「現役後」の減収、6割超が生活費の節約で対処  「人生100年時代が不安」の声も

「老後のお金」に関するアンケート結果

2021.08.20

 朝日新聞Reライフプロジェクトは今年5~6月、「老後のお金」に関する意識や実態を探るアンケートを実施しました。「現役後」の年収がどれくらい減ったか、または減る見込みかを選択式で尋ねたところ、回答した読者会議メンバー244人のうち、20.5%が「現役後」の減収は「500万円以上」を選択。全体の6割超が生活費の節約で対処すると答えました。自由記述には、「年金と貯金で生活を回せるか不安」「お金が足りなくなったら悲惨な生活になる」などの声が寄せられました。

世帯の貯蓄額「5000万円以上」「400万円未満」ほぼ同数

世帯の貯蓄額
株などの⾦融資産も含む(グラフはいずれも244人が回答)

 世帯の貯蓄額については、「わからない・答えられない」(26.2%)を除くと、14.8%が「5000万円以上」、13.5%が「400万円未満」と答え、二極化がうかがえました。「1000万~2000万円未満」「2000万~3000万円未満」「3000万~5000万円未満」はいずれも10%前後でした。

減収額「わからない・答えられない」が最多 「年間500万円以上」2割

「現役後」の減収額

 回答者自身や配偶者の定年退職などによって、年間の収入が「現役時代」に比べてどれくらい「減ったか」、もしくは「減る見込みか」を尋ねたところ、31.6%は「わからない・答えられない」としました。次いで、「500万円以上」が20.5%で多く、「400万~500万円未満」は11.1%、「300万~400万円未満」が10.7%で続きました。

 
収入減の対処法

 こうした収入の減少への対処法については、複数回答で、「生活費の節約」(63.9%)が最も多く、「アルバイトやパートなど就労を増やす」(19.3%)や、「未定・わからない」(18.9%)、「生命保険や医療保険、金融商品の解約」(18.4%)を大きく引き離しました。

募る年金・医療・介護への不安 貯蓄額にかかわらず 

 自由記述には、世帯の収入や貯蓄額に関係なく、多くの不安の声が寄せられました。

 配偶者や大学生の子どもらと4人世帯という東京都の60代男性は、「大学生も抱え、出費もそれなりにあり、一方で老後に備えなければいけないというジレンマ。年金も想像していた額よりも圧倒的に少なさそうだし、もう不安しかない」と吐露しました。

 晩婚や晩産化が進み、教育費など出費がかさむ時期と老後に備えるべき時期が重なるケースは珍しくありません。この男性と同様の悩みを持つ家庭も多そうです。

 年金の支給額や医療・介護にかかる費用についての不安の声も目立ちました。

 神奈川県の60代女性は、「医療費が多いので、これからの入院費や介護費が心配」と書きました。貯蓄が減って不安になり、家計の見直しをしたそうです。

 「長生きすることはありがたいが、先の介護費用、老人ホーム入所費用などを考えると不安。まして子どもたちに頼ることもままならない」(兵庫県、80代以上男性)といった声もありました。

寿命がわかればいいのに 節約ばかりでは人生つまらない

  寿命という不確定要素を嘆く声も複数ありました。

 栃木県の60代男性は「人生100年時代と聞くと不安になる」、愛知県の50代女性は「今後いつまで生きるかわからないのでいくらあっても足りない気がする」、大分県の60代女性は「何歳まで生きるかわからないので、これから年金生活が始まるのは不安だらけ」とつづりました。

 いつまで生きるかを「決められたらよい」(東京都、70代男性)や、「願わくば、お金は使い切って人生終わりたいが、死期はわからないので、難しい」(東京都、50代男性)、「いつ死ぬかわからないから、残高の調整が難しい、できない。余ったら悔しいし、足りなくなったら悲惨な生活になる」(大阪府、60代女性)という声もありました。

  兵庫県の60代女性は、家計管理の悩みを打ち明けてくれました。「絶対にお金が足りないと思う。でもどうしたらよいかわからない」。家計を見直したいのに、「知識不足」で見直せないそうです。「投資信託など何度聞いても理解するのが大変。銀行や証券会社に任せっぱなしでいいのか?」と疑問を抱いていました。

 多くの人が「老後のお金」への不安を口にする一方、節約はほどほどに老後を楽しみたいという人もいました。

 「何十年も苦労して働いて節約してきた」という大阪府の60代女性は、「これからは少し贅沢(ぜいたく)な食材を買って調理してみたい」という願いを聞かせてくれました。東京都の50代男性は「贅沢を言えばきりがないが、最悪の場合に備えて節約しなければならないとしたら人生つまらない」、埼玉県の60代女性は「今と同じ暮らしはできないにしても自由度の高い生き方がしたい」とつづりました。

 調査は、2021年5月11日~6月10日にReライフプロジェクトのウェブサイトで実施。有効回答は244人(男性57%、女性43%)。年代別では39歳以下が4.5%、40代が8.6%、50代が25.8%、60代が38.5%、70代が16.8%、80歳以上が5.7%でした。

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