<連載> ワクチン接種Q&A

コロナワクチン、持病があっても打てる? 優先接種の基礎疾患は?

疑問・質問「コロナとワクチン」(6)接種時に注意が必要な病気・薬と接種優先度が高い基礎疾患

2021.06.14

 新型コロナウイルスのワクチンは、持病がある人が打っても心配はないのでしょうか。呼吸器の病気や心臓病、糖尿病・肥満などの基礎疾患のある人は、高齢者に次ぐ接種の優先対象となる一方で、事前にかかりつけ医に相談した方がいい持病や症状もあります。血をサラサラにする抗凝固薬をのんでいる人は、接種後の出血に注意が必要です。

ワクチン注射イメージ

別ワクチンでアレルギー疑いの人は事前相談を

Q:  「高血圧や狭心症などの持病があっても、ワクチンを打てますか?」(50代後半男性)、「どんな持病がある場合に、ワクチン接種に気をつける必要があるのでしょうか?」(60代前半女性、80代前半女性)

A:  厚生労働省によると、接種を受けられないのは、ワクチンの成分に対して激しいアレルギー反応を起こしたことのある人や、接種当日に発熱している人などです。それ以外の持病(基礎疾患)の場合、接種できることが多いのですが、中には接種を慎重に検討した方がいい種類の持病もあります。薬などで病状がコントロールされていれば接種しても問題ない種類の持病でも、症状が悪化しているなど接種を控えた方がいい人もいます。心配な方は接種の前にかかりつけ医に相談して下さい。

 厚労省は、接種を受けられない人以外に、次のような体験などがある人は、ワクチン接種に注意が必要なので、事前にかかりつけの医師に相談した方がいいと呼びかけています。

▽過去に、ワクチン接種後2日以内に全身に蕁麻疹(じんましん)が出たり発熱したりといったアレルギーの疑いがある症状の出たことがある人
▽何らかの理由で、新型コロナウイルスワクチンに対してアレルギーが起こる恐れのある人
▽過去にけいれんを起こしたことがある人
▽免疫不全の診断を受けたことがある人や、近親者が先天性免疫不全症と診断されている人

 激しいアレルギー反応、アナフィラキシーは、接種後30分以内に起こることが多いので、過去にアレルギーを経験したことがあるなど心配な人は、接種会場で行われる接種前の問診でもその旨を伝え、接種後30分間、会場で体調変化がないか観察して下さい。

 上述の免疫不全症だけでなく、抗がん剤などでがん治療を受けている最中だったり、骨髄移植や臓器移植の後で免疫抑制剤をのんでいたり、エイズ(後天性免疫不全症候群)だったりして免疫力が低下している人も、かかりつけ医に接種について事前に相談した方がいいと厚労省はしています。

高血圧、糖尿病、肥満など、高齢者に次ぐ優先対象

 一方で厚労省は、高血圧や糖尿病、喘息(ぜんそく)、肥満、心筋梗塞(こうそく)、心不全、腎臓の病気といった持病があっても、ワクチン接種ができるとしています。下の表のような持病のある人は、感染すると重症化するリスクが高いため、65歳以上の高齢者に次いで優先的に接種を受けられることになっています。

優先接種の対象となる基礎疾患

 ただし、症状が悪化していて体調が悪い時などはワクチン接種を控えた方がいいこともあります。迷う場合にはかかりつけ医に相談して下さい。ワクチンの供給量不足が解消されてきたため、接種を実施する各自治体や大規模接種会場では、接種対象者を拡大する方向にあります。接種順位の基本的な考え方やどのような持病のある人が優先的に接種を受けられるのかは、厚労省のサイトにある資料(接種順位の考え方:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000756894.pdf)に記載されています。詳細を知りたい方は、参考にして下さい。

免疫力が低下している人が、接種後に気をつけたいこと

 優先接種の対象となる基礎疾患のある人は、推計で約1030万人います。このなかには、免疫力が低下している人も含まれています。新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいので、やはり65歳以上の高齢者に次ぐ優先接種の対象になっています。

 その一方で、免疫力が低下していると、ワクチンの効果が低くなり、十分に免疫がつかない可能性があります。このため厚労省は、ワクチンを打った後も、流行が続いている間は、マスクの着用や、他の人との距離を十分に取る、手洗いをしっかりするといった予防的な対策を継続する必要があると注意喚起しています。

 自分の免疫力とワクチンの効果については、連載「ワクチンを知ろう」の1回目「そもそもワクチンとは? コロナワクチンの特徴」や7回目「感染予防の基本動作と免疫力を高める工夫」でも詳しく説明しています。ぜひ参考にしてみて下さい。

接種後の出血に注意が必要な抗凝固薬
表はいずれも厚生労働省の資料をもとに作成

 新型コロナワクチンは筋肉内に注射するため、いわゆる「血液をサラサラにする薬」と呼ばれる薬をのむなど抗凝固療法を受けている人や、血小板減少症の人、血友病など血液が固まりにくい凝固障害のある人は、接種後に止血を十分にするなど出血に注意する必要があります。

 血液をサラサラにする薬には上の表のようなものがあります。接種にあたり薬を中断(休薬)する必要はないものの、接種後は、2分間以上、しっかり押さえることが必要とされています。接種後、腕が腫れたり、しびれたりする症状がでたら、医師に相談してほしいといいます。詳しくは厚労省のサイトにあるパンフレット(血をサラサラにする薬を飲まれている方へ:https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/pdf/priority_5_1.pdf)を参考にしてください。

 新型コロナウイルスやコロナワクチンに関するReライフ読者会議メンバーの疑問や質問に、新型コロナ関連の著書がある科学医療ジャーナリストの大岩ゆりさんが、専門家・研究者らに取材・解説します。次回は「接種後の腫れや発熱に、どう対処すればいい?」です。

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  • 大岩 ゆり
  • 大岩 ゆり(おおいわ・ゆり)

    科学医療ジャーナリスト・翻訳家

    朝日新聞社科学医療部専門記者(医療担当)などとして医療と生命科学を中心に取材・執筆し、2020年4月からフリーランスに。同社在籍中には英オックスフォード大学客員研究員や京都大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師を兼任。主な著書に『新型コロナ制圧への道』、主な訳書にエリック・カンデル著『芸術・無意識・脳』(共訳)がある。

  • この連載について / ワクチン接種Q&A

    高齢者を対象にした新型コロナワクチンの優先接種が始まりました。感染・重症化予防の有効性は? 副反応・アナフィラキシーへの対処の仕方は? 今後のスケジュールは? 読者の疑問・質問に答えます。

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