<連載> 腸活オンラインセミナーQ&A

くさい便やおならは腸内環境悪化のサイン

腸内細菌研究の第一人者・内藤裕二教授の「腸活のススメ」(6)

2022.01.28
内藤先生QA6

 新型コロナの流行が長期化するなか、健康管理の一環として腸内環境を整える「腸活」への関心が高まっています。朝日新聞Reライフプロジェクトは、腸内細菌とアンチエイジング(抗加齢)に詳しい京都府立医科大学の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)を講師に招き、腸活オンラインセミナー「大腸ケアで免疫力アップ、心と体を若返らせる」を開きました。内藤教授の講演動画を公開しています。ここでは、参加者から寄せられた腸活に関する質問への回答を掲載します。今回は「便」についてです。

 腸活オンラインセミナーの講演動画はこちら

赤ちゃんのおならはくさくない

――便やおならがくさいのは、腸内環境が悪いのでしょうか

内藤 はい、悪いんです。日本人が食物繊維を摂取して発酵反応を起こして出てくるガス状物質は、酢酸です。酢なので漬物のようないい匂いがするはずなんです。赤ちゃんの便からは酸っぱい匂いがすることがありますが、これは酢酸によるもので、くさくないはずです。一方、くさいのは硫化水素が原因です。匂いは腸内環境を表しているのです。匂いは主観的なので難しいですが、ウォッシュレットにセンサーをつけておいて、便を流すときに匂いを感知して「あなたの腸内環境はよくないですよ」と赤ランプがつくようなシステムが開発されるといいですね。

 

高脂肪食は便秘の危険性高める

――保育所に勤務している者です。ここ数年、乳幼児の便秘が増えています。アドバイスはありますか?

内藤 日本人の子どもの便秘が多いのは、問題になっています。学校で排便したくないというトイレ事情もありますが、食生活の影響もあると思います。高脂肪食は便秘のリスクになります。少しなら問題ないですよ。量が問題です。揚げ物などの高脂肪食を控えめにすること、食物繊維をしっかりとることが大事です。

 

便秘は寿命短くするリスク

――腸内環境が改善したら便秘は治りますか?

内藤 便秘の人は寿命が短いことはすでにわかっています。腸内環境と便秘は密接な関係があるので、腸内環境が改善されたら、便秘が治る可能性があります。スッキリ便が出るというのは、その人の精神状態にもとってもいいですよね。

 ――アレルギーは腸内環境と関係ありますか? 関係がある場合、腸活で改善できますか?

内藤 アレルギーをもつ人が多くなっていることは、みなさんご存じだと思います。腸内環境とは密接に関与していると考えられ、私も現在研究中です。アレルギー疾患をもつ日本人は増えていますから、何とかして早く腸内環境から解明していきたいと切実に思っています。

 

便移植は研究段階 国内ではできない

――腸内環境を改善するため、日本で便移植はできますか?

内藤 海外ではすでに始まっていて、日本でもいくつかの施設で研究が進められています。ただし、他人の便を移植するわけですから、感染症のリスクについては徹底的に研究されなければなりません。現在は研究段階であり、日本で便移植することはできません。

次回は「食事」に関する質問と回答です。

特集「腸から始める長寿生活」記事一覧はこちら

※Reライフ.netには腸活、腸内環境に関する様々な記事があります。ぜひ、ご覧ください。

  • 内藤裕二
  • 内藤 裕二(ないとう・ゆうじ)

    京都府立医科大学教授(生体免疫栄養学)

    1983年京都府立医科大学卒業、2001年米国ルイジアナ州立大学医学部客員教授,09年京都府立医科大学(消化器内科学)准教授などを経て21年から現職。日本酸化ストレス学会理事長、日本消化器免疫学会理事、日本抗加齢医学会理事、2025大阪・関西万博大阪パピリオンアドバイザー。専門は消化器病学、消化器内視鏡学、抗加齢学、腸内細菌叢。著書に「消化管(おなか)は泣いています」「人生を変える賢い腸のつくり方」など多数。

  • この連載について / 腸活オンラインセミナーQ&A

    腸内細菌に詳しい京都府立医科大学の内藤裕二教授(生体免疫栄養学)が「腸活オンラインセミナー 大腸ケアで免疫力アップ、心と体を若返らせる」で読者会議メンバーからの質問に答えました。生活改善のヒントがあります。

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