まぐろ納豆&アボカドでアレルギー対策 暴走する免疫細胞を抑える

「【善玉酵素】で腸内革命」から(3)まぐろのオメガ3脂肪酸を二つの酵素でアレルギー対策物質に

2021.10.15

 感染症対策として大切な免疫ですが、じつは免疫は強すぎても問題が起きることがあります。そのひとつが「アレルギー」。いまや日本人の約半分が何らかのアレルギーを持っているといわれています。國澤純さんの「【善玉酵素】で腸内革命」(主婦と生活社)から、今回は〝免疫の暴走状態〞を抑えるのに役立つメニューを紹介します。

まぐろ納豆&アボカド

アレルギー予防にも短鎖脂肪酸 食物繊維の摂取が重要

 アレルギーは、簡単にいうと、本来は反応してはいけない物質に対して免疫が反応してしまう〝免疫の暴走状態〞のこと。この暴走の引き金のひとつは腸のバリア機能の低下です。

 腸には食べ物など外界のものが入ってくるので、余計なものが体内に侵入してこないようバリアが作られています。このバリアが崩れて異物が入ってくると、免疫が過剰に反応してアレルギーが引き起こされます。

 バリア機能を維持するのに役立つのが短鎖脂肪酸です。腸のエネルギーになったり、腸内を弱酸性に整えたり、脂肪の蓄積を和らげたり。様々な働きをする短鎖脂肪酸は、消化されずに大腸に届いた食物繊維をもとに、腸内細菌の酵素が作り出しています。アレルギー予防の観点からも、食物繊維の摂取が重要なのです。

暴走なだめる免疫細胞をビタミンAとBで増やす

アレルギーとビタミンAの関係

 さらに短鎖脂肪酸は、Tレグ細胞という特殊な免疫細胞を増やしてくれます。

 腸の免疫は、私たちにとって有害な異物には反応するけど、食べたものや腸内細菌などの〝異物なんだけど有益なもの〞に対しては「まぁええか」と過剰に反応しないようになっています。こうした複雑な仕分けの仕事をする際に重要な働きをするのがTレグ細胞。ほかの免疫細胞が過剰に反応して暴走しないよう〝なだめ役〞として働く、アレルギー予防に心強い細胞です。

ビタミンAの機能

 このTレグ細胞、じつはビタミンAでも増えることが近年の研究でわかっています。免疫細胞の一種、樹状細胞の酵素がビタミンAから作りだす物質がTレグ細胞を増やすので、ビタミンAの摂取も効果的です。

 〝なだめ役〞のTレグ細胞が元気に働くためには、脂肪を燃やしてエネルギーを充電する必要があり、脂肪を燃やすミトコンドリアの働きも大切です。とくに大事なミトコンドリアの酵素はビタミンB2を必要とするので、Tレグ細胞のためにもビタミンB2を意識して摂ることをおすすめします。

レバニラ炒めのイラスト

 Tレグ細胞を増やす、おすすめメニューの一例は「レバニラ炒め」です。レバーからはビタミンAが摂取でき、ニラにはビタミンB2が多く含まれています。また、にんじんは体内でビタミンAに変換されるβカロテンを多く含んでいるので、ビタミンAの重ね取りができます。

免疫の暴走抑止に発酵食品の酵素も活用しよう

 通常は、腸管のバリア機能やTレグ細胞が働くことで、アレルギーは発症しないのですが、何らかの原因でうまく機能しないとアレルギーの発症リスクが高まります。とくにアレルギーの原因物質に対して働く抗体が作られて、そこに再びその原因物質が入ってくると、マスト細胞という免疫細胞が活性化され、いよいよアレルギーの発症です。

 ここまでくるとマスト細胞の活性化を抑えることが重要で、オメガ3脂肪酸をもとに酵素が作る物質が、アレルギー対策に期待できることがわかっています。

 ただ、その酵素には複数のタイプがあり、〝アレルギー改善効果の高い物質〞を作るタイプもあれば、〝あまり効果のない物質〞を作るタイプもあります。オメガ3脂肪酸を摂りやすいのは青魚やまぐろ、アマニ油、エゴマ油などですが、人によって酵素のタイプが異なるため、場合によってはアレルギー改善効果のあまりない物質が作られる可能性があるのです。そこで助けになるのが、発酵食品の微生物です。 

 なんと、納豆やヨーグルトに含まれる納豆菌や乳酸菌も、酵素によってアレルギー改善に役立つ物質を作れることが最新の研究によってわかってきました。自分がたとえアレルギーの改善に役立つ「善玉酵素」を持っていなくても、オメガ3脂肪酸と発酵食品を一緒に食べて、発酵食品の酵素にその物質を作ってもらえば、同じ効果が期待できるのです。

納豆菌の機能

 ここでもうひとつ、大事なポイントがあります。オメガ3脂肪酸からその物質を作りだすためには、リパーゼという酵素で脂肪酸の構造を少し変えておく必要があるのです。つまり、オメガ3脂肪酸と発酵食品に加えて、リパーゼを多く含む食材も一緒に食べることが効果的なのです。

 たとえば、冒頭のイラストにある「まぐろ納豆&アボカド」は、そんな食べ合わせの一品です。オメガ3脂肪酸を多く含むまぐろに、リパーゼを豊富に含むアボカドと納豆を組み合わせることで、まぐろの脂をアレルギー対策物質に変身させます。また、リパーゼはみそにも含まれていますので、みそ汁にアマニ油を混ぜるのもいいかもしれません。

アレルギー対策の食べ合わせ

<関連記事>

  • 善玉酵素と腸内革命の表紙
  • 國澤 純 (著)
    出版社:主婦と生活社

     これまでの腸活は「善玉菌を増やそう! 」でした。それも大事ですが、健康にとって本当に重要なのは、善玉菌が作る“健康にいい物質"です。そして、“健康にいい物質"を実際に生み出しているのは私たちや善玉菌が持っている「酵素」です。この酵素の働きをよくすることこそが健康のカギ。酵素の働きを意識した、食の健康効果を最大にする「食べ合わせ方」を紹介します。
     この本を3名様にプレゼントします。応募はこちら(商品モニター会メンバー限定、10月14日締め切り)

  • 國澤 純
  • 國澤 純(くにさわ・じゅん)

    国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター長

    1996年、大阪大学薬学部卒業。2001年、薬学博士(大阪大学)。米国カリフォルニア大学バークレー校への留学後、2004年、東京大学医科学研究所助手。同研究所助教、講師、准教授を経て、2013年より医薬基盤・健康・栄養研究所プロジェクトリーダー。2019年より現職。現在、同研究所の腸内環境システムプロジェクトリーダーを兼任。

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