<連載> べんの博士のウンチ講座

第1回 健康なウンチ 80%は水分で水に浮く!

いま知りたい! 腸活のための基礎知識 /「ウンチは何でできている」

2022.03.04

 わたしたちの腸内環境は、ライフスタイルや、その人が置かれた環境によって一人ひとり違います。近年の研究で、腸内にすむ細菌が、生活習慣病やアレルギー、精神疾患と、様々な病気に関係していることが明らかになりつつあります。腸内にすてきな環境を作ることは、健康の第一歩です。ウンチ博士として知られる一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長の辨野義己博士が、エキサイティングなウンチと腸の世界を紹介します。

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べんの博士のウンチ講座

ウンチの量は1日200~300グラム

 まずは「ウンチ」のお話をしましょう。

 口に入れた食べ物は食道を通って胃で分解されます。その後、十二指腸、小腸でほぼ消化され、栄養分が吸収されます。その後、大腸へと運ばれます。大腸では水分とミネラルが吸収され、残ったものがウンチとなって排出されます。その量は1日200グラム~300グラム程度とされています。

 ウンチの成分は、ほぼ80%が水分です。健康なウンチは水分の量が多いので、つるんと出ます。ころころしていたり、硬くなっていたりしたら要注意です。

残る20% 食物繊維や腸の粘膜、腸内細菌…

 残る20%は固形物です。固形物といっても、その内容は様々です。まず3分の1は、いわゆる食べかすです。胃や小腸などで消化・吸収されなかった食物繊維などです。キノコや海藻は食物繊維が豊富で、よくかまないとそのまま排出されることもありますよね。

 残る固形物は、腸内細菌と、はがれ落ちた腸の粘液や粘膜、すい液や胆汁などの消化液です。人間の大腸には重さにして1.5キロもの腸内細菌がすんでいます。ウンチの中には、細菌そのものが入っているんですね。1グラムのウンチにいる腸内細菌は6千億~1兆個といわれています。

 健康なウンチは酸性気味ですが、悪いウンチは悪い腸内細菌の影響で腐敗が進んでややアルカリ性になります。腐敗が進んだウンチは、とても臭くなります。においがきついウンチも、要注意です。

 色も関係しています。良いウンチは、黄色から黄褐色です。これはビフィズス菌など善玉菌といわれる腸内細菌が活発に活動している証拠です。

 もう一つ、健康なウンチは、水に浮きます。食物繊維を十分とっていると、残った繊維の隙間に腸内ガスが入り込み、浮力が生じるからです。

ウンチは健康のバロメーター

 良いウンチの特徴を整理しましょう。

 ①毎日出る。
 ②強く息まずに自然にストーンと出る。
 ③色は黄色から黄色がかった褐色。
 ④バナナ2、3本分の体積。
 ⑤200~300グラム程度の重さ。
 ⑥臭うけれど、きつい臭いではない。
 ⑦バナナ状から練り歯磨き状くらいの固さ。
 ⑧水分量が80%ぐらいで、便器に落ちると水中でぱっとほぐれて水に浮く。

 ウンチは、健康のバロメーターです。水に流す前に、自分のウンチをよく見てください。わかることがいろいろありますよ。

 次回は、ウンチやオナラの臭いのお話です。

辨野博士の本

  • 辨野先生の本
  • 「腸内細菌」が健康寿命を決める
    出版社:集英社インターナショナル

    著者の研究秘話とともに、腸内細菌に関する最新知識を解説。腸内細菌がいかに健康・美容と深くかかわっているのか、理想のウンチの作り方から研究の最前線まで、楽しみながら健康知識をウンと高められるオモシロウンチエッセイ!

  • 辨野義己
  • 辨野 義己(べんの・よしみ)

    一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長 国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員

    1948年、大阪生まれ。酪農学園大学獣医学科卒、東京農工大学大学院獣医学専攻をへて理化学研究所へ。同研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室長、同研究所辨野特別研究室特別招聘研究員などを歴任して現職。半世紀にわたって腸内環境学・微生物分類学の研究に取り組んでいる。「『腸内細菌』が健康寿命を決める」(集英社インターナショナル)、「大便力」(朝日新聞出版)、「大便革命」(幻冬舎新書)、「長寿菌まで育てる最高の腸活」(宝島社)など著書多数。

  • この連載について / べんの博士のウンチ講