<連載> ワクチン接種Q&A

ワクチン副反応、国内の状況は? 海外との違いは? 年齢で副反応に差?

疑問・質問「コロナとワクチン」(2)副反応はなぜ起きる 2回目接種後の反応が強いワケ

2021.04.23

 新型コロナウイルスのワクチン接種で気になるのが副反応です。国内での実際の副反応の起き方は、海外の事例とどんな違いがあるのでしょうか。2回目接種の後、副反応が強くでるのはなぜなのか。さらに年齢や年代で、ワクチンの副反応はどう異なっているのでしょうか。

ワクチン副反応・接種2回目が強くでる
グラフと表は、いずれも厚生労働省の検討部会の資料をもとに作成

頭痛・倦怠感など、2回目接種の翌日がピーク

Q1: 「副反応が気になります。特に2回目に出やすいと聞いています。対応の仕方を詳しく知りたいです」(60代前半女性)、「我が国の副反応の詳細を知りたい」(70代後半男性)

A1: 2月から始まった医療従事者への先行接種から、国内での副反応の実際の起き方がわかってきました。海外同様、副反応が強くでるのは2回目接種の後。とくに接種の翌日がピークとなる形になっています。また年代により、副反応の出方に差があらわれています。

 ワクチンは、新型コロナウイルスに感染した時と似た状態を人工的に作りだすことで、免疫反応を活性化させ、実際に新型コロナウイルスに遭遇した時に、免疫系が素早くウイルスを攻撃できるようにします。このため、打った部位が腫れる、痛くなる、熱が出るといった免疫反応に伴う症状が起きることがあります。

 日本国内で接種が進むファイザ―社・ビオンテック社製のワクチンの、国外で実施された臨床試験(治験)では、倦(けん)怠感や頭痛、発熱など、体全体に関係した副反応が、1回目の接種後よりも2回目の接種後のほうが多めにでることがわかっています(詳細は、連載「ワクチンを知ろう」の5回目「ワクチン副反応は2回目接種後が強め? アナフィラキシーの頻度は?」をご覧ください)。

 国内での副反応も、医療従事者への先行接種後の追跡調査をみると、同様の傾向にあることがわかります。

 たとえば頭痛は、1回目の接種時には翌日に10%余の人が感じたのがピークでしたが、2回目の接種の際は翌日に4割を超す人が感じ、その程度もざっと半数が「中程度(薬が必要、または日常生活の一部に困難を生じる)」または「高度(日常生活に支障あり)」でした(冒頭のグラフを参照ください)。からだのだるさを感じる「倦怠感」も同様で、1回目接種では3日目に2割弱の人が感じたのがピークでしたが、2回目接種では、2日目に6割を超す人が症状を感じ、うち半数以上が「中程度」または「高度」でした。

 一方、ワクチンを打った場所、接種部位に関連した副反応は、1回目と2回目でそれほど大きな差はありません。

ワクチン副反応・接種部医別

 たとえば接種部位が赤くなる「発赤」や、腫(は)れた感じになる「腫脹(しゅちょう)」、硬くなる「硬結」などは、接種1回目、2回目とも2~3日目が副反応のピークで、いずれの場合も1割前後の割合です。

 冒頭にも書いたように、副反応の症状はワクチン接種にともなう免疫反応の結果ですが、体内の免疫系がウイルス(あるいはウイルスに似せたワクチン)という「異物」を確認し、体全体が対応可能になるには、通常2~3週間かかるといわれています(詳細は、連載「ワクチンを知ろう」の1回目「そもそもワクチンとは? 新型コロナワクチンの特徴は?」で解説しています)。頭痛や倦怠感、発熱など全身症状としての副反応が、2回目接種のあとにより多く、より強めにでるのはこのためです。

 接種した翌日に痛みで腕が上がらなくなる人や、疲労感が強くて仕事のできない人もいますので、ワクチンを打つ日程は、翌日以降のスケジュールを考慮して決めた方がいいかもしれません。副反応は、ほとんどの場合、数日で改善します。米疾病対策センターは、痛みのひどい場合には、痛み止めを服用してもいいとしています。

 数日経っても改善しない場合や症状が強い場合、普段とは違う体調変化を感じた場合は、我慢せず、医療機関で相談して下さい。

副反応・国内外比較

インフルエンザワクチンより副反応が強いのはなぜ?

