<連載> あの人の腸活

山田章仁さんに聞く 朝食で整える腸と一日のリズム

丈夫な体をつくった食習慣や心がけていることは?

2021.01.25

 「21世紀は腸の時代」とも言われ、とくに腸内細菌の多くがすむ大腸の役割や、全身の健康と大腸の関係が注目されています。強豪・南アフリカを破った2015年ラグビーW杯にも出場し、今も選手として活躍する山田章仁さんに、丈夫な体をつくった食習慣などについて聞きました。

 5歳で始めたラグビーとの付き合いも早30年。慶応大学時代にU19日本代表に選ばれ、社会人選手としても国内外のチームで試合を重ねてきました。

 激しくぶつかり合うラグビー選手は体が資本。プロになって以降、体調不良で休んだ試合は一つもありません。健康でなければ厳しいトレーニングもできないですからね。自分の体は責任をもって管理するように意識しています。

あの人の腸活/山田章仁さん1

自律神経と腸 寝起きの水で活性化

 どんなに強い選手でも試合当日に体調が悪いと100%の力は出せません。そこで大学在学中、ラグビー部監督の紹介で順天堂大学医学部の小林弘幸先生から指導を受けました。

 印象的だったのは、自律神経を構成する交感神経と副交感神経のバランスの大切さ。自律神経が整うと腸の働きが良くなると聞き、朝起きてすぐ水を飲むことを習慣にしました。水を飲んで血流を良くすることで自律神経のバランスも整い、胃腸の働きも活発に。疲れもとれやすくなり、試合でも自分の持ち味を最大限発揮できるようになりました。

 ラグビーも、監督や時代によって求められるものが変わってきます。そういう要求に対してもすぐに対応できるような気がします。様々な先生から指導を受けますが、いずれも自分自身で内容をかみ砕いて生活に取り入れています。

バランスとれた朝食 母の食育のおかげ

 今でこそ筋肉質で丈夫な身体に見えますが、幼い頃は人にタックルしただけで骨折しそうなきゃしゃな体つきでした。そこで、健康で強い子になってほしいと願う母から、朝食は欠かさずとる厳しい食育を受けました。

 起きるやいなや野菜ジュースを飲まされ、そこから怒濤(どとう)の小皿責め。最後は牛乳でいりこを流し込むといったスパルタ具合。当時の私の胃にも厳しい訓練期でありましたが、ゆでたブロッコリーやひじき、トマト、豆腐、納豆、そしてみそ汁にご飯といったように、いろいろな種類を小分けで出してくれたので、バランスのよい食事が自然と習慣化されました。

 野菜ジュースで食物繊維を補い、ビフィズス菌や乳酸菌など体に良い働きをする善玉菌が豊富なヨーグルト、善玉菌のエサとなる納豆などの発酵食品を意識的にとっていました。

山田章仁さん4

 好きな納豆は毎日食べ、野菜を先に食べるベジタブルファーストを意識しています。妻も料理が好きですし、食事は会話をしながら楽しく、よくかんで食べることも大事ですよね。そうすることで胃の負担も少なくなり、腸にもよい影響があるのだろうと実感しています。

 腸内フローラのバランスが整ったおかげで、いつも体調が良く、学生時代に遅刻は一度もなし。いずれも簡単に手に入る食材のため、一人暮らしだった大学時代や移籍した海外生活でも、冷蔵庫に常備していました。

 シンプルな朝食でスタートさせることは、一日のリズムをとる上で非常に良い。厳しい食育でしたが、ラガーマンとなった今振り返ると、朝食の習慣がついたのも、母のスパルタ食育のおかげです。

 健康のバロメーターという点では、オナラを気にかけています。誰もいないところで出てしまうオナラの匂いに敏感になり、極力異臭がないようにと願っています。もし異臭があれば、腸内が何か異変を起こしているというサインでもあるので、その都度、食生活を見直してみたりしています。

あの人の腸活/山田章仁さん3

 35歳になりました。現在はラグビー選手という職業を軸に人生を組み立てているのですが、自分のパフォーマンスを最大限発揮するためにも、腸活を大切にしています。世界中どこでも行える「水で腸を起こし、朝食で動かす」のが、私流の腸活です。

 身体の調子を見ながら、パフォーマンスに生かす。一日を充実させる……。すでに意識も高く、自分なりの腸活をお持ちの方もたくさんいると思います。さらに、これから腸活に挑戦される方は、自分のライフスタイルにあった腸活をぜひ、試行錯誤してみてください。自分の身体とコミュニケーションをとりながら毎日過ごしてみると、意外と楽しい発見があるかもしれません。みなさんの明日が昨日よりもちょっといい日になることを心から願っています。

(談)

  • 山田章仁
  • 山田 章仁(やまだ・あきひと)

    ラグビー選手

    1985年生まれ。北九州市出身。慶応大学時代からU19日本代表に選ばれるなど活躍。2015年のラグビーワールドカップ(W杯)に出場し、強豪の南アフリカを破った日本の躍進にも貢献した。19年からトップリーグの「NTTコミュニケーションズシャイニングアークス」で、ウィングとして躍動している。

  • この連載について / あの人の腸活

    日頃から大腸を意識し、食や暮らしの改善に取り組む著名人に、私たちのお手本になる「腸活」への取り組みを取材。年齢を感じさせず、いつまでもアクティブな生活を送る「あの人」の元気の秘密に迫ります。

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