<読者ブログ>

<連載> 美術館探訪(アート部)

浮世絵・ガレ……時代や国を超え異文化融合が生み出したもの

読者会議メンバーが見た「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」

2021.04.22

 サントリー美術館のリニューアル記念展の最後を飾る第3弾として「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」(2020年12月16日~2021年2月28日)が開催されました。珠玉のコレクションを鑑賞したReライフプロジェクト読者会議メンバーの感想を紹介します。

読者会議メンバーが訪れた企画展

  • 「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」
  • 「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」
    サントリー美術館

     展覧会名になった「美を結ぶ。美をひらく。」は、同美術館の基本理念でもあります。新旧、東洋と西洋、国や民族といった境界を超えて結びつき、新しい美が生まれる……。今回は、江戸初期以来300年の日本美術を中心に、琉球・ヨーロッパなどとの交流の中で誕生した逸品が集いました。欧州も魅了された古伊万里、東アジア文化が溶け込んだ琉球の紅型、西洋への憧れが生んだ和ガラス、そして浮世絵やガレ。そうした作品の数々に魅了された皆さんの声をお届けします。

人間力の偉大さに驚きと感心と敬意

 今回は「美を結ぶ。美をひらく。美の交流が生んだ6つの物語」をテーマに、①古伊万里②鍋島③琉球紅型④和ガラス⑤浮世絵⑥エミール・ガレの収蔵品と様々なジャンルの作品が同時公開され、しかも撮影OKということで、お得感が備わった展示会でした。また、当日は天気予報で雪、ということでコロナ禍の条件も加わり、日曜日であるにもかかわらず入場者がわずかで、落ち着いてゆっくり鑑賞できました
 近年はアート作品製作においてもコンピューターやロボットなどテクノロジー技術を駆使して、面倒で細かい、ときとして危険な作業もなんなくやってのける世界に変わってきておりますが、今回中心となる作品が作られた16、17世紀ころは、あくまで職人たちが試行錯誤を繰り返しながら、色彩の美しさ、一寸の狂いもない精巧さ、時に作品の中に醸し出される異文化影響の一端など多くのことを表現し、私たち見るものにとっては改めて人間力の偉大さに驚きと感心と敬意をいだくものばかりでした。
(東京都 中島きょう子さん 60代)

鍋島焼、薩摩切子 この技術を後世に

 ガラス、版画(浮世絵)、琉球美術、陶磁器が展示されていました。展示室は天井が高く、鑑賞者もそれほど多くなかったため気持ちよく鑑賞できました。
 陶器、磁器、ガラス製品は見るのも買うのも好きなので、今回の展示はとても楽しめました。展示品の中で私が一番興味をもったものは鍋島焼の皿です。色使いがきれいなものもあれば、シンプルなものもあり、目の保養となりました。また、薩摩切子もとても素晴らしいものでした。その中でも緑色のガラスは数点しかないとのことで、とても魅了されました。日本がもつこのような技術は後世まで残してほしいものです。
(東京都 鈴木美和子さん 50代)

国貞のコオロギ、ガレの蝶

 展覧会で気になったのは虫。「Story5」の浮世絵に見つけました。歌川国貞(三代豊国)《両国夕すずみの光景》(江戸時代 文化~文政:1804~29年ごろ)、右端の女性の着物の裾には、蛛(くも)が巣を張り、コオロギやハチが描かれています。蝶(ちょう)やトンボでない虫柄に驚きました。
 また、「Story6」では、虫のモチーフをよく使うエミール・ガレのランプや家具が並び、飾棚のアーチにはトンボと蝶、ティー・テーブルにはカゲロウがいました。
 虫のモチーフは私には違和感がありますが、黒い蝶に向けて矢を放ったアモルの図に惹(ひ)かれました。ガレ《脚付杯「アモルは黒い蝶を追う」》(菊地コレクション 1889年)です。愛の神アモルと美しい娘プシュケの、試練を乗り越えて幸せになるストーリーが高さ15.6センチの小さな器にギュッと詰まっています。プシュケはギリシア語で「心、魂、蝶」などを意味し、後ろ側にも黒い蝶が数匹いました。
(神奈川県 中島典子さん 60代)

  • この連載について / 美術館探訪(アート部)

    Reライフ読者会議では、登録メンバーを展覧会に招待し、作品を鑑賞した感想を投稿してもらう企画を不定期で開催しています。作品の感じ方は十人十色。アートに正解はありません。そんなアート好きのReライフ世代の感想を集めました。

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