 新型コロナワクチンの副反応などを話し合う厚生労働省の検討会には、医療従事者への先行接種を追跡しての国内事例と海外の事例、インフルエンザワクチンでの事例の比較も報告されています(上の表を参照)。

 コロナワクチンの国内外の事例をみると、細かな違いはありますが、大枠での傾向は似ています。一方、インフルエンザワクチンとの比較では、とくに2回目接種後に倦怠感や頭痛が起こる割合は、インフルエンザワクチンよりとても大きくなっています。

 現在、日本で接種されているファイザー社製のワクチンは、新型コロナの発症予防効果が9割以上とされており、インフルエンザワクチンより発症予防の効果が大きいのが特徴です(詳細は、連載「ワクチンを知ろう」の4回目「ワクチンの効果どう測る? 新型コロナの発症予防「95%」とは?」をご覧ください)。発症予防には体内の免疫系がしっかり働くことが必要ですから、新型コロナワクチンで倦怠感や頭痛、発熱など全身系の副反応がより多め、強めにでるのは、こうした発症予防効果の高さの裏返しといえるでしょう。

副反応・発熱の場合

発熱などの副反応、若いほど多いのは免疫の強さゆえ?

Q2: 「年代別の副反応の状況を知りたいです」(70代後半男性)。

A2: 先行接種した医療従事者の追跡調査によると、60代以上の世代はそれより若い世代に比べて、発熱や疲労感、頭痛といった副反応の起こる頻度が低いことがわかりました。その一因としては、若いほど免疫反応が強いために、免疫反応に伴う副反応も強くでると考えらえます。

副反応・倦怠感

 たとえば37.5度以上の発熱という副反応は、20~30代の2回目接種後では40~50%の人で起きています。一方、今回の優先接種の対象となっている65歳以上の高齢者で、2回目接種後の発熱をした人は10%ほどにとどまっています。体がだるい倦怠感も、追跡調査をした医療従事者全体で7割近くにのぼっていますが、65歳以上では4割程度です。加齢に伴い、免疫力が低下していることが、副反応の少なさに結びついている形です。その分、高齢者の場合、ワクチン接種で新型コロナに対する免疫ができるまでの期間も長くなることも予想されます。

 ここまで解説した副反応とは別に、まれにワクチンに含まれている成分に対して強いアレルギー反応の出る人もいます。新型コロナウイルスのワクチンは、アレルギーを含めたさまざまな反応が他のワクチンよりも少し多く出る傾向があるかもしれないとされています。アレルギーに関連した反応については、連載「ワクチンを知ろう」の5回目「ワクチン副反応は2回目接種後が強め? アナフィラキシーの頻度は?」でも取り上げましたが、この連載でも、今後、詳しく取り上げる予定です。

 新型コロナウイルスやコロナワクチンに関するReライフ読者会議メンバーの疑問や質問に、新型コロナ関連の著書がある科学ジャーナリストの大岩ゆりさんが、専門家・研究者らに取材・解説します。次回は「ワクチンとアレルギーの関係」についてです。

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  • 大岩 ゆり
  • 大岩 ゆり(おおいわ・ゆり)

    科学医療ジャーナリスト・翻訳家

    朝日新聞社科学医療部専門記者(医療担当)などとして医療と生命科学を中心に取材・執筆し、2020年4月からフリーランスに。同社在籍中には英オックスフォード大学客員研究員や京都大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師を兼任。主な著書に『最後の砦となれ~新型コロナから災害医療へ』、主な訳書にエリック・カンデル著『芸術・無意識・脳』(共訳)がある。

  • この連載について / ワクチン接種Q&A

    高齢者を対象にした新型コロナワクチンの4回目接種が本格化しています。感染・重症化予防の有効性は? 副反応への対処の仕方は? 今後のスケジュールは? 読者の疑問・質問に答えます。

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