ワクチンの接種意向 年齢でなぜ・どう違う? 65歳以上の男女差とは?

新型コロナワクチンのアンケート 副反応の世代差・性差と接種意欲との関係

2021.06.23

 職域接種や年齢枠の引き下げで、新型コロナワクチンの接種対象が急速に広がりはじめています。では、実際の接種の意向は、年齢や性別でどの程度なのか。Reライフプロジェクトが実施したアンケートを世代別・男女別で分類すると、違いが色濃くあらわれました。なにが背景にあるのでしょうか。

年代別ワクチン接種意向

「なるべく早く」65歳以上5割超、50歳未満は2割

 高齢者への優先接種が始まる直前から約1カ月実施したアンケートを、優先接種対象の65歳以上と、50~64歳、49歳以下の3グループにわけ、接種意向をグループごとに調べてみました。

 まず「なるべく早く接種したい」と、接種に積極的な人の割合は、65歳以上の54.9%に対し、50~64歳は38.2%、49歳以下は20.9%。世代が下になるほど、接種への強い意向をもつ人が減少する傾向となっていました。その分「様子をみながら接種したい」という「様子見」の回答が65歳以上の25.7%から、50~64歳で32.7%、49歳以下で39.5%と、年齢が下がるにつれて増えていきます。

 新型コロナへの感染者数は、20代、30代など若い世代が最も多い一方で、重症化するリスクは年齢があがるほど大きくなり、死亡者の大半は高齢者です。65歳以上の高齢者をワクチン接種の優先対象としたのもこのためで、65歳以上の高齢者の接種への強い意向は、こうしたウイルスの特徴が広く共有されている証しといえます。

 一方、若年層はもともと重症化のリスクが低いうえ、接種開始の時期もこれまで不明確でした。若い人ほど「様子見」の回答となったのは、こうした点が背景にあるといえそうです。

 さらに「あまり接種したくない」「絶対、接種したくない」という、接種に否定的な回答をみると、65歳以上では合わせても8.9%と1割足らずにとどまっているのに対し、49歳以下のグループは、回答者の4分の1以上、25.6%に達していました。年齢が下になるほどワクチン接種へのメリットを感じる度合いが小さくなり、副反応などへの不安感から、ワクチン接種に慎重になっていることが透けてみえます。

65歳以上の男女別ワクチン接種意向

65歳以上の男性と女性、接種への意向に温度差

 男女による違いが強くあらわれたのは、優先接種対象だった65歳以上のグループです。「すでに接種した(1回目のみを含む)」「なるべく早く接種したい」という回答割合が、男性は68.4%と7割近くに達したのに対し、女性は35.3%と4割足らず。その分、「様子をみながら接種したい」という「様子見」の回答が女性は41.2%を占め、男性(19.0%)の倍以上となりました。

 臨床試験(治験)や実際の接種開始後の追跡調査などから、新型コロナのワクチンは女性に副反応がでやすいこと、まれに起こる激しいアレルギー反応、アナフィラキシーを起こす人の大半が女性であることがわかっています。ワクチン接種に女性が男性より慎重な回答が多いのは、こうした要素が影響しているとみられます。

知りたいワクチン情報

最大関心は、国内での副作用・アナフィラキシー

 ワクチンの副反応やアナフィラキシーへの関心の高さは、「今後、どのような情報について、より詳しく知りたいか」への回答からもうかがえます。選択肢から複数回答で選んでもらったところ、「コロナワクチンの具体的な副反応」「国内での接種で確認ができた効果や副反応など」を選んだ人の割合はそれぞれ6割前後に。回答の1、2位を占め、アナフィラキシーに関する情報も4位に入りました。

 アンケートのなかでコロナワクチンへの具体的な質問・疑問を募ったところ、副作用やアナフィラキシーの起き方やその原因、年齢や性別での違い、対処の仕方などについて、多くの質問が寄せられました。

 こうした質問をひもといた連載「ワクチンQ&A」では、副作用やアナフィラキシーの男女差やその理由を解説した「副反応、なぜ女性に多い? 男女の違いはどこから?」や、副反応の年齢差や発生頻度などをまとめた「国内の状況は? 年齢で副反応に差? 2回目接種後の反応が強いワケ」、アナフィラキシーと他のアレルギーとの関連を説明した「アレルギーあっても打てる? 花粉症や鼻炎は? アナフィラキシー頻度と原因」などがよく読まれ、関心の高さがうかがえます。

 ワクチン接種を「なるべく早くしたい」と考えるか、「様子をみてからしたい」「あまり接種したくない」と思うか。どちらに気持ちが傾くかは、ワクチンの実際の効果(メリット)と、ワクチン接種に伴う副反応(デメリット)をどう比べるかと関係します(「ワクチンQ&A」では、「メリットとデメリット 年代や性別、感染状況でどう違う?」で解説しています)。

 今後、接種対象が本格的に広がり、より多くの人が接種可能になるにつれ、こうした情報を求める人はさらに増えていくと予想されます。接種に前向きなひとたちへの接種が進むにつれ、ワクチン接種に不安を抱くひとたちの割合が高まっていくことになります。こうした変化にあわせて、政府や地方自治体、医療機関、研究者グループには、様々なケースにそくした、よりきめ細かく、かみ砕いた情報の発信などが必要になってきます。

全体でのワクチン接種意向

 今回、年代別、男女別に分析したアンケートの全体での回答は、上図の通り。「すでに接種」と「なるべく早く接種」「様子を見ながら接種」の合計は約75%で、全体の4人に3人は、接種に前向きな姿勢を示していました。

 2021年4月7日~5月6日までにReライフプロジェクトのwebサイトに寄せられた回答を集計。有効回答は321人(男性53%、女性47%)。年齢別では49歳以下13.4%、50~64歳51.4%、65歳以上35.2%。

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