Reライフが地場産業を応援 「全国手つなぎアクション」
地場産業の担い手と語るオンラインイベント動画公開中

地場産業の担い手と語るオンラインイベントを実施しました
地元の生産者たちが富山の豊かな自然の賜物を生かすための工夫や、次世代につないでいくための新たな取り組みを語りました。江戸時代から続く老舗酒蔵の杜氏と漁師が、「ひみ寒ぶり」や「白えび」のおいしい味わい方についても話しました。
・オンラインイベント「手つなぎアクションin富山」 動画はこちら
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新型コロナウイルスの感染拡大により、様々な産業が痛手を被っています。とりわけ、まじめにものづくりに取り組んできた地方の生産者には、出荷量の減少や価格低迷は大きな打撃です。Reライフプロジェクトは地場産業や伝統技能を次代に残したいという思いから、地元のみなさんとタッグを組む「全国手つなぎアクション」を企画しました。生産者と消費者の手をつなぐことで地方の活力を持続可能とし、新しいものを生み出す力になってほしいと考えています。舞台は、山と海に恵まれた北陸の地・富山です。
「富山湾の宝石」と称される白えび漁の現状

一気に1千メートルの水深に達する富山湾は、魚種豊富な「天然のいけす」です。なかでも「富山湾の宝石」といわれる「白えび」は、富山湾でしかまとまった量がとれない貴重な資源で、漁期は4月から11月いっぱいです。
白えびの魅力は、ぷりっとした食感と、ねっとりとした甘みです。いたみやすいため、以前は流通される範囲が限られ、サクラエビの代用品として扱われる時代もありました。しかし、冷凍・冷蔵技術が発達したことで、全国で新鮮な状態で食べることができるようになり、評価は大きく上がりました。今では高級食材として、刺し身のほか、日本有数の昆布の消費地である富山名物の「昆布締め」などで食べられています。一時は資源の枯渇が心配されましたが、漁業者による保護が功を奏し、近年は安定した漁獲量が確保できるようになりました。
しかし、射水市の新湊漁協によると、コロナ禍による需要減により、競り値が以前と比べて2~3割も落ち込んでしまい、携わる漁師の生活を直撃しているといいます。
8年前から白えび漁の底引き網漁船に乗る滝和紀さん(35)によると、白えび漁は漁師にとって人気の職場といいます。船に乗りたくても空きがなく、ブリ漁師から転職した滝さんも4年待って船に乗れたそうです。しかし、価格低迷による収入減で、心ならず船を下りた仲間もいたといいます。
滝さんは「多くの人に白えびの魅力を知ってもらうことで、需要が増えてくれれば、価格が安定します。白えび漁が続けられるような環境に戻ってほしい」と話しています。
ブランド「ひみ寒ぶり」はこれからの巻き返しに期待

これから最盛期を迎えるのが「富山湾の王者」と称される「寒ぶり」です。回遊魚のブリは寒さとともに南下し、富山湾にやって来るころには脂がのって丸々と太ります。「寒ぶり宣言」後に氷見魚市場に水揚げされ、競られた6キロ以上のブリは「ひみ寒ぶり」と呼ばれるブランドブリです。
氷見のブリがブランドとなったのには、生産・流通を担う人たちの努力がありました。氷見のブリは魚体に傷がつきにくい定置網で捕獲されます。水揚げされると船上ですぐに氷水に入れられて気絶させられます。ブリが活動できる水温限界は8度といわれ、それより低いと気絶するといわれます。死んでしまうと死後硬直によって味が落ちてしまうので、それを防ぐ狙いがあるそうです。競りの後は、すぐに職人が血抜き処理をし、神経抜きを施して鮮度を維持します。こうした手間をかけることで、ブランドを守っています。
今年も12月1日から氷見市内で寒ぶりを出す飲食店や宿泊施設が参加する「ひみぶりフェア」が始まります。昨年はシーズン中の12月に全国で新型コロナの感染が急拡大し、GoToトラベルが急に中止され、参加店舗では予約のキャンセルが相次いだそうです。それだけに、フェア実行委員会の事務局は、今年に大きな期待を寄せています。
外食需要の落ち込みは酒蔵にも影響

