長引く巣ごもり生活 足腰の筋力アップで元気に過ごそう

筑波大学・久野譜也さんに聞くコロナ禍の中での健康維持法

2021.02.05

 外出自粛で筋力が低下し、問題となっている健康二次被害。感染予防しながらできる健康維持法とは何でしょうか。健康政策とスポーツ医学が専門の筑波大学大学院の久野譜也教授に聞きました。

筑波大学大学院の久野譜也教授

 長引く巣ごもり生活で心身が衰える「フレイル」状態の高齢者が増え、認知機能低下も進んでいることがさまざまな調査から明らかになっています。「ステイホーム」は大切ですが、過度なステイホームが認知機能低下とフレイルの進行を加速させている事実も見過ごせません。正しく恐れつつ心身の健康をどう維持していくかという視点がこれから大事になってくるでしょう。

 運動不足は免疫力低下を招くことが科学的にわかっており、様々な病気への感染や重症化がしやすくなります。フレイルにつながる一番の問題は足腰の筋力の衰え。そこで大切なのが筋力アップです。まずは体組成計で自分の筋肉量がどれくらいか測ってください。その上で、椅子から立ったり座ったりする能力や、歩行速度がどれくらいかを知ること。移動能力の状態を日常生活の中でチェックしてみてください。

 筋力アップで効果的なのがスクワットです。少しずつでもいいので、毎日続けるようにしましょう。また、人と会わない生活は心の不調につながり、話さなければ口腔機能も衰え、認知機能にも影響を及ぼします。人混みを避けつつ、社会との関わりは持ち続けた方がよいと思います。

 人生100年時代を迎えた今、晩年の10年をあきらめて生きるのか、それとも中年期から晩年までやりたいことをして過ごすか。私は「生きがい本線」と「寝たきり本線」と言っていますが、70代から寝たきり本線に入る人が多くいます。しかし、どう生きるかは自分の心がけ次第でどうにでもなるんです。

 一例を挙げれば、私の母方の祖母は98歳で台湾を旅行しました。70代からスクワットを続けていたことが結果的に筋力がつき元気な体をつくっていたのではないかと。科学的には90代でも筋トレなどをやっていくと移動能力はかなり回復します。

 人生をポジティブに生きるために今からできることは何かを考え、自分なりの健康維持法を見つけてもらえたらと思います。

  • 久野 譜也
  • 久野 譜也(くの・しんや)

    筑波大学大学院教授

    1962年生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授(スポーツ医学)。中高年の筋力運動、サルコペニア肥満、健康政策などを研究。同大学大学院博士課程医学研究科修了。東京大学教養学部保健体育科助手、ペンシルベニア大学医学部客員研究員などを経て、2011年より現職。大学発ベンチャー「(株)つくばウエルネスリサーチ」を起業。著書に『60歳からの「筋活」』(三笠書房)、『寝たきり老人になりたくないなら大腰筋を鍛えなさい』(飛烏新社)など。

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