朝日新聞Reライフプロジェクトが実施した「老後の備え」に関するアンケートでは、読者会議メンバーから様々な意見や悩みが寄せられました。家族形態が多様化する中、「モデルケースが当てはまらない」と戸惑う人や、備えはしていても「自分の備えで大丈夫なのか」と不安に思う人も。老後に備える情報を求めている人が多くいました。

子どもには迷惑をかけたくない
自由記述では、「老後、子どもには迷惑をかけたくない」と、その方法を探る人が目立ちました。
東京の50-54歳女性は、「今現在、親の介護や生活のケアが必要でかなり大変な思いをしている。自分の子どもには私が親からさせられているような苦労はさせたくない」。
北海道の65-69歳女性も「夫が先に亡くなった場合は、自分が認知症になる前に自宅など処分して、施設に入る方向。認知症を発症した場合も子どもには頼らず、入居できる施設を探す」といいます。
兵庫の65-69歳男性は「一番心配なのは夫婦2人とも認知症になってしまったときのこと。子どもはつい最近嫁いだばかりで自分たちの生活とこれから子どもができてきたときの準備と養育で手いっぱいだと思う。それに遠方に嫁いでいるので親が病気や入院など緊急事態発生時すぐ駆けつけてこられないという不安がある。子供の世話にならずともきちんとした施設が近辺にあって入居待ちせずとも入れるなら問題ないが、そうはいかない懸念がある」と悩んでいました。
「親族に頼れない」シングルの備えは
家族形態が多様化する中、漫画「サザエさん」のような3世代同居は減少し、未婚や離婚、死別などにより「おひとりさま」の生活を送る人も増えています。
千葉の40-44歳女性は「収入の不安定なフリーランスで家族もない。たいていのモデルケースは勤め人や家族持ちを想定しているので全く参考にならない」と憤っていました。
「親族に頼れないシングルの備え方について知りたい」(東京、55-59歳男性)、「卒婚した際、女性が暮らせるだけの蓄えはいくらくらいか?」(兵庫、50-54歳女性)、「子供のいない夫婦です。甥(おい)や姪(めい)もいないので財産は使い切りたいですが、どの段階でどういう判断をしたらいいのか」(東京、60-64歳女性)といった声も寄せられました。
また、大阪の75-79歳女性は「高齢になっても自分らしく生きていけるように、適切なアドバイスを提供してもらえるような機関がほしい。一口で高齢者といっても様々。それを一律に遇するようなやり方は好ましくないと思う」と訴えました。
老後に使える制度や施設を選ぶ基準は
老後の備えをしている人からは、自分の備えが十分か知りたいという声があがりました。
東京の80歳以上男性は「自分なりの準備をしているつもりだが、その程度が一般的なレベルと比べてどうなのか」と不安があるといいます。
情報が多すぎて選べないという人もいました。
大阪の50-54歳女性は「老後に備えた必要最低限の保険の選択方法を知りたい。不安が高まる反面、情報が多すぎて選べない」といいます。
老後に使える制度や施設を選ぶ基準を知りたいという人もいました。
島根の60-64歳女性は、「退職したあとでも、国や自治体の制度を維持するために、誰もが支払わなければならない金額とか、逆に老後を支援する国のこういう制度が使えるとか、知らないことがたくさんある。制度が実際にどのように使えるのか知りたい」。
福岡の60-64歳女性は「認知症になったり、身体が不自由になったりしたときのために、施設を探しておきたいが、選ぶ基準がわかりません。どんな制度があるのか、どのくらいの身体の状態なら入れるのかなど基本的なことから知りたい」といいます。
危機感を持つために背中を押してほしいという声も。
大阪の75-79歳男性は「老後の備えはほとんどしていません。何とかなるだろうとの甘い考えからです。うまくいった事例ではなく、備えを前もってしなかったために、地獄に見舞われた例を特集してください」と訴えました。
◇
調査は読者会議メンバーを対象にReライフプロジェクトのwebサイトで2021年4月21日~5月6日に実施。有効回答は365人(男性50%、女性50%)。年代別では、49歳以下9%、50代25%、60代40%、70代21%、80代以上5%。
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