朝日新聞Reライフプロジェクトは「老後の備え」に関するアンケートを実施し、認知症などにより判断能力が低下した場合に備え、財産管理や必要な契約締結などを引き受けてくれる人を選んでおく「任意後見制度」について聞きました。読者会議メンバー365人の半数が「知っている」または「すでに使っている」と回答、理解が進んできているようです。一方で、将来、制度を使いたいかを聞いたところ、「使いたい」は16%にとどまり、制度を使う上での懸念を訴える人もいました。

「認知症を発症すると思う」7割
厚生労働省は、2025年に認知症患者が約700万人に増加し、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計しています。
認知症になる可能性はあるかをたずねたところ、「5人に1人の確率で自分も発症すると思う」167人(46%)が最も多く、「発症する可能性は高いと思う」87人(24%)と合わせて7割の人が発症する可能性があると回答しました。「可能性は否定しないが、自分は大丈夫だと思う」は101人(27%)、その他10人(3%)でした。
仮に認知症を発症した際、困ることを複数回答で聞いたところ、「これまで通りの家庭生活が送れなくなる」283人(78%)、「自分でお金の管理ができなくなる」226人(62%)、「医療費や介護費がかさみ金銭的に困る」135人(37%)が上位にあがりました。
東京の55-59歳女性は「実母が認知症(レビー小体型認知症)になったので、自分もなるのかな…漠然とした不安があります」といいます。
「家族に迷惑かけずにすむ」と期待
任意後見制度については、「すでに使ってる」27人(7%)、「知っている」154人(42%)。「名前は知ってるが、内容までは知らない」152人(42%)、「知らない」32人(9%)。理解している人と理解していない人がほぼ半数ずつでした。

すでに制度を使っている人を除く338人に、将来、使いたいかを聞いたところ、「わからない」196人(58%)が最も多く、「使いたいとは思わない」87人(26%)が続きました。「使いたい」は55人(16%)と少数でした。

「使いたい」55人に複数回答で理由を聞いたところ、「家族に迷惑をかけずにすむから」30人(55%)、「自分で任意後見受任者を指定できるから」26人(47%)、「認知症が進行してもあらかじめ契約内容に従って、自分が希望する生活を送ることができるから」25人(45%)の順でした。
広島の55-59歳女性は「子どもも頼れる兄弟もいないため、認知症になったり、身体が不自由になったりしたらどうしようかと不安です。任意後見受任者の選定基準や契約していないことが起こった場合どうなるのかなど詳しく知りたい」といいます。

一方、「使いたいとは思わない」「わからない」と答えた計283人に理由は、「制度の内容がよくわからないから」103人(36%)が最も多く、「子どもや親族に頼れば十分だと考えているから」95人(34%)、「任意後見受任者に誰を選べばよいかわからないから」74人(26%)が上位にあがりました。
「使い込み心配」「費用がかかる」不安も
任意後見制度を「使いたいとは思わない」と答えた人には、「後見人になった人の使い込みが心配」(新潟、70-74歳女性)、「制度を悪用する人のニュースを耳にする」(北海道、60-64歳女性)といった不正への懸念を訴える人もいました。このほか、「民間サービスは金がかかるし、親族に頼めば頼まれた側が大変」(東京、70-74歳男性)、「ものすごく面倒くさい」(愛知、60-64歳女性)、「信用できる人が見いだせそうにない」(愛知、65-69歳男性)などの理由も寄せられました。
また、任意後見制度ではなく、保有する資産を信頼できる家族に託し、管理や処分を任せる「家族信託」の手続きをするという人もいました。
兵庫の55-59歳女性は「母の金銭管理が難しくなったときに、新聞で家族信託の制度を知った。司法書士に頼んで手続きを完了。母の介護施設の入所やその後の入院費用に不安がなくなった」と、自身も80歳になったら娘に金銭管理を任せるそうです。
◇
調査は読者会議メンバーを対象にReライフプロジェクトのwebサイトで2021年4月21日~5月6日に実施。有効回答は365人(男性50%、女性50%)。年代別では、49歳以下9%、50代25%、60代40%、70代21%、80代以上5%。
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