<読者ブログ>

<連載> 美術館探訪(アート部)

三菱創業家4代のコレクション 幅と質と数に圧倒され

読者会議メンバーが見た「三菱の至宝展」

2021.10.07

 三菱創業150周年を記念し、ゆかりの施設が所蔵する作品が一堂に集う「三菱の至宝展」(2021年6月30日~9月12日)が東京・三菱一号館美術館で開かれました。チケットプレゼントに当選され、鑑賞したReライフプロジェクト読者会議メンバーの感想を紹介します。

読者会議メンバーが訪れた企画展

  • 三菱の至宝展2021チラシ表_2
  • 「三菱創業150周年記念 三菱の至宝展」
    三菱一号館美術館

     三菱を創業した岩崎家の当主四代は、多くの美術品や書籍などを収集しました。本展では、それらを収蔵する静嘉堂と東洋文庫から、かの曜変天目をはじめとする国宝12点、重要文化財31点など、三菱経済研究所の所蔵作品もあわせて100点以上が大集合。和漢洋の、さまざまな時代の、茶器・経典・書物・絵巻・仏像・地図など多様な分野の貴重な作品に、多くの読者が感嘆したようです。

三菱一号館外観

収集に当主の個性 私は彌之助コレクションが一番

 「三菱の至宝展」は三菱を創業した岩崎家4代のコレクションが一望できる豪華な展覧会である。各展示室には4人の当主の個性があふれ、書籍に関心がある者は3代岩崎久彌、茶道具マニアなら4代小彌太のコレクションに目を奪われるだろう。
 私自身が最も引かれたのは、2代彌之助のコレクションである。彌之助はアメリカへ留学し、帰国後は日本美術に開眼し、家業の傍ら書籍や古美術を収集し、静嘉堂文庫の基礎を作った。武家文化への憧憬(しょうけい)がうかがえる刀剣類、豊かな表情が際立つ《木造十二神将立像》、「嫁入り本」と呼ばれた『源氏物語』の冊子を収めた箪笥(たんす)、そして何と言っても俵屋宗達の《源氏物語関屋澪標(みおつくし)図屛風(びょうぶ)》が素晴らしい。私が見たのは《関屋図》だが、金地に映える緑青と群青、直線と曲線のバランスの良さに感心するとともに、車を引く牛や人物の目が優しく描かれ、心穏やかになる佳品だと思った。
(東京都 人見伸子さん 60代)

源氏物語関屋澪標図
国宝《源氏物語関屋澪標図屏風》のうち「関屋図」俵屋宗達 江戸時代・1631(寛永8)年 静嘉堂蔵 

三菱の、いや東洋の至宝をよくぞ残して下さった

 三菱のというより東洋の至宝をよくぞここまで収集し、残して下さったと感謝しきりです。美術品や本ももちろんですが、古地図好きな私は一枚一枚しっかり頭と心に刻み込みました。彌太郎さんから四人の社長の部屋の設(しつら)えが、それぞれの思いが込められているようで、面白く拝見しました。
 出口近くの大きなおかめのお面に送られて、至福のひとときを過ごせたことに感謝しつつ至宝展を後にしました。
(千葉県 福家昭惠さん 70代)

十二神将立像
重要文化財《木造十二神将立像》の展示風景 慶派 鎌倉時代・1228(安貞2)年頃 静嘉堂蔵

歴史の教科書で知った東方見聞録を見られ感動

 三菱一号館美術館で開催された「三菱の至宝展」、静嘉堂にも東洋文庫にも行ったことがありますが、同時に見られるのはいいですね。展示替えがあり、私が見たのは後期で73点(全期で103点)、うち6点(全期12点)が国宝でした。
 さすが三菱、財力で明治時代に各国(アジアはもちろん、遠くヨーロッパまで)から集めた収集品の数々に驚きました。チベットの大蔵経は何冊もあり、とんでもなく大きなニュルンベルクの聖書など、運んだ人はさぞ大変だったでしょうね。
 私的によかったのは、長船兼光(伝)の刀の鞘(さや)や茶入れの蒔絵(まきえ)の容器、野々村仁清の色絵吉野山図茶壺、美しかったです。東洋文庫でも見ましたが、歴史の教科書で知ったマルコ・ポーロの東方見聞録をこの目で見られるのは、やっぱり感動ですね。
(東京都 長田朱実さん 60代)

曜変天目に神秘的な美しさ 多くの人が長く鑑賞

 一度に、これほどの国宝と重要文化財を見ることができたこと、コレクションの幅の広さにも、岩崎家の財力と質の高さを感じられた。東方見聞録や徒然草、伊勢物語など教科書でしか見たことのない書物を見るのは初めてだった。倭漢朗詠抄の太田切(ぎれ)、実際の料紙の色と筆の運びやかすれなどは、やはり立体感があって、写真で見るより美しさが増していた。
 意外と面白かったのは地図。歴史を追いながら、世界や日本の大陸を、地球儀ではなく、平面で見るのは面白かった。
 そして、一番見たかった曜変天目。人の技術や化学反応を越えた自然が生み出す青の色合いと模様は、とても神秘的な美しさで多くの人が、長い間足を止めていた。また、展示場の外にはスマホで撮影できるサプライズな場所もあり、記念になってうれしかった。
 作品の多さから前期と後期で別れているのものあり、前期の龍虎図屏風が見られなかったのが残念。コレクションを通し、世界の歴史が楽しめた。
(東京都 大島清美さん 50代)

倭漢朗詠抄太田切
国宝《倭漢朗詠抄 太田切》平安時代(11世紀) 静嘉堂蔵

戦時中を乗り越えきれいに保存してきた人たちすごい

 ずっと行きたいと焦がれていた美術館のチケットが届きました。三菱一号館美術館。建物自体がアートでありどんなものかと期待し、展覧会も三菱の至宝展とまさにこの美術館にふさわしいものでした。
 場所柄と展示の内容からなのかそんなに混雑することなく観ることが出来ました。
 内容は本当にコレクション、趣味の域を超えている感じで工芸品やらお茶道具、花器、本、刀、屏風等色々な物があり、本当にいつどうやって手に入れたのかというくらい何百年も前の年代物も。しかも全てがきれいに保存されどうやって戦時中を乗り越えたのか、大事に保管してきた人たちはすごいと思いました。
 中でも一番はやはり曜変天目茶碗(わん)でした。ぬらぬらと光る黒地に青の縁のまだら模様。とてもきれいで年代物とは思えないほどの完成度。これを見るだけでも価値があったと思います。
 美術館もいるだけで落ち着いて心地良い、そんな空間でした。また機会がありましたら行きたいと思いました。
(埼玉県 丹下桜子さん 50代)

4曜変天目改
国宝《曜変天目(稲葉天目)》 建窯 南宋時代(12-13世紀) 静嘉堂蔵
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