<連載> 専門家のお悩み相談室

ペットと一緒にお墓に入れますか?

シニア生活文化研究所所長・小谷みどりさんが疑問に答えます(10)

2020.10.02

 人生の終末期は、誰にでも訪れます。少子高齢化による「多死社会」を迎える中、弔いのあり方も多様化しています。あなたは、ご自分のお墓をどうしたいと考えていますか? Reライフ読者会議メンバーの疑問に、Reライフ.netで「”ひとり死”時代の葬送と備え」を連載した、シニア生活文化研究所長の小谷みどりさんが答えます。

ペットとお墓

Q:大阪府の50代女性からの質問

 ペットと一緒に入れる墓地に規制があると聞いたことがありますが、どうしてなのでしょうか。宗派や墓地に問題があるのでしょうか。

A:小谷さん「規制ではなく、墓地運営者の考え方によります」

 かつてはペットが亡くなると、自宅の庭に遺骸を埋めていましたが、最近では大型犬を飼う人やマンションで飼育する人が増え、遺骸を火葬し、墓地に納骨するケースが多くなっています。

 法律上、動物の遺骸や遺骨は産業廃棄物とされ、いわゆる「ごみ」として扱われます。人骨は「墓地埋葬等に関する法律」で、墓地以外への納骨はできませんが、産業廃棄物であるペットの遺骨はこの法律の適用外です。

 とはいえ、家族同然のペットをごみとして処分するのではなく、墓地に安置したいと思うのは当然の感情です。ご質問の「人間とペットが一緒に入れるお墓」ですが、そのこと自体には法的な問題はありません。しかし動物アレルギーや動物嫌いの人が、隣の墓にペットの遺骨が納骨されていることを知れば、良い気分はしないかもしれません。最近は犬や猫だけでなく、イグアナや亀などを納骨したいという人もおり、民間霊園では、ペットと一緒に入れるお墓を建てられる区画を墓地の一角に設けているところもあります。墓地は、すべての利用者が心安らかになれる空間でなければなりません。

 また仏教では動物は「畜生」に分類され、人間よりも下位の身分だとする考え方があります。そのため、動物を人間と一緒に納骨するのは良くないと考える僧侶もいますが、遺族感情に配慮し、遺品としてペットの遺骨を飼い主の骨つぼに一緒に入れ、納骨を認める僧侶もいます。規制があるのではなく、墓地運営者の考え方によるところが大きいのです。

<こんな声も寄せられました>

  • ・墓には血がつながっていなくても納骨できると聞きました。娘婿やペットなども納骨できますか?(大阪、60代女性)

<専門家のお悩み相談室 シニア生活文化研究所長・小谷みどりさんが答えます>

  • 小谷みどり
  • 小谷 みどり(こたに・みどり)

    シニア生活文化研究所長

    大阪府出身。博士(人間科学)。専門は生活設計論、死生学、葬送問題。2018年末まで第一生命経済研究所に25年余り勤務。国内外のお墓や葬儀の現場を歩き、その実態や死生感の変化などを著書などで伝えている。著書に『<ひとり死>時代のお葬式とお墓』(岩波新書)、『ひとり終活』(小学館新書)、『没イチ パートナーを亡くしてからの生き方』(新潮社)など。奈良女子大学、立教セカンドステージ大学で講師をするほか、身延山大学、武蔵野大学の客員教授も務める。

  • この連載について / 専門家のお悩み相談室

    「第二の人生」を生きていく上で、誰もが様々な課題に直面します。Reライフ読者会議のメンバーから寄せられた悩みや疑問を皆で共有し、解決のヒントを専門家に教えてもらいます。

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