男と女のアンチエイジング どちらも鍵はホルモン

ReライフFESTIVAL@homeでセミナー開催

2021.03.12

 人生100年時代と言われるようになり、ますますアンチエイジングが注目されています。2月にオンラインで開催した大人の文化祭「朝日新聞Reライフフェスティバル」では、セミナー「男と女のアンチエイジング」(日本抗加齢医学会共催)を配信。2人の専門医が、ホルモンがいかに重要な働きをしているか、そして、若さを保つために何をしたらいいかについて話しました。

堀江重郎さん
日本抗加齢医学会理事長で順天堂大大学院教授の堀江重郎さん(篠田英美撮影)

男性ホルモンは意欲や筋力、認知力に関係

 日本抗加齢医学会理事長の堀江重郎・順天堂大大学院教授(泌尿器科)は、男性ホルモンであるテストステロンについて解説した。
 テストステロンは、耳かき1杯程度の非常に少ない量でいろいろな臓器に作用。意欲や社会活動に関係し、筋力、認知力を支える働きがある。女性でも卵巣や副腎で作られている。
 男性ではテストステロンの値が高い人の方が長生きをすることが分かってきており、見た目の若々しさにも大きくかかわっているという。逆に、低くなると高血圧や糖尿病、がんといった生活習慣病にかかりやすくなる。

睡眠や運動 人生の「目的」も大事

 「男性のアンチエイジングには、テストステロンを高める、維持することが重要」と堀江さん。そのために簡単にできることとして、十分な睡眠、運動、ビタミンDや亜鉛・マグネシウムの摂取を挙げた。運動をすることで高齢者のテストステロンの値が若者と同様程度に上がるという研究結果もあるという。 

アンチエイジング)運動はテストステロンを増やす

 また、テストステロンは、応援しているチームが勝利しても、ぐっと上がるという。堀江さんは、このホルモンを高めるには、人生における「目的」があるといいと話し、毎日を楽しく、有意義に過ごす重要性を強調した。

大須賀穣先生
日本抗加齢医学会理事で東京大大学院教授の大須賀穣さん(篠田英美撮影)

女性ホルモンは50歳前後で急激に減少

 女性ホルモンのエストロゲンについては、日本抗加齢医学会理事で女性医療も専門とする大須賀穣・東京大大学院教授(産婦人科)が解説した。
 エストロゲンは全身に作用しており、髪の毛、肌、血管、コレステロール、脳、免疫、骨などにかかわっている。
 女性では男性以上にホルモンが大きな役割を果たしている。男性ホルモンが年齢とともに徐々に減っていくのに対し、女性ホルモンは50歳ぐらいの閉経のころ、滝を落ちる水のように急激に低下してしまう。

アンチエイジング)男女の性ホルモンのレベルの推移

 閉経を境に、総コレステロールの平均値は女性が男性を上回るようになり、肥満者の割合も男女がほぼ同じになっていくのはこのためだ。骨量も急減するため骨粗鬆症が起こりやすくなる。女性の方が寝たきりになる原因として転倒・骨折が多く、気をつけなくてはならないという。

いつもより1日10分多く運動を

 大須賀さんは「女性のアンチエイジングには、20、30代から卵巣にやさしい生活を心がけてほしい」と話す。適度な運動、十分な睡眠、バランスのいい食事、体重のコントロール、体を冷やさない、ストレスをためないこと。閉経前後の時期にはホルモン補充療法も有効だという。
 また、食事でカルシウムやビタミンD・Kなどをしっかり取り、必要に応じてサプリメントを利用するのもいいという。ウォーキングなどの運動もすることで骨をしっかり保てるといい、高齢者に対しては、ふだんの運動に「プラス(テン)」、いつもより10分多く体を動かすこと、できれば1日40分程度体を動かすことを勧めた。

  • 堀江重郎さん
  • 堀江重郎さん(ほりえ・しげお)
    順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器外科学主任教授、日本抗加齢医学会理事長、日本Men’sHealth医学会理事長

    1985年東京大学医学部卒業。医学博士。専門は泌尿器科学、腎臓学、分子生物学、臨床腫瘍学、男性医療。2012年より現職。内視鏡手術支援ロボットを駆使した泌尿器手術を手がける。また男性ホルモンの低下に起因する様々な疾患の診断と治療を行う日本初の男性外来「メンズヘルス外来」を立ちあげた。男性がはつらつと元気に生きるため! とエビデンスに基づいた男性のアンチエイジングを発信している。

  • 大須賀穣さん
  • 大須賀穣さん(おおすが・ゆたか)
    東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座教授、東京大学医学部附属病院副院長、日本抗加齢医学会理事、日本産科婦人科学会常務理事、日本生殖医学会理事長

    専門は産婦人科、生殖医療、女性医療。1985年東京大学医学部卒業。医学博士。2013年より現職。「女性の一生は美しい。美しい一生をサポートする産婦人科の責務は大きい」との思いを重ね社会活動、学会活動を通して女性の健康支援、アンチエイジングの重要性を訴えている。

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