酒造メーカーも外食需要の落ち込みで、定番酒や高級酒の売り上げが減っています。大都市圏の緊急事態宣言が解除された後も、外飲みは期待したほど戻らないのが実情です。富山に限らず、全国の酒造メーカーでは、売れ筋の商品に絞るため、ラインアップを見直すなどの対策に追われています。富山県西部を流れる白山水系・庄川の伏流水を使って酒造りをする砺波市の若鶴酒造も、厳しさは同じです。
幕末の1862年に創業した若鶴酒造では、かつて越後流(新潟)と、南部流(岩手)の杜氏(とうじ)がおり、それぞれ技を競い合った時期がありました。越後流は淡麗といわれるすっきりした味わいの酒をつくり、南部流はずっしりと重い酒をつくります。富山県では隣の新潟県と同じく淡麗な酒が主流といわれますが、若鶴酒造の今の杜氏・籠瀬信幸さん(49)は越後流、南部流の両方の良いところを採り入れ、自身の酒造りに生かしています。高級酒「若鶴」、定番酒「玄」、濃醇(のうじゅん)酒「苗加屋(のうかや)」など様々な酒を手がけており、県産の酒米「雄山錦」を使った酒造りにも挑戦しています。
雄山錦を使った純米大吟醸酒「瑤雫(ようのしずく)」は酸味、渋み、苦みのバランスが良いワインのような味わいで、インターナショナル・ワイン・チャレンジのSAKE部門純米大吟醸の部でゴールドメダルを受賞しています。籠瀬さんは「いま酒蔵はどこも厳しいですが、どんなときでも、あらゆる人に愛される酒をつくり続けていきたい」と話しています。
富山の伝統工芸も新商品の開発に尽力
富山県北西部にある高岡市は、加賀百万石の礎を築いた前田利家の長男・前田利長が築いた城下町でした。江戸幕府が本城以外の破却を命じた一国一城令(1615年)によって高岡城は廃城となりましたが、この地ではその後も前田家によって商工業の振興が図られ、高岡銅器、高岡漆器といった伝統工芸が育ちました。
伝統工芸品は普段使いというより、高級品としての道を歩み、贈答品としての流通が主流になっていきました。高岡銅器も高岡漆器もその道を歩みましたが、とりわけ商用での贈答文化が廃れつつある中で販路を国外に求めるとともに、テーブルウェアなど普段使いできる新商品の開発に乗り出しました。改善の兆しが見え始めた矢先、コロナ禍によって国内外での売れ行きは芳しくない状況が続いているといいます。

高岡銅器の店「四津川製作所」は、兄で社長の四津川元将さん(59)と、弟で専務の晋さん(55)が二人三脚で切り盛りする会社です。新境地を開くため、2014年に屋号の「喜泉」を使った新ブランド「KISEN」を立ち上げ、ぐい呑みやお香を立てる「香立て」などの販売をしています。ぐい呑みは、口にあたる器部分は木製ですが、木製は軽いため安定性を欠くという欠点があります。そこを高岡銅器の技術を使い、下部を真鍮(しんちゅう)製にすることで安定性を増す工夫をしました。発売後、百貨店の売り場などで徐々に注目されるようになりましたが、コロナ禍による外出自粛などの影響で、売り上げは厳しい状況が続いているといいます。元将さんは「ブランド、商品を知ってもらえる機会があれば、必ず商品のユニークさや面白さを分かってもらえると思います。そのチャンスがほしい」と願っています。

一方、高岡漆器の特徴の一つは、漆器の中にきらきら光る貝殻の層をはめ込んだ「螺鈿(らでん)細工」です。商品としては文箱やお盆などが主流でしたが、贈答用品としての需要が落ち込むなか、新商品の開発を手がける業者もいます。天野漆器は主流の商品の販路をヨーロッパなど海外に広げる一方、グラスの底に螺鈿細工を施した「螺鈿ガラス」を職人たちと作りました。グラスに日本酒を注ぐと、底の模様がグラス内に広がり、万華鏡のようです。しかし、国内だけでなく、海外の市場もコロナ禍の影響を大きく受けています。
高岡漆器の業界も高齢化や後継者不足が深刻になりつつあります。同社常務の天野真一さん(50)は「高岡漆器を後世に残すためには、若い人にとっても魅力ある業界でなければなりません。そのために、商品開発を続けています。日本酒を好きな方に、ぜひ螺鈿ガラスを知ってほしい」と話していました。
◇
