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花束を抱いて会社を去る かつて見た光景は「生前葬」だったのか

「定年後からの孤独入門」を読んで/連載・ひとことブックレビュー

2020.09.17

 読者会議メンバーからブックレビューを募る企画に「定年後からの孤独入門」を読んだ感想が届きました。千葉県の村井俊雄さんは「生前葬消滅で成仏できず」という言葉にドキッとしたそうです。

読者会議メンバーが読んだ本

  • 定年後からの孤独入門
  • 定年後からの孤独入門
    河合 薫 (著)
    出版社:SB新書

     定年前後の本当の不安は、お金・健康より「孤独」――? 社会環境が人に与える影響を研究している健康社会学者の筆者が、「定年」を境に居場所を失って孤独に陥りやすい人の特徴を分析し、そうならないための対処法を伝授します。

「孤独は皮膚の下に入る」という言葉に背筋が凍った

 60歳になりますが「還暦」と言われてもピンときません。この本の中のみなさんは、50代を迎え、会社での立ち位置や今後の人生に直面し、当惑されています。が、私としては、会社でのポジション、仕事の中身についても、まだまだ後進に道を譲るつもりはない、というのが正直な現在の感想です。
 しかし「生前葬消滅で成仏できず」という言葉にはドキッとしました。かつては盛大?な退社式が行われ、花束を抱いて会社を去る、といった風景が当たり前であった時代から、世の中は確実に変わっています。その中で押し寄せてくる孤独感、激辛の塩漬け濃度に浸ってしまった身体の塩抜きをどう果たしていくべきか、この本は、自分の人生にささやかでも「有意味感」を持たせる参考となりました。
 「孤独は皮膚の下に入る」という言葉に背筋が凍り、会社でも家庭でも居場所がなくなることの恐怖が身にしみました。これからもつながりを大切にした人生を送りたいと思います。 
(千葉県 村井俊雄さん 60代)

妻から煙たらがれる“残念なおじさん”にガッカリ

 会社員を辞め、完全リタイアして4年目です。毎日、在宅なので、妻から煙たらがれています。32年間住み慣れたマンションから、昨年10月に今のマンションに引っ越してきて、地域にも溶け込むこともできず、「ぼっち」そのもの。「定年後からの孤独入門」に紹介されている“残念なおじさん”に近い所があるのは、少し残念です。本に書かれている内容は、会社人間だった私にも、よく理解できる内容でした。
(埼玉県 船越建基さん 60代)

次世代に役に立つことしていきたい

 V.E.フランクル博士の『自分にできそうなこと、やってみたいことを、自由に選択し、行動する。それが結果的に人生に意味をもたらす』という言葉がとても印象的でした。定年後、特にやってみたいこともない私でしたが、今までの経験から自分にできそうなことを考えてみると、教育、料理、園芸など、その多くは第三者とのつながりの中で実現できそうなことでした。人づき合いは得意な方ではありませんが、相手とつながることを目的とする「ラポートトーク」を心掛け、相手と共感し合うことから始めてみようと思っています。
 『人生に何かを期待するのではなく、人生があなたに期待しているのだ』という言葉に勇気づけられながら「自分に足りないモノ」を受け入れて、今の自分をもっと進化させていくと同時に、今までの人生で蓄積してきた「経験知」や「暗黙知」をいかして、次世代に役に立つことをするのが目標になりました。
(静岡県 鈴木和枝さん 50代)

  • この連載について / ひとことブックレビュー

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