
新型コロナの流行が長期化するなか、健康管理の一環として腸内環境を整える「腸活」への関心が高まっています。朝日新聞Reライフプロジェクトは、腸内細菌とアンチエイジング(抗加齢)に詳しい京都府立医科大学の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)を講師に招き、腸活オンラインセミナー「大腸ケアで免疫力アップ、心と体を若返らせる」を開きました。内藤教授の講演動画を公開しています。ここでは、参加者から寄せられた腸活に関する質問への回答を掲載します。今回は最近よく耳にするようになった「脳腸相関」についてです。
腸内細菌の産物が脳を熟成させる
――最近、脳腸相関という言葉を耳にしますが、脳の機能や精神面と腸は関係があるのでしょうか。
内藤 われわれの脳を成熟させているのは、腸内細菌の何らかの産物であることは、マウスの実験で明らかになっています。人間は無菌では生きていけないですが、マウスは無菌で生きていけます。ただし無菌マウスのたった一つの欠点は、脳が成熟しないことです。無菌マウスは元気ですが、落ち着きや学習能力がなく、興奮性のマウスになります。脳の成熟には腸内細菌が大事であり、病気だけではなくコロナ禍のストレス、認知機能に対しても影響があるのではないかと世界中で研究されています。
精神的に不安定な人は、おなかも不安定
――ストレスは腸内環境に影響しますか?
内藤 消化器内科医として多くの患者さんを診ていると、腸と脳はつながっていることに気づかされます。ストレスなどで精神的に不安定で、うつ傾向がある人は便秘や下痢ぎみですし、便秘や下痢の人は、精神的に不安定な傾向があります。また、精神面の症状も腸の症状も、よくなるときは不思議と一緒によくなるのです。いろいろな経路がありますが、腸と脳は密接に関係していると思います。どちらが大事かは難しいのですが、生物の中には脳がなくて腸がある生物がいますので、私は脳より腸のほうが大事だと思っています。
ストレスで腸内細菌の多様性が失われる
――腸内細菌はストレスで減りますか?
内藤 減ります。いろいろな研究が行われていて、ヒトでもマウスでも、ストレス下にあると腸内細菌の多様性が低下して、本来必要な腸内細菌が減って、不要な細菌が増えることがわかっています。コロナ禍でいろいろわかってきたこともあって、おなかの調子が悪くなる原因が会社にある人もいるんですよね。ステイホームでおなかの調子がよくなったという人もいますよ。
◇
次回は「京丹後市での研究」に関する質問と回答です。
※Reライフ.netには腸活、腸内環境に関する様々な記事があります。ぜひ、ご覧ください。
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