今回の手つなぎアクションでは、白えび、寒ぶり、日本酒、酒器のセットを紹介します。商品を企画したのは、富山県西部で観光を中心とした地域振興に取り組んでいる一般社団法人富山県西部観光社「水と匠(たくみ)」です。地元の企業が力を合わせた組織で、今月4日には国土交通省の「登録DMO(観光地域づくり法人)」に認定されました。水と匠のプロデューサー林口砂里さん(53)は「厳しくも豊かな自然と、人がともにつくり上げてきた富山の品格を未来へと受け継いでいくためにも、ツアーや富山の物産を通してその価値を伝えていきたい」と話しています。
富山で出会った生産者たち
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滝和紀さん/富山湾しろえび倶楽部
新湊漁協では8隻の漁船を半数ずつ操業し、漁獲枠を均等に分け合う「プール制」漁法をとり入れている。漁業者同士は分かち合う仲間として、価値を広める活動にも積極的だ。若手で発足した「富山湾しろえび倶楽部」は、農林水産省「サステナアワード2020伝えたい日本の“サステナブル”」の大賞(つかう部門)を受賞。白えびレシピ提案や漁船体験など、人々に魅力を伝える企画にも取り組む。滝和紀さんは「白えびは富山湾でしかとれないからこそ、みんなで保護をしながら漁ができる。これはとても大事なこと」と語る。
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籠瀬信幸さん/若鶴酒造・杜氏
若鶴酒造杜氏の籠瀬信幸さんは、伝統継承に加えて若者の能力発揮を重視する。「酒造りは生き物。いつも同じでない。でも若い人が習得しやすいようデータ分析を導入し、新しい発想力を大切に、頒布会で若年の試作品披露も常に行っている」と語る。
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山下貴民さん/松本魚問屋
氷見の老舗松本魚問屋では、新たな食潮流に対応すべく様々なアイデアを駆使する。「毎日おさかな一口をモットーに、手をかけずに食卓に出せるものを」山下貴民さんはフレンチシェフの経験を生かし、ブリハム、ブリジャーキーなど新商品を展開する。「これからは健康の時代、また必ず魚の時代は来る」と意気込みを見せる。
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武蔵川剛嗣さん/武蔵川工房・螺鈿(らでん)師(左)
天野真一さん/天野漆器(右)武蔵川工房の4代目の螺鈿師武蔵川剛嗣さんは、高額な飾り物としての需要が低迷化するなか、もっと日常生活に溶け込む螺鈿のかたちを模索し続けてきた。そして、販売プロデュースを手掛ける天野漆器の天野真一さんとともに、新素材にチャレンジして実現したのが「螺鈿ガラス」。この杯は、お酒を注ぐと螺鈿が動き出すように立体的に模様が浮かび上がる。
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四津川元将さん/四津川製作所・喜泉(きせん)代表取締役(左)
四津川晋さん/四津川製作所・喜泉(きせん)ブランドプロデューサー(右)四津川晋さんは、兄の四津川元将さんとともに2014年に新ブランド「KISEN」を発表。代表作のひとつ「ぐい吞み」は、金属加工職人、銅着色職人、そして石川県「山中漆器」のろくろ職人と、それぞれの技能と感性が見事に融合した逸品だ。「金属はまだまだポテンシャルがある」として、これからも日本中の職人のあらゆる極みの技を取り入れ、新たなライフシーンを提供するプロダクトを数多く生み出していきたいと話す。
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- (企画・朝日新聞Reライフプロジェクト/水と匠、販売・若鶴酒造)
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ブランド魚「ひみの寒ブリ」と美酒をぜいたくに味わう
「ひみ寒ぶり」をぜいたくに厚切りしたしゃぶしゃぶ。人気の高級魚「のどぐろ」のしゃぶしゃぶを合わせ、食べ比べができるセットもご用意しました。合わせる日本酒は「若鶴 純米大吟醸 瑤雫40」。酒米に富山県産雄山(おやま)錦を使用し、うまみを残しつつも、キレのあるお酒です。(限定流通品)
ひみ寒ぶりしゃぶ&炙りのどぐろしゃぶ食べ比べセット&世界的なアワード受賞日本酒 【限定200セット】 ![]() ひみ寒ぶりと炙りのどぐろしゃぶしゃぶセット+若鶴 純米大吟醸 「瑤雫40」 【内容】 |
「ひみ寒ぶり」しゃぶ+世界的なアワード受賞日本酒のセット 【限定200セット】 ![]() 「ひみ寒ぶり」しゃぶ+若鶴 純米大吟醸 「瑤雫 40」 【内容】 |
「富山の宝石」に杜氏がすすめる日本酒を合わせて
白えびの持つ甘さと食感を味わえる一番おいしい食べ方は「お刺し身」。一匹一匹丁寧に手むきされた白えびと、「昆布締め」の2種類を味わえます。若鶴酒造の杜氏が選んだ、白えび刺し身に合うお酒は、苗加屋の純米吟醸 琳青(りんのあお)。無濾過(ろか)生原酒はフレッシュでフルーティー。WGO日本酒アワード「ワイングラスでおいしい日本酒」金賞を2年連続で受賞しています。
北陸唯一のウイスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」で造られた原酒をベースにブレンドしたスモーキーな本格クラフトハイボール。そこに合わせるのは珍しい「ぶりジャーキー」。氷見の目利き仲買・松本魚問屋が選んだ質の高い富山湾のぶりを使っています。厚切りにしたブリに燻製(くんせい)と乾燥を交互に施し、しっとりとした食感を残しつつ干し上げた本品は、スモーキーなハイボールによく合います。
富山湾の宝石「白えび」刺し身と杜氏おすすめ日本酒セット【限定100セット】![]() 白えびむき身(刺し身)と白えびむき身昆布締め+苗加屋 純米吟醸 琳青 【内容】 |
本格ハイボールとぶりジャーキーのセット![]() 三郎丸蒸留所クラフトハイボール +ぶりジャーキー 【内容】 |
ハイクラスの美酒を伝統工芸品の「ぐい吞み」で堪能
苗加屋シリーズの大吟醸「玲黒(れいのくろ)」は、軽く冷やすか常温程度でゆっくり楽しんでもらいたいお酒。「ぐい呑み」に選んだのは、ガラス素材に、高岡漆器の特徴であるアワビ貝を加工した螺鈿技法をとり入れ、漆で仕上げた天野漆器オリジナルの螺鈿グラス「金杯」。気品あふれる十二角のグラスで、日本酒を注ぐと周りのガラスに反射し、螺鈿の輝きが万華鏡のように広がります。黒、朱の2色から、お好きな色をお選びください。
高岡銅器の老舗・四津川製作所(KISEN)の木と金属を組み合わせたユニークな「ぐい呑み」もご紹介。高岡銅器と山中漆器のコラボレーションで、真鍮(しんちゅう)の重みによる安定感と木の柔らかな口当たりが、感性を刺激します。「DON Kurourushi」は、漆黒の呂色(ろいろ)仕上げ。漆とゴールドもしくはシルバーの組み合わせが、上質さを醸し出しています。
純米大吟醸+螺鈿グラスセット 【各色限定30セット】 ![]() 苗加屋 純米大吟醸 玲黒+螺鈿入り万華鏡グラス 【内容】 |
純米大吟醸+KISENぐい呑みセット 【各色限定50セット】 ![]() 苗加屋 純米大吟醸 玲黒+KISENぐい呑み 【内容】 |
Reライフ×水と匠 特別企画「手つなぎアクション」
商品の購入は若鶴酒造HP 特設ページから
商品についてのお問い合わせは下記までご連絡ください。
水と匠(平日9時~18時)
電話 0766-95-5170
メール info@mizutotakumi.jp
一般社団法人 富山県西部観光社 水と匠
富山県西部の豊かな地域資源を最大限に生かし、観光を軸とした活性化につなげるため、県西部6市行政(高岡市、氷見市 、射水市、小矢部市、砺波市、南砺市)と約80の企業・団体により2019年5月に設立された観光地域づくり法人(2021年11月 地域連携DMOに認定)。ヤフー株式会社データソリューション部との連携によるマーケティング・データ分析に基づいた旅行商品の開発から、県内産品のリブランディングや販売、空き家の利活用まで、地域内外の関係者をつなぎながら、さまざまな事業を展開しています。
https://mizutotakumi.jp/
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