお墓、あるいはそもそもお墓を持たない選択をする人もいます。地方出身者が多い首都圏では、菩提寺を持たない人の方が多いのですが、菩提寺がなくても、希望する宗教や宗派でお葬式や法事をすることができます。
檀家をやめたいと伝えると、離檀料と称するお布施を要求するお寺もありますが、檀家に支払い義務はありません。
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この連載について / 専門家のお悩み相談室
「第二の人生」を生きていく上で、誰もが様々な課題に直面します。Reライフ読者会議のメンバーから寄せられた悩みや疑問を皆で共有し、解決のヒントを専門家に教えてもらいます。
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