師走になりました。1年を振り返り、思い浮かぶ漢字を読者に尋ねたところ、250超が寄せられました。上位には新型コロナウイルスの影響が強く反映されました。さて、あなたの漢字は?
夫も子も在宅 とにかく「忙」
「今年は、とにかく『忙』しい1年でした。あっという間に過ぎて、がくぜんとしています」
北海道の板林美都子さん(53)はそう振り返る。夫と、20代の長男と長女、2人の子どもがいる専業主婦だ。
新型コロナウイルスの影響で、政府は今年2月に全国すべての小中高校などに臨時休校を呼びかけた。4月に緊急事態宣言が出されると街は閑散とする。人々の生活が一変した1年だった。
板林さんの家族も例外ではなかった。
まず直面したのはマスク探し。近所を回っても手に入らず、インターネットで買えるようになるまで、使い捨てのマスクも何度も洗ってはしのいだ。
大きかったのは、家族が家で過ごす時間の増大だ。夫は、在宅勤務を余儀なくされた。長男は出社が続いたが、時差出勤で食事の時間がまちまちに。専門学校生の長女はオンライン授業になった。
これまで会社の食堂を利用していた夫の昼食の準備や、プリンター用紙など仕事に必要な備品の調達。頻繁に使われるようになったトイレや廊下などの掃除――。
その一方で、仕事や授業の妨げにならないよう、掃除の音にも気を配る毎日が続いた。
家族も、家事を分担するとは言ってくれる。ただ「どうしても仕事や勉強が優先なので、私がやってしまいました」。息つく暇もなく続く、家事、家事、家事。「いずれ落ち着く」。そう思っていたがゴールが見えず、夏ごろに疲れがピークに達した。疲労の正体を探り、膨大な家事とストレスにさらされていたことに気がついた。
板林さんの夫は最近、関西地方への単身赴任が決まった。当初は、負担が軽くなったと感じた。だが、赴任先でどう健康を保ち、家族とのコミュニケーションをどうはかるのか。新たな悩みも生まれた。やはり家族のことを考えてしまう。
「来年も『忙』を選ぶことになりそうですね」

大学に釣りに再チャレンジ
在籍年限を過ぎてしまった大学に再入学したり、クロマグロ釣りにリベンジしたり。「再」チャレンジの1年だった。経済的な事情で断念した芸術系の大学進学を諦めきれず、社会人になってかなえた。だが、仕事や親の介護などに追われ、疎遠に。在籍年限を過ぎてしまった。「今しかない」。会社を退職し、再入学した。クロマグロ釣りは、昨年に続く挑戦で雪辱を果たした。来年の漢字は、これまで以上の頑張りを期し「上」にしたい。
(大阪市 女性 53歳)
芸術とは ゆったり考えた
服飾の専門学校を運営していて、日ごろは仕事にかかりきり。それがコロナの影響で一時的に登校人数が減るなどし、ゆったりした時間がもてた。6年ぶりにピアノを調律し、大好きなドビュッシーを弾いた。ゆとりある生活を続けていると、物事を考える時間が生まれ「考」を選んだ。自分が関わってきた芸術の存在理由は何だろうということまで考えられた。人生を振り返る機会にもなり、久しぶりに同級生に会って話もした。
(長野県 太田正子さん 71歳)
教員めざし 己とたたかう
大学3年を終えて休学し、1年間、オーストラリアにワーキングホリデーで滞在し今年2月に帰国した。英語はコミュニケーションを広げるきっかけになる。その橋渡しをしようと英語教員を目指すことに。ただ「同級生」たちはすでに就職。「大人の階段」をのぼっていると焦りも感じる。教員になるためには来年度、実習や試験にのぞむ必要がある。今は準備をする期間だと言い聞かせて「己」とのたたかいの日々を過ごしている。
(愛知県 錦野誠さん 22歳)
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