春は学び直しの季節。書店には様々な講座の本が並びます。今まさに「英語に挑戦したい」と考えている人も多いのではないでしょうか。NHKラジオでビジネス英語の講師を計33年間つとめた杉田敏さんに、「オトナ」が学び直す際のヒントを聞きました。

英語を学ぶ「長続きのヒント」
「どうしたら英語が上達しますか」と、社会人から聞かれることがあるという杉田さん。その時に聞き返すのが、この三つの質問だという。
今はどのくらいの実力があるのか
何が目標なのか
そのためにはどれだけの時間とお金を投資できるのか
若い頃は「留学したい」「MBAを取りたい」「通訳になりたい」など、具体的な目標のために英語を学ぶ意欲がわきやすい。一方、年を重ねるにつれて、「頭を活性化するため」という声が目立つようになるそうだ。
杉田さんは「頭の活性化のために英語を学ぶのもいいですが、それだけではなかなか長続きしないものです」といい、「あなたが一番好きなこと、没頭していることを、英語の目標に結びつけてみましょう」と勧める。例えば、ゴルフが好きなら、英語で書かれたゴルフの本を読むことを目標にして勉強する。将棋や手芸、映画、生け花――どんな分野であっても英語の本や映像はあるので、自分の興味を英語に結びつけることが「長続きのヒント」だという。
自分の英語力の「現在地」を知る
どんなにいい地図があっても、現在地が分からなければ目的地にたどり着けないもの。英語の学習でも、自分の「現在地」を知ること、つまり自分の現在の英語力を把握することが大切だという。
英語検定試験を受けることは、英語力を客観的に測る一つの方法だ。ただ、「検定に受かることだけを考えて勉強するのではもったいない」と杉田さんは話す。検定試験に合格したり点数が上がったりすることと、あなたの本来の目標が達成できることは違うからだ。
その上で、英語力を測る上で大切なのが語彙(ごい)だという。語彙を増やすことは、英語力アップのために欠かせない基本になる。「中学校で習った英単語だけで話せる」といったうたい文句の教材もあるが、杉田さんはそれを勧めない。「語彙が貧弱だと知的な会話ができませんし、英語を通じて知識を効率的に吸収できません」。英語が思うように使えないのは、語彙が不足しているからだと自覚することこそが、上達への第一歩になる。
日本で高校卒業までに習う英単語は約3000語だといわれている。仕事で英語を使うには少なくとも8000語、何かを議論するには1万語を知っておくべきだと書く本もあるという。あなたの大まかな語彙数を教えてくれるサイト「Test your vocab」もある。画面に出てくる単語の中から、知っているものを選ぶだけ。杉田さんは「ネイティブの人に答えてもらったら、かなり教養がある人でも3万語くらいでした。本当に自分の語彙数が1万語もあるのかどうか、やってみると面白いですよ」と話す。
◇
That’s all for today!(今日はここまで)。次回は「すぐ忘れちゃう」「覚えられない」という人に向けて、杉田さんから助言をもらいます。
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