
新型コロナの流行が長期化するなか、健康管理の一環として腸内環境を整える「腸活」への関心が高まっています。朝日新聞Reライフプロジェクトは、腸内細菌とアンチエイジング(抗加齢)に詳しい京都府立医科大学の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)を講師に招き、腸活オンラインセミナー「大腸ケアで免疫力アップ、心と体を若返らせる」を開きました。内藤教授の講演動画を公開しています。ここでは、参加者から寄せられた腸活に関する質問への回答を掲載します。今回のテーマは「腸内細菌」です。
腸内細菌の役割は様々
――腸内細菌にはどんな種類があって、どんな働きを担っているのですか?
内藤 難しい質問ですね。さまざまな研究が行われる中でわかってきたことは、腸内細菌には種類がたくさんあり、彼らは1人(単体)では生きていけないということです。互いに助け合っているんですね。人間もそうですよね。短鎖脂肪酸をつくる菌もいれば、ビタミンをつくる菌もいる。神経にとって重要な菌もいれば、ある物質を別の物質に変える菌もいる。つまり、特定の菌が重要なのではなく、やはり多様性が大事だと思います。
ビフィズス菌が悪玉菌を増えにくくする
――スーパーなどでビフィズス菌入りのヨーグルトを見かけます。ビフィズス菌にはどのような効果がありますか?
内藤 よく誤解されるのですが、ヨーグルトはビフィズス菌で作られているわけではありません。ビフィズス菌入りヨーグルトというのは、特殊なヨーグルトなんですね。ビフィズス菌は、胃酸など消化液に強いという特徴があり、大腸まで生きたまま到達して機能を発揮していると言われています。特に大事な機能が、乳酸や酢酸といった短鎖脂肪酸をつくることです。短鎖脂肪酸がつくられると、腸内が弱酸性になり、悪い菌が増えにくい腸内環境になるんです。ビフィズス菌の発見から約130年が経ち、さまざまな研究が進んでいてほかの機能も明らかになってきていますが、短鎖脂肪酸の産生が基本の機能といえます。
日本人の腸内にはビフィズス菌が多い
――乳製品は腸内細菌にどのような影響がありますか?
内藤 すごくおもしろくて、日本人の腸内にビフィズス菌が多くすんでいます。乳製品に含まれる乳糖を分解する遺伝子を持っていないためだと考えられます。乳糖類が分解されないまま大腸まで流れ込み、それをエサとしてビフィズス菌が増えるのです。牛乳を飲むとおなかを壊す日本人が多いのは、遺伝子で決まっているんですね。
乳酸菌の効果 死菌でもある
――錠剤で乳酸菌を含むものがあります。乾燥した菌でも効果はありますか?
内藤 乳酸菌は免疫系に影響するものが多く、生菌も死菌も同じで、死菌だからといって効果がないということはありません。
◇
次回も「腸内細菌」に関する質問と回答です。
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