「ありがとう」がうれしくて 福祉・介護の仕事、その魅力とは?

福祉・介護の仕事に関するアンケート(上)現場からの声

2021.01.20

 様々な支えあいの形が必要な福祉・介護の仕事。その魅力・やりがいは、どこにあるのでしょうか。読者会議メンバーにアンケートしたところ、様々な形で働くメンバーから「自分を待っていてくれる人がいる」(70代女性)、「感謝の声でうれしい気持ちに」(50代男性)、「自分自身の生きる意味を見いだされる」(40代女性)など、多くの思いが寄せられました。

福祉・介護の仕事

「母の介護をきっかけに」「わたしなりの恩返し」・・

 パートタイムで介護ヘルパーをしている女性(50代・埼玉県)にとって、この仕事をするきっかけは母親が事故で介護が必要になったことでした。まず自分で介護ができるように。55歳で資格をとり、介護職につきました。

 近くの介護施設に勤め始めて2年半、「様々な状況の方々の介助をし、見取りも行い、最後の日まで気持ちよく過ごせるよう、工夫や心配りをすることにやりがいがあります」。

 訪問介護ヘルパーとして働く女性(70代・広島県)は、この仕事を「自分なりの恩返し」と言います。離れて暮らしていた実家の母が色々な人たちの世話になり、そのお返しの思いが込められています。デイサービスの送り出しから、掃除、洗濯、調理などの家事援助、入浴介助や着替えの手伝い、通院介助など。さまざまな介助にたずさわり、「朝早いときはシンドイなぁと思うことがあるが、自分を待っていてくれる人がいるのはうれしい」。

福祉・介護の職場経験

 現時点で介護や福祉の仕事についたり、過去に仕事をしたりしたことがある人は、回答者全員(237人)の3分の1強。その半数が現在、職員、パートタイム、ボランティアなど様々な形で、携わっています。

リタイア後、パートやボランティアで復帰

 いったん現役を退いたあと、ボランティアやパートタイムとして仕事に復帰した人も少なくありません。

 70歳を過ぎてから地域の社会福祉協議会に登録した女性(70代・東京都)は、介護福祉士の資格を活かして、目の悪い人の買い物や受診の付き添いをしています。「資格を活かせることで、お互いに助け合うことができると感じている」といいます。

 ボランティアとして、レクリエーションの補助をしている女性(70代・埼玉県)も「体が動かなくなったり認知能力が落ち生活が難しくなった人にいかに生活の質をあげて生きる力を生み出せるか。年をとることがむなしくならないよう、少しでも楽しみを与える手助けができたらうれしい」。

 障がい者の短期入所施設で支援員をする女性(60代・大阪府)は、「介護・福祉の現場は、若い職員が仕事を続けるのが困難な場面もある。いったん、リタイアしたシニアが補助的に入り、支えることで繫(つな)がっている。やりがいのひとつです」。

自分自身の生きる意味を見出される

 保育園や障がい者施設など、福祉の現場で働く方からの声も寄せられました。

 0~2歳児小規模保育園に保育士として週2~3日勤務する女性(70代・埼玉県)は「0歳児の子どもが『歩く、話す』ようになる成長過程がみられることがうれしいし、やりがいがある」といいます。「一概にすべての子が順調に成長するとは限らない。人として生まれた子のありのままを認めること。一人ひとりが違って当たり前の精神で、いまできることをしています」。

 パートタイムで保育補助をする女性(60代・神奈川県)は「子供の笑顔、発想の豊かさに、こちらが元気をもらえます。正規職員でなく、資格もないのに、子供たちは先生と呼んでくれるのも、こそばゆいですが、うれしいです」。

 障がい者の就労支援施設で、政策指導員として働く女性(40代・岩手県)は「生きづらさを感じている方の力に少しでもなれることで、自分自身の生きる意味を見いだされるように思います」。

福祉・介護の仕事の魅力

役に立ちたい、働きがいのある仕事

 なぜ、福祉・介護の仕事を選んだか。その理由として最も多かったのが「人や社会の役に立ちたいから」。「働きがいのある仕事だと思ったから」「資格や技能が生かせるから」と続きます。

 「私自身にとってはなんでもない事でも歳を重ねて出来ない事が増えてきた利用者の方から『ありがとう』と言われると、役に立っているのだな、とうれしく思います。少しでも気持ちよく過ごしてほしいと思い、ますます一生懸命になります」と、パートタイムで訪問介護ヘルパーをする女性(60代・埼玉県)は言います。

 看護師として働く女性(50代・大阪府)も「患者さんからの『ありがとうございます』『あなたから元気をもらってるよ』。何げない言葉だけど重みのある言葉と思います。その言葉を聞くたびに、力になりたいと思います」。

 「現代社会では、家族による介護だけでは無理があり、介護サービスが必要不可欠です」と、介護施設の運営に携わる男性(50代・岩手県)は指摘したうえで、「みんなから喜ばれ、とてもやりがいのある仕事です。感謝の声をいただくと、うれしい気持ちになることもできます」。

 回復期リハビリテーション病院の看護師の女性(50代・大阪府)は、一緒に働く介護福祉士を「心から尊敬している」といいます。「彼らがいないと、回復期リハビリテーション病院は成り立たない。患者に優しく、ナースコールに機敏に反応して走り回っている。世間が思うより、介護福祉士は自立し、自尊心をもって働いています」

 調査は、読者会議メンバーを対象にReライフプロジェクトのwebサイトで2020年10月14日~29日に実施。有効回答は237人(男性45%、女性55%)。年代別では49歳以下11%、50代37%、60代33%、70代17%、80代以上2%。

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