大事なのは寄付の「金額」ではなく応援の「気持ち」

堀田力さんインタビュー(下)

2020.12.21

 12月は寄付月間。寄付のお願いを目にする人も多いのではないでしょうか。Reライフのアンケートでは、「少額では申し訳ない」という声も。社会貢献についてどのように考えたら良いのか、公益財団法人「さわやか福祉財団」会長の堀田力さんに助言をもらいました。

堀田力さん
公益財団法人「さわやか福祉財団」会長の堀田力さん

どんな活動を通じて、世の中を良くしたい?

 寄付というのは、お金の価値が助け合いなどに生かされる効果を生みます。効果を考えると金額が大事だと思うかもしれませんが、寄付は「活動を応援している」という熱い支援メッセージです。1人の大金持ちが何億円も寄付してくれるのと、何万人もの人がそれぞれの厳しい懐から出すのとでは、何万人もの寄付のほうが力も効果も断然大きいです。ですから、「少額だから恥ずかしい」と思う必要はありませんし、周りを見ないことです。寄付は自分がするものですから、「自分は今、これだけ寄付をしたい」という気持ちがあれば、いくらでもいいのです。

 ボランティア活動をするのと、寄付をすることの意味合いは同じです。片方は自分のエネルギーを出す、片方は自分のお金を出すということ。そういう意味で、ボランティア活動をしたいけれど忙しくてできない人は、寄付をするのも選択肢です。その際、「自分がボランティア活動をするなら、こういうことをやりたい」というところへ寄付をする発想をもってほしいです。自分は、どんなことをしてこの世の中を良くしたいと思っているのか。子どもたちのためなのか、お年寄りを支えたいのか。障がい者の方々を支えたいのか、環境を良くしたいのか。

 ボランティアは労力を出しますから疲れますし、寄付はお金を出すからその分こたえます。そういう点では、自分にとって直接的にはマイナスなのですが、そうやってお金を出したにしろ、活動に参加したにしろ、気分が良いんですよね。

「人のためでもあるけれど、第一に自分のため」

 「自分が人の役に立っている」という実感は、これ以上大きな自信をもたらすものはないでしょう。具体的には、その日の夕食は普段よりちょっとおいしいですし、夜寝るときにはちょっと気分良く眠れる。そういう気分の良さはお金では買えません。

 心の余裕がなくて、自分のためだけの生活しかできていない人は寂しいと思います。生きがいが感じられず、エネルギーが湧き出てこないでしょう。私は「結局、ボランティアも寄付も人のためでもあるのですが、第一に自分のため」と言っています。

 寄付やボランティアまで考えなくても、お金がなくても、公園でごみを拾ったり、通学中の子どもに声をかけて励ましたり、誰かのためにできることはあるはずです。「自分が社会の役に立っている」と感じられる精神的な満足感は得がたいもの。充実感を持って生きる一つの方法だと思って、生活を豊かにしていってもらいたいです。

  • 堀田 力(ほった・つとむ)

    弁護士、さわやか福祉財団会長

    1934年生まれ。61年検事に。東京地検特捜部検事としてロッキード事件を捜査した。法務省官房長を経て、91年退官し弁護士登録。公益財団法人「さわやか福祉財団」会長、一般社団法人「全国レガシーギフト協会」代表理事。著書に「『共助』のちから」など。

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