<連載> ”腸”お手軽大腸活レシピ

茨城名物「そぼろ納豆」+「玉ねぎ」は、腸活食材の最強コンビ?

「【善玉酵素】で腸内革命」から(4)定番のヨーグルトと納豆をパワーアップさせる食べ合わせとは

2021.11.01

 腸内環境を整える「腸活」食材といえば、ヨーグルトや納豆。そんな定番食材をさらにパワーアップさせてみませんか? 國澤純さんの「【善玉酵素】で腸内革命」(主婦と生活社)によると、ポイントはふたつ。じつは納豆産地の郷土食にも、その秘けつがうまく組み込まれていました。

食物繊維入りヨーグルトのイラスト

ヒトの酵素が作れない「短鎖脂肪酸」、ヨーグルト+発酵性食物繊維で

 腸のために意識して摂っている人が大勢いると思われるヨーグルトや乳酸菌飲料。それらのほとんどすべてに乳酸菌かビフィズス菌が使われていますが、お腹の中でなにをしているか、ご存じでしょうか? じつは、こうした菌の働きを詳しく知ると、ヨーグルトや乳酸菌飲料の摂り方のポイントがわかってきます。

 腸の健康にとても大切な働きをしているのが「短鎖脂肪酸」です。その一番大事な働きは、腸の細胞のエネルギー源になること。腸がしっかり動いて便秘にならないためには短鎖脂肪酸が不可欠です。また、短鎖脂肪酸によって腸の動きが活発になると細胞が酸素をたくさん使うため、腸の中は酸素が少なくなります。すると、「酸素が少なくて酸性」という悪玉菌や病原体には苦手な環境になるので、その意味でも、短鎖脂肪酸は腸の健康に大事です。

 この短鎖脂肪酸、どうやって作られるかというと、残念ながら私たちの持つ酵素では作ることができず、腸内細菌の酵素が作ってくれます。ちょっと複雑なのですが、短鎖脂肪酸には複数の種類があり、それらをひとつの酵素が作っているのではなく、複数の酵素がまるでリレーのバトンのように物質を受け渡しながら少しずつ作っています。

 そして、このリレーの上流に位置しているのが、「乳酸」や「酢酸」という物質。それらがないと短鎖脂肪酸は作れません。詳しい人はご存じでしょうが、乳酸は乳酸菌とビフィズス菌が作る物質で、酢酸はビフィズス菌が作る物質です。つまり、乳酸菌とビフィズス菌は、短鎖脂肪酸の原料を作ってくれているから大事なのです。

ヨーグルトの食べ合わせ例

 ヨーグルトの中だけではなく、私たちのお腹の中に元々いる乳酸菌やビフィズス菌などにもしっかり働いてもらって、短鎖脂肪酸を作ることも大切です。そのためには、彼らのエサを私たちが食べることです。よくいわれているように、水溶性食物繊維やそれと同じように働くレジスタントスターチ、またオリゴ糖などがエサになりますが、最近ではより効果が期待できるものとして、「発酵性食物繊維」も注目されています。

 これは腸内細菌のエサになりやすい(腸内細菌の酵素によって発酵されやすい)食物繊維という意味で、大麦の一種であるもち麦や、小麦の外側の部分でできている小麦ブラン、また、オーツ麦という種類の麦から作られるオートミールなどがありますので、ヨーグルトなどと合わせて朝食のメニューに加えるのもおすすめです。

茨城の郷土食をアレンジし、納豆菌の酵素の力をさらに引き出す

 私たちが食べた食物繊維やオリゴ糖は、まず糖化菌のエサになります。そして、糖化菌の酵素が作った糖が乳酸菌やビフィズス菌のエサになり、彼らの酵素がそれを材料に乳酸や酢酸を作っています。そのため、さきほどの「短鎖脂肪酸のリレー」の最上流にいる糖化菌の酵素の働きも腸内環境にとって大事といえます。

 だとすると、短鎖脂肪酸を増やすためにも糖化菌の酵素にたくさん働いてもらう方法を知りたいですよね。じつは、納豆菌も糖化菌のひとつなのです。

 つまり、食べた納豆の中にいる納豆菌が生きたまま私たちの腸に届けば、糖化菌として、食物繊維やオリゴ糖から乳酸や酢酸の材料を作ってくれると期待できるのです。なので、食物繊維と納豆を一緒に食べるのは、腸内環境にとって、とてもいい食べ合わせといえます。

そぼろ納豆+玉ねぎのイラスト

 ちなみに、納豆の本場といえば茨城県ですが、茨城には納豆と切り干し大根を一緒に漬けこんだ「そぼろ納豆」という郷土食があるそうです。切り干し大根はとても食物繊維が豊富な食材。茨城の人たちは昔から、納豆菌の酵素の力を最大限に生かした食べ合わせをしていたともいえます。

 この伝統の郷土食をアレンジしたのが「そぼろ納豆&玉ねぎ」です。玉ねぎにはオリゴ糖が多く含まれていて、納豆菌の酵素はこれも糖に分解してくれます。のりやめかぶ、オクラなども水溶性の食物繊維を含んでいますから、納豆の酵素パワーを生かす食べ合わせ食材となります。

納豆の食べ合わせ例

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  • 國澤 純
  • 國澤 純(くにさわ・じゅん)

    国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター長

    1996年、大阪大学薬学部卒業。2001年、薬学博士(大阪大学)。米国カリフォルニア大学バークレー校への留学後、2004年、東京大学医科学研究所助手。同研究所助教、講師、准教授を経て、2013年より医薬基盤・健康・栄養研究所プロジェクトリーダー。2019年より現職。現在、同研究所の腸内環境システムプロジェクトリーダーを兼任。

  • この連載について / ”腸”お手軽大腸活レシピ

    健康の要とも言われる「腸内フローラ」。おもに大腸にいる細菌たちがつくる腸内フローラを健全に保つ第一歩は食生活です。料理家や腸活に取り組む方々が、簡単でしかもおいしい、大腸が喜ぶ料理を紹介します。

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