<連載> ワクチン接種Q&A

オミクロン株の症状、デルタ株とどう違う? 自宅待機時の注意点は?

疑問・質問「コロナとワクチン」(15)新型コロナ・オミクロン株の特徴とは<下>

2022.02.02

 急拡大する新型コロナウイルスのオミクロン株。感染した際の症状は、デルタ株と異なります。どこがどう違うのでしょうか。また、自宅待機時に注意すべき点はなんでしょう。

 【感染力、感染速度、潜伏期間、変異との関係は/オミクロン株の特徴(上)】はこちら
 【重症化リスク、病原性、高齢者への影響は/オミクロン株の特徴(中)】はこちら

マスク姿の老若男女

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◆デルタ株との違い:のどの痛みと嗅覚障害・味覚障害

Q1: オミクロン株に感染した際にはどのような症状が出るのでしょうか?

A:従来のウイルスと同様、咳や頭痛、疲労感、鼻水、発熱といった症状が多くみられます。症状のうち、オミクロン株とデルタ株で違いが大きいのは、のどの痛みと嗅覚障害や味覚障害です。

 オックスフォード大学などが英国の新型コロナウイルス感染症サーベイのデータを解析した報告によると、ワクチンを打った回数にかかわらず、症状として多くみられるのはせきや頭痛、疲労感、のどの痛みです。ワクチンを打った人に多くみられるのは鼻水です。日本の症例でも、発熱の症状が最も多く、せきや頭痛、全身の倦怠感が続きます。 

オミクロン感染時の症状

 デルタ株との違いはなにか。英国の健康安全保障庁の報告書によると、オミクロン株に感染した約18万2000人とデルタ株に感染した約8万8000人の比較では、オミクロン株ではのどの痛みを訴える人が約53%いたのに対しデルタ株では34%と、オミクロン株でのどの痛みの出る割合は約1.9倍高くなっていました。

 一方、嗅覚障害や味覚障害が出る人はオミクロン株13%、デルタ株34%で、オミクロン株の方が5分の1近く少なくなっていました。このほか、疲労感はオミクロン株でもデルタ株でもほぼ同じぐらいみられました。また、発熱やせきは、若干、オミクロン株の方が多くみられました。

オミクロンとデルタの感染時症状

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◆家庭内感染を防ぐ:外出時マスク、手洗い、換気の徹底

Q2: オミクロン株は、家庭内感染も多いようですが、家庭内での感染を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

A: 自宅でも自分の部屋以外ではマスクをし、家族同士距離を取り、食事中もおしゃべりをしない、という生活は、あまり現実的ではありません。一番大切なのは、家庭内にウイルスを持ち込まないことです。ウイルスが流行している時期には飲み会やパーティ、大きな声を出す行事などに参加しないことに加え、3密を避け、外出する際にはきちんとマスクをし、帰宅したら何かに触る前にまずしっかり石鹸で手洗いをする、という基本的な感染予防対策をしっかり取りましょう。また、自宅の換気はよくしましょう。

 その上で、重い病気を抱えた家族がいたり、持病を持つ高齢者がいたりする場合には、食事を別々にする、一緒にいる時はマスクをする、といった、必要に応じた対策を取りましょう。自宅療養中の注意点は、「新型コロナで自宅療養、症状悪化どうチェック?」で詳しく紹介しています。ご参照ください。

自宅待機の注意点
厚生労働省の資料から

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◆高齢者は「フレイル」にも目配り必要

Q3: 高齢者はどんな点に気をつければいいのでしょうか?

A: ワクチンの効果を回復させるための追加接種(ブースター接種)により、重症化を防ぐだけでなく、感染や発症を防ぐ効果も回復することが、欧米やイスラエルなどからの報告でわかっています。接種できる人はなるべく早く打った方がいいでしょう。また、高齢者と同居している家族は、家庭にウイルスをもちこまないよう、感染しやすい行動を控えるといった配慮をしましょう。

オミクロンとデルタの重症化率

 高齢者は重症化リスクが高いのは事実ですが、一方で、極端に外出を控え、友人や知人との交流も減らし、しかも自宅でも体を動かさないと、筋力が低下したり、関節の可動域が狭くなったり、活動性が下がったりして、「フレイル」と呼ばれる、全般的な健康状態が虚弱化する状態に陥るおそれがあります。ですから、人混みを避けて散歩したり、家の中や庭でできる体操をしたり、家事や家庭菜園などで体を動かしたり、家庭内ではなるべく座っている時間を減らす、といった点にも配慮が必要です。

 高齢者が健康を維持するための取り組みについては、下記のサイト(https://kayoinoba.mhlw.go.jp/)が紹介しています。

高齢者の健康維持情報サイト

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◆「密閉」「密集」「密接」しない

Q4: オミクロンに特化した、有効な予防対策はありますか?

A: ありません。基本的な予防対策は、オミクロン株も他の新型コロナウイルスも同じです。繰り返しになりますが、3密を避ける、つまり換気の悪い密閉空間や、多くの人が密集している密集場所、互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる密接場面を避けることが大切です。加えて、屋内で他の人がいる場所に行く際にはマスクをきちんと付ける、手洗いをしっかりすることも大切です。また、ワクチンも重要です。

3密防止のためのポスター
厚労省の資料から

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Q5: 感染予防という観点から、外出時にとくに気をつけた方がいいのはどういった点ですか?

A: 繰り返しになりますが、流行している地域では、飲み会やパーティ、大声を出すような行事・イベントへの参加を控える、それ以外の機会でも3密を避ける、他の人のいる場所、とくに屋内に出かける時にはマスクをきちんとつける、帰宅したら石鹸でしっかり手洗いをする、といった点です。

感染拡大防止ポイント
厚労省の資料から

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◆「人数制限」で「密」の状況をつくらない

Q6: 政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長が「ステイホームは必要ない」と発言していました。これはどういう意味でしょうか?

A: 「ステイホーム」は必要ないというのには二つの意味があります。
 ひとつは、上記のように、高齢者が感染を恐れるあまり、自宅に閉じこもって、活動量が極端に減ってしまうと、フレイルに陥ってしまうので、そうならない程度に、適度な散歩などの外出はしても構わない、という意味です。
 もう一つは、感染しやすい場所としにくい場所がわかってきたので、感染対策と並行して経済活動も継続していくという意味では、感染しにくい場所に行くことまで控える必要はないということです。

 具体的には、通常よりも観客数を減らし、かつ観客が大きな声を出さないという前提で、コンサートやスポーツ観戦では感染は増えないとわかってきましたので、そういったイベントなら、出かけても比較的感染するリスクは低いので、出かけても大丈夫だろう、ということです。ただし、個人によって、重症化リスクは異なります。持病があったり、肥満だったりして、重症化リスクが高い人は、より慎重に行動した方がいいと考えられます。

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クラスターの推移

Q7: 尾身会長は、対策の重点を「人流抑制」から「人数制限」へ移行するべき、とも発言していました。これはどういう意味でしょうか?

A: 上記の回答とも重なりますが、単に人が出歩くだけで、感染が増えるわけではない、ということがわかってきました。感染リスクが高いのは、閉じた空間の中に、大勢の人がいるような場所です。ですから、あらゆる人の動きを制限するのではなく、「密」になるような状況を作らない、つまり人数を制限することがより大切になる、という意味です。

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 新型コロナウイルスやコロナワクチンに関するReライフ読者会議メンバーの疑問や質問に、新型コロナ関連の著書がある科学医療ジャーナリストの大岩ゆりさんが、専門家・研究者らに取材・解説します。次回は、「ブースター接種」ともいわれる3回目のワクチン接種について、その効果、気をつけたいことなどを紹介します。

※Reライフプロジェクトでは、読者会議メンバーの皆さんを対象に「ポストコロナ(コロナ後)」の健康管理に関するアンケートを実施中です。ぜひ、ご参加ください。
「ポストコロナ」の健康管理、どうする? 何に気をつけたいですか?

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  • 大岩 ゆり
  • 大岩 ゆり(おおいわ・ゆり)

    科学医療ジャーナリスト・翻訳家

    朝日新聞社科学医療部専門記者(医療担当)などとして医療と生命科学を中心に取材・執筆し、2020年4月からフリーランスに。同社在籍中には英オックスフォード大学客員研究員や京都大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師を兼任。主な著書に『最後の砦となれ~新型コロナから災害医療へ』、主な訳書にエリック・カンデル著『芸術・無意識・脳』(共訳)がある。

  • この連載について / ワクチン接種Q&A

    高齢者を対象にした新型コロナワクチンの4回目接種が本格化しています。感染・重症化予防の有効性は? 副反応への対処の仕方は? 今後のスケジュールは? 読者の疑問・質問に答えます。

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