<連載> 私のReライフ

からだの中に風を吹かせたい 秋野暢子さんの呼吸筋ストレッチ

秋野暢子さんスペシャルインタビュー(上)

2021.03.01

 ドラマや映画で活躍されている俳優の秋野暢⼦さんが、呼吸筋のストレッチとヨガを紹介する「10カウントブレスヨガ」(幻冬舎)を出版しました。⽬指すのは、丈夫な肺と⾜腰をつくること。普段、あまり運動をしていない⼈に取り組んでほしいという簡単エクササイズです。⾎流がよくなり、体内の詰まりも取れていくと⾔います。本をまとめたきっかけや健康への思いを聞きました。

秋野暢子さん

「息が詰まる」という声を被災地で聞いて

――本のサブタイトル「からだの中に⾵が吹く!」というのは素敵なことばです。ヨガには⻑く取り組んでおられると聞いていますが、今回呼吸に注⽬したのはなぜでしょうか。

 東⽇本⼤震災の後、東北の被災地に⽀援にうかがってヨガや体操を⼀緒にしたときに、「呼吸がうまくできない」とおっしゃる⽅が多かったのです。狭い仮設住宅に⼊り、運動もままならない状況が続いていて、「息がしにくい」「息が詰まる」「どうしたらいいでしょう」と。そんなときに、呼吸が専⾨の東京有明医療⼤学学⻑の本間⽣夫先⽣と出会い、呼吸はすごく⼤事だと学びました。被災者の⽅だけではなく、年齢を重ねてくると、ちゃんと息ができなくなったり、誤嚥(ごえん)性肺炎になってしまったり。そういうことを防ぐためのトレーニング、とくに呼吸筋を軸にしたトレーニング
の⼤事さを知り、本にまとめて広めようと思いました。

――息苦しい、息が詰まる、というのは⼼の状態を表現する⾔葉でもあります。

 イライラすることがあったり、苦しい状況に置かれたりすると、呼吸が乱れていきます。呼吸は⾝体的なことだけじゃなく、精神的なことによって、乱れたり、いい呼吸になったりします。⼼とつながっていますよね。被災されて、いろいろと苦しい中で⽣活をしていらっしゃると、精神的にも追い詰められていく。それで呼吸ができなくなっていくことがあるのですね。

秋野暢子さん

鼻から4秒吸い、口から6秒吐く

――呼吸筋ストレッチは、4秒吸って6秒吐くという呼吸を基本に、肩、首、胸、おなか、体幹などを伸ばします。なぜ4秒と6秒なのですか。

  いろいろやってみたのですけど、深く吸って深く吐くっていうのは人間の呼吸のリズムからいうと、3秒、7秒でも、5秒、5秒でも違うのです。吐き切るっていうのが大事で、4拍で吸って6拍でしっかり吐くっていうのがちょうどいい。普通の呼吸より、ちょっと頑張らなきゃいけないのですけどね。

 吐くときは、シューって言いながら吐くといいです。吐くことは、なかなか意識できない。深く吐くのは難しいのです。吸うほうは、鼻から吸うことが大事です。口呼吸では息がそんなに入らない。マスクをしていると、みなさん口呼吸になっていると思います。鼻からちゃんと空気を体に入れて、口からしっかり吐く、ということを気を付けていただきたいです。

コロナ下にお酒をやめました 

――コロナ下、秋野さんはどのように過ごしてらっしゃいますか。

  私、すごいロングスリーパーで、大体9時間ぐらい寝ています。朝は4時か5時ごろ起きて、仏壇のお花を替えたり、ワンちゃんにご飯をあげたり、家の中のやらなくてはいけないことをちゃちゃっとやって、それから筋トレを40分ぐらい、ランニングを15分から20分ぐらい、その後ヨガと呼吸筋のトレーニング。大体1時間半から2時間弱トレーニングしています。今はずっと家にいますから、仕事以外の日は、8時ぐらいに朝食、12時に昼食、5時に夕食を取って、その後、39度から40度ぐらいの温度のお風呂に15分間つかって、90分後に寝る。そういう生活をずっとしています。

  そして、お酒をやめました。私、めちゃくちゃ飲むんです。ひとりで毎晩ウイスキー瓶半分くらい飲んでいました。でもある日、コロナで家にひとりでいて、このまま飲んでいたらお酒の量が増えて、病気になるなと思って、これはもうやめたほうがいいと思ったのです。絶対やめられないだろうと思っていたけど、つらくないんですよね。お酒好きです。でもなくても全然大丈夫でした。生きていける。やめて肝臓が楽になりました。うまく表現できないのですけど、あ、飲んでないとこうなるんだな、と。何かが軽い感じですね。 

――この間に「鬼滅の刃」(集英社)も全23巻読まれたそうですね。

  ブームになっているのでまずアニメを見て、漫画はあまり読まないのですが、全巻借りて読みました。そしたら、鬼と戦うのに呼吸法が出てくるではないですか。「水の呼吸」「日の呼吸」といろいろ種類があって。やっぱり呼吸を大事にしている。それが私の中ではキャッチーでしたよね。

秋野暢子さん

空を見て大きく深呼吸 心も青空に

 ――いま、コロナ下での生活が続いていて、呼吸が乱れている方が多いかもしれないですね。

  息が詰まっている方が多いですね、きっと。すごいストレスの中にみなさんの日常がある。呼吸によくないですよね。正しい呼吸ができない。

 だから呼吸筋ストレッチをぜひやっていただきたい。私は世の中の人は10人いたら8人は運動していないと感じていますが、これはその8人の方用です。続けてやっていただきたいので、そのためには、たくさんやらないこと。腹筋100回なんて言っても、できないし、やらないですよね。呼吸筋ストレッチは11種類、ヨガの動きで足腰を整えるヨガトレもいくつかありますが、1個でいいです。物足りなくなったら増やす。1年かけてという感じで長くやってくださるといいです。

 もし、呼吸筋ストレッチを続けられなかったら、たとえば、空、外を見て大きく深呼吸を三つぐらいするとか、それだけでも日常はちょっと変わったりします。深呼吸を重ねていくなかで、ストレッチもまたしてみると、胸が開いたり、肩甲骨が動いたり。呼吸をちゃんとしていくと、心も晴れやかになっていく。今日みたいな青空になっていく。体の中に風が吹きますよ。

(聞き手・松崎祐子、撮影・伊藤菜々子)

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ReライフFESTIVAL@homeで配信した秋野暢子さんのプログラムは3月31日まで見逃し配信中。ぜひご覧ください。

  • 秋野暢子
  • 秋野 暢子(あきの・ようこ)

    俳優

    1957年大阪府生まれ。74年デビュー。75年NHK朝のテレビ小説「おはようさん」のヒロインに抜擢される。映画、舞台、バラエティなどに活躍の場を広げ、86年映画「片翼だけの天使」でキネマ旬報主演女優賞受賞。CDやダイエット本を発売したり、イベントやセミナーで講演したり、多方面に活動中。2019年には「ドクター本間の呼吸筋ストレッチ体操 指導士」の資格を取得。近著に「からだの中に風が吹く!  10カウントブレスヨガ」(幻冬舎)。「元祖カープ女子」として、広島東洋カープを応援し続けている。

  • この連載について / 私のReライフ

    第二の人生を自分らしく充実した時間を過ごしている方々をご紹介します。地域ボランティアや趣味の活動、介護や終活、仕事探し、終の住まい選びやリフォーム体験談など、Reライフ読者会議メンバーから届いた活動リポートのほか、第二の人生で新たな挑戦に取り込む著名人にもインタビュー。

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