<連載> ワクチン接種Q&A

モデルナ社ワクチンを接種 1回目に赤い腫れ、2回目は発熱の副反応

疑問・質問「コロナとワクチン」番外編(上) モデルナ社製コロナワクチン体験記@シンガポール

2021.05.21

 新たに特例承認された米モデルナ社製の新型コロナウイルスワクチンは、ファイザー社製ワクチンと同じ「m(メッセンジャー)RNAワクチン」です。実際に、どんな副反応が起きるのでしょうか。滞在先のシンガポールで計2回の接種を終えた科学医療ジャーナリスト、大岩ゆりさんの体験記です。

ワクチン接種完了マスク
2回目接種後にもらった「#iGotMyShot(ワクチン打ったよ!)」のロゴ付きマスク

滞在先シンガポール、最寄り会場はモデルナ社製

 米モデルナ社製新型コロナウイルスワクチンが日本でも特例承認されました。筆者は50代で幸い健康ですが、夫の仕事の関係で3月中旬に渡航したシンガポールで、思いがけず米モデルナ社製ワクチンの接種を受けることができました。

 5月21日現在、シンガポールではファイザー社製とモデルナ社製の2種類が緊急承認されています。どちらもmRNAワクチンで、効果や副反応に大きな差はないとされています(mRNAワクチンの詳細は、連載「ワクチンを知ろう」の1回目「新型コロナワクチンの特徴は」と3回目「コロナワクチンはなぜ筋肉注射?」をご覧ください)。 保健省のホームページにはどの会場でどのワクチンを接種しているかが載っているため、予約の際に接種会場を選ぶことで、ワクチンの種類を選ぶことができます。

 筆者が予約した時には、日時と会場の異なる数種類の選択肢が提示されました。偶然、一番早く打てるのが最寄りの会場だったため、そこを選んだ結果、モデルナ社製のワクチンを打つことになりました。

接種会場への案内版
接種会場への案内版

8日目に赤い腫れ「COVIDアーム」の副反応が

 注射器と注射針は、日本でインフルエンザワクチンに使われているものよりも細く、打たれた瞬間に軽くチクッとしただけで痛みはありませんでした。

 1回目接種の後に筆者が経験した副反応は、痛みと腫れでした。接種の翌日、接種した部分が少し硬くなり、痛みを感じました。ただ、腕が上がらないほどではなく、日常生活に支障はありませんでした。痛みは、3日目にはほぼ消えました。

 ところが、接種8日目になって、接種した部位が腫れ始め、時間とともに腫れは広がり、赤くなっていきました。腫れた部分は少し熱を帯びていましたが痛みは一切なく、たまにかゆみを感じただけです。接種18日目になってもまだ赤みが消えないのには少し不安を覚えました。結局、20日目にようやく消えました。赤い腫れが続いている間もジムで腕の筋トレをしていましたが支障ないなど、日常生活には一切、影響がありませんでした。

COVIDアーム
接種した腕が赤くなる「COVIDアーム」(1回目接種から11日目)。時折、かゆみを感じたが、痛みはなかった。

 米疾病対策センター(CDC)によると、接種後、数日以上経ってから生じる接種部位の腫れを「COVIDアーム」と言うそうです。モデルナ社製ワクチンの臨床試験(治験)では、1回目接種後に0.8%、2回目接種後に0.2%の人で起きたそうです。ファイザー社製ワクチンでも起こることがあるそうです。

 米医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に掲載された論文には、「COVIDアーム」の起きた12人について紹介されています。筆者同様、かゆみや腫れた部分が熱を帯びた人が多い一方、痛みを感じた人もいました。論文によると、腫れた部位の皮膚を採って分析した結果、免疫細胞による炎症が起きていたそうです。(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2102131)。

 米CDCは、COVIDアームが起きても2回目の接種も受けるように勧めているので、筆者は5月14日、2回目の接種を受けました。看護師さんにCOVIDアームが起きたことを伝え、反対側の腕に接種したいと申し出たところ、「同じ側の腕に打たないとワクチンの効果が十分に出ません。同じ側に打っても大丈夫です」と言われ、1回目と同じ側に接種を受けました。接種後、看護師さんから「(2回の接種が無事終わって)Congratulations(おめでとう)!」と祝福されました。

2回目、翌日夜の発熱は39度 悪寒・関節痛も

 2回目接種の副反応は腫れと発熱でした。まず接種した日の夜に、打った部分が赤く腫れ始めました。触ると痛く、打った側を下にして寝るのはつらかったですが、触ったり圧迫したりしない限りは痛みは感じませんでした。腕も上がります。腕の腫れと痛みは5日で無くなりました。

 接種の翌朝、起きると熱っぽさを感じました。38.7度の発熱でした。悪寒がしたため、解熱剤を飲んで寝ました。薬をのむといったん熱は下がるのですが、すぐにまたぶり返し、悪寒や関節の痛みが再開し、ものを食べようとして口を開けるとあごの関節が痛いというような状態でした。夜には熱は39度まで上がり、解熱剤を飲んでも下がりませんでした。

 ところが、一夜明けて接種2日後の朝になると、まるで潮が引いていったかのように熱は下がり、平熱に戻りました。節々の痛みといった症状も消えました。インフルエンザで高熱が出た後は、熱が下がっても体のだるさや咳(せき)、鼻水といった症状が残りますが、筆者のワクチン接種後の発熱の場合、何も症状は残りませんでした。

 筆者は平熱が37度近くあるので、発熱した際の体温も高くなった可能性があります。同じ日に2回目の接種を受けた夫は、平熱が36度、接種翌日の発熱は37.5度まででした。

待合室
2回目接種会場の待合室

(大岩ゆり)

 新型コロナウイルスやコロナワクチンに関するReライフ読者会議メンバーの疑問や質問に、新型コロナ関連の著書がある科学医療ジャーナリストの大岩ゆりさんが、専門家・研究者らに取材・解説します。

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  • 大岩 ゆり
  • 大岩 ゆり(おおいわ・ゆり)

    科学医療ジャーナリスト・翻訳家

    朝日新聞社科学医療部専門記者(医療担当)などとして医療と生命科学を中心に取材・執筆し、2020年4月からフリーランスに。同社在籍中には英オックスフォード大学客員研究員や京都大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師を兼任。主な著書に『新型コロナ制圧への道』、主な訳書にエリック・カンデル著『芸術・無意識・脳』(共訳)がある。

  • この連載について / ワクチン接種Q&A

    高齢者を対象にした新型コロナワクチンの優先接種が始まりました。感染・重症化予防の有効性は? 副反応・アナフィラキシーへの対処の仕方は? 今後のスケジュールは? 読者の疑問・質問に答えます。

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