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<連載> ひとことブックレビュー

一汁一菜でいい。料理を苦しみにしてはいけない――という土井善晴さんに救われました

「NHK出版 学びのきほん くらしのための料理学」を読んで/連載・ひとことブックレビュー

2021.10.07

 読者会議メンバーからブックレビューを募る企画に、「NHK出版 学びのきほん くらしのための料理学」を読んだ感想が届きました。一汁一菜でいいという提案に力づけられ、そして、料理とは、ということをあらためて考える機会になったようです。

  • くらしのための料理学
  • 土井 善晴 (著)
    出版社:NHK出版

     その道40年、集大成にして入門の書である。日本人は料理を、どのように捉えてきたのか。古来より受け継がれてきた美意識や自然観、西洋との比較などを通して私たちと料理との関係性をひもとく。料理を通して見えてくる「持続可能なしあわせ」「心地よく生きていくための道筋」とは何か。NHK「きょうの料理」でもおなじみの著者が、いまの日本の料理のあり方を考え抜いた末に提示する、料理と暮らしの新しいきほん。

もっと気楽にいこう! もっと手伝え! 楽しく作ろう!

 「毎日の食事作りを苦しみにしてはいけません」という土井先生の言葉に救われる思いがしました。
 長年、とらわれていました。主婦はおいしいご飯を作らなければいけない、また手をかけるほど良い、という思い込みです。
 毎日毎日献立を考え、工夫をして作っても、それほどおいしくもない、あまりうまく出来ない苦しみから、「私は料理が苦手、料理が下手」というレッテルを自分に貼っていました。「下手だからおいしく作れなくても仕方ない」と自分に言い訳しながら生きていたのかもしれません。
 私は、万願寺とうがらしを焼いておしょうゆをたらしただけとか、ナスを焼いてショウガじょうゆで食べるなども好きですが、こういうのは手抜きだと思っていたのです。
 「そもそも料理とは?」という歴史を学び、家庭料理の意義を知ったことで、少し考えが変わりました。もっと気楽にいこう! 旬の野菜はただ焼くだけでおいしい! 文句あるなら、自分で作れ! もっと手伝え! 楽しく作ろう!
(京都府 伊藤悦子さん 50代)

壮大な料理学の物語を旅しているような本でした

 「そんなにラクしていいの? うれしいけど」
 それが毎日の献立は一汁一菜で良いという土井先生のお話に対する私の正直な感想でした。長年料理の世界に身を置いてこられた先生のお墨付きですからやらない手はありません。手をかけすぎず、整えれば良いとのこと。
 異国のスパイスやバターの香りは心躍らされるけど、一番落ち着くのはやっぱりシンプルなおうちご飯だと思います。
 炊きたてのご飯を頰張り「日本人に生まれて良かった」としみじみ思い、おみそ汁の中に季節を感じる。「おいしかった」と手を合わせれば小さな幸せに心が満たされます。これを食文化というなら、なんてつつましく素敵な文化なのでしょうか。
 壮大な料理学の物語を旅しているような本でした。また、代々受け継がれてきた普段の食事の大切さを考える良い機会になりました。作る人たけでなく食べる人みんなにぜひ読んでほしい一冊です。
(福井県 長田玲子さん 50代)

料理の進化と変換も学ぶことが出来ました

 主人が介護を5年ほどして昨年死去しました。主人の介護食と孫たちの食事作りにはみそを手作りし、少しでも農薬がかからないものをと考えておりました。
 そこからの解放に伴い、高齢者向け、それも独り身の食事作りに戸惑いを感じておりました。一汁一菜という原点に返るお話に救われたような感じがいたします。
 土井先生のお父様から続いてきた食の本来の意義の追究。そうして得られた料理観を拝見して、料理の進化と変換をも学ぶことが出来ました。
(埼玉県 星冨士男さん 80代)

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