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<連載> 腸戦者に訊く

ビフィズス菌が赤ちゃんをおなかから守る

森永乳業の阿部文明さん・堀米綾子さん ビフィズス菌と赤ちゃん 負けないカラダの秘密編  

2021.08.27

 ビフィズス菌はおなかの中から赤ちゃんの健康を守っていることを知っていましたか? 子育て中のお父さんお母さんでも知らない人が多いのではないでしょうか。初回は、50年以上にわたってヒト由来のビフィズス菌の研究を続ける森永乳業研究本部長の阿部文明さんと基礎研究所研究員の堀米綾子さんに、ビフィズス菌と赤ちゃんのフレンドリーな関係を伺いました。(全3回)

森永・阿部さん堀米さん①

赤ちゃんの成長に寄り添う

――ビフィズス菌は、赤ちゃんにとって重要な菌だといわれるのはなぜですか?

阿部 わたしたちのおなかでは数百種類の腸内細菌がせめぎ合い、バランスを保っています。年齢を重ねるにつれて、そのバランスは変わりますが、赤ちゃんのときは特にビフィズス菌の割合が高く、多い子では90%を占めるということもあります。そういう赤ちゃんのおなかには有害な菌がほとんどいませんので、ビフィズス菌が赤ちゃんの健康を守っていると考えています。

 また、ビフィズス菌を早い段階で与えることが、赤ちゃんが大きくなってからの健康にも寄与すると考えられています。赤ちゃんのおなかから見つかった「ブレーベ」という菌種の「ビフィズス菌M-16V」(M-16V)があります。M-16Vを乳幼児に与えると、ミルクアレルギーが比較的早く治ったり、アレルギーになりにくくなったりするという報告もあります。

堀米 どういう相互作用かは分からないのですが、赤ちゃんにM-16Vを与えることで、「ブレーベ」だけでなく、「ロンガム」という他のビフィズス菌種も増えるという結果も出ています。ビフィズス菌がたくさんおなかにいることが、赤ちゃんが大きくなってからの健康にも寄与すると考えられています。

オリゴ糖がビフィズス菌増やす

――ビフィズス菌を増やすために効果的な方法はありますか?

阿部 赤ちゃんのビフィズス菌は、主に母乳の中のオリゴ糖をエサにして増えます。一般的にヒトはオリゴ糖を消化・吸収できません。そのため、オリゴ糖は大腸まで届いてビフィズス菌などの腸内細菌のエサになるんです。しかし、有害な細菌の多くはオリゴ糖をエサにできません。ヒトの体はうまくできていて、母乳でオリゴ糖を与えることで選択的にビフィズス菌を増やす仕組みになっています。

堀米 一口にオリゴ糖といっても、いくつも種類があります。ヒトのおなかの中のビフィズス菌の種類も個人で大きく異なり、その種類によって、好きなオリゴ糖の種類が違うんですよ。

阿部 このような知見から、他社にない特徴として、森永乳業では育児用ミルクに「ラクチュロース」を含め3種類のオリゴ糖を入れています。3種類のオリゴ糖を与えることで、様々なビフィズス菌を増やすのが狙いです。

森永・阿部さん①

――おなかの中のビフィズス菌は成長するにつれて減るのですか?

堀米 授乳期は比較的ビフィズス菌の割合が高いのですが、離乳食をはじめると様々な腸内細菌が増えてくることで、ビフィズス菌の割合が低くなります。産まれてから2歳くらいまでの子どもの腸内細菌と子どものその後の健康に関連があると言われますので、早期のケアが大切です。

ビフィズス菌減少グラフ

阿部 腸内細菌の種類やバランスには個人差があるので一概には言えませんが、ビフィズス菌入りのフォローアップミルクや、エサになるオリゴ糖、食物繊維を含んだ離乳食を与えたりすることで、栄養面だけでなく、腸内環境のサポートもできます。腸内環境は将来の健康にも大きく関わるので、意識して選んでみてはいかがでしょうか。

堀米 わたしにも子どもがいますが、離乳してからは、ビフィズス菌が入っているヨーグルトなどを食べさせています。

森永・堀米さん①

ビフィズス菌で腸内フローラ改善

――体重が少ない状態で産まれた赤ちゃんのため、森永乳業は医療機関にビフィズス菌を提供していると聞きました。

阿部 以前から、1500グラム未満で生まれた極低出生体重児は消化管が未発達のためビフィズス菌がなかなか増えないことがわかっていました。90年代初頭、新生児集中治療室(NICU)で働く医師が、そうした赤ちゃんに「ビフィズス菌を与えたら良いのではないか」と考え、長年ビフィズス菌の研究をしてきた当社に声がかかったのがきっかけです。早い段階からビフィズス菌M-16Vを食べさせると、自然分娩(ぶんべん)の赤ちゃんに近い腸内フローラになることが分かっています。また、帝王切開で生まれた赤ちゃんは腸内のビフィズス菌の定着が遅れますが、最近では、そのような赤ちゃんにM-16Vを食べさせると、早くからビフィズス菌が増えるということがわかってきています。

堀米 低出生体重児の赤ちゃんに生まれた直後から退院までM-16Vを与えたところ、NICU退院後1、2カ月経ってもおなかに定着していたという結果があります。腸内フローラも改善されていました。

阿部 いまは国内外あわせて150カ所以上にM-16Vを提供しています。NICUにいた赤ちゃんが退院するとき、お母さんや看護師さんから「おかげさまでこんなに大きくなって退院できました」とお礼を言われることがあります。そんなとき、本当に研究をしてきて良かったと思います。

次回は、ビフィズス菌がお母さんから赤ちゃんに受け継がれていくお話です。

■腸戦者に訊く
第1回 「ビフィズス菌トレ」 長友佑都選手と森永乳業の挑戦
第2回 「ビフィズス菌トレ」で長友佑都選手のコンディションが劇的に変化
第3回 「ビフィズス菌トレ」は長友佑都選手の未来を拓く

  • 阿部文明
  • 阿部 文明(あべ・ふみあき)

    森永乳業常務執行役員研究本部長

    1987年に森永乳業株式会社に入社。主にビフィズス菌、乳酸菌の研究に従事し、ビフィズス菌末の利用技術に関する研究により農学博士号を取得し、国内外で数多くの研究報告を行う。同社機能素材事業部長、食品基盤研究所長、素材応用研究所長を経て 現職。特定非営利活動法人・国際生命科学研究機構(ILSI Japan)副理事長、公益財団法人腸内細菌学会理事、一般社団法人・健康食品産業協議会理事、業界団体「健康と食品懇話会」会長。

  • 堀米綾子
  • 堀米 綾子(ほりごめ・あやこ)

    森永乳業研究本部基礎研究所腸内フローラ研究室研究員

    2004年北海道大学農学部卒業、2006年東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了、森永乳業入社。乳タンパク質、機能性素材の研究開発を経験後、ビフィズス菌の機能性、腸内フローラと健康に関する研究に従事。

  • この連載について / 腸戦者に訊く

    ビフィズス菌は1500万年にわたって人類と共存してきました。ヒト由来のビフィズス菌に50年以上にわたって向き合い、研究の成果を人々の暮らしに役立ててきた森永乳業の研究者たちに挑戦の軌跡を訊(き)きました。

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