<連載> 腸活オンラインセミナーQ&A

京丹後市の食生活と腸内細菌の関係に注目

腸内細菌研究の第一人者・内藤裕二教授の「腸活のススメ」(5)

2022.01.24
内藤先生QA5京丹後

 新型コロナの流行が長期化するなか、健康管理の一環として腸内環境を整える「腸活」への関心が高まっています。朝日新聞Reライフプロジェクトは、腸内細菌とアンチエイジング(抗加齢)に詳しい京都府立医科大学の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)を講師に招き、腸活オンラインセミナー「大腸ケアで免疫力アップ、心と体を若返らせる」を開きました。内藤教授の講演動画を公開しています。ここでは、参加者から寄せられた腸活に関する質問への回答を掲載します。今回は内藤先生がすすめている「京丹後市での研究」についてです。

腸活オンラインセミナーの講演動画はこちら

京丹後市では塩分摂取多くない

――内藤先生は長寿で知られる京丹後市(京都府)と京都市の高齢者の腸内細菌などを比較した調査をされています。京丹後市の人が食べているメニューの中に干し魚があり、塩分が気になります。どのようにバランスをとったらいいでしょうか。

内藤 塩分は、日本人が過剰になっている栄養素の一つです。腸内細菌は塩分によって悪化することが報告されていて、高血圧の治療を受けているのに血圧が下がらない人に対して、塩分を制限して腸内細菌を変えると効果的だったというデータもあります。京丹後の人たちは、干した魚を煮て、だしとして利用するなどしているので、そんなに塩分摂取量は多くないんです。実際に塩分摂取量が多いというデータはありません。

京都市では赤肉の摂取が多い

――京都市の高齢者が多く食べているものはあるのでしょうか。

内藤 日本人は世界中の民族の中でも、急速に食生活が変わった人種の典型と言われているんですね。便利さがあだになって揚げ物が多くなったり、レッドミートが多くなったりしています。京都市でも同じです。圧倒的に食物繊維が少ないですし、動物性脂肪が多い傾向があります。残念ながら動物性脂肪はうまいんですよ。僕らは甘いものとうまいものに弱いので難しいところですよね。ただ、アメリカの中学や高校では砂糖入りのドリンクは売っていないんですよね。環境からできることはあると思います。

地中海食 動脈硬化や心血管疾患を予防

――地中海食、日本の伝統食のいいところは?

内藤 腸内環境の面からみると、世界的に最もエビデンスがしっかりしているのは、地中海食です。地中海食は動脈硬化や心血管疾患を防ぐことが明らかになっていますが、それは地中海食によって腸内細菌が変わった影響だということがわかってきました。世界的な考えからすると、最も健康なのが地中海食、あるいは地中海食から肉類を減らした食事ですが、米国のヒトを対象にした臨床試験では、日本人のグループには地中海食はあまり効果がなかったというデータもあります。長い歴史でみると、日本人には日本食のほうがいいのかもしれませんね。ただし、確かなエビデンスはありません。京丹後市の調査による日本食と腸内細菌のデータは今後発表したいと思いますので、注目していただきたいと思います。

次回は「便」に関する質問と回答です。

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  • 内藤裕二
  • 内藤 裕二(ないとう・ゆうじ)

    京都府立医科大学教授(生体免疫栄養学)

    1983年京都府立医科大学卒業、2001年米国ルイジアナ州立大学医学部客員教授,09年京都府立医科大学(消化器内科学)准教授などを経て21年から現職。日本酸化ストレス学会理事長、日本消化器免疫学会理事、日本抗加齢医学会理事、2025大阪・関西万博大阪パピリオンアドバイザー。専門は消化器病学、消化器内視鏡学、抗加齢学、腸内細菌叢。著書に「消化管(おなか)は泣いています」「人生を変える賢い腸のつくり方」など多数。

  • この連載について / 腸活オンラインセミナーQ&A

    腸内細菌に詳しい京都府立医科大学の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)が「腸活オンラインセミナー 大腸ケアで免疫力アップ、心と体を若返らせる」で読者会議メンバーからの質問に答えました。生活改善のヒントがあります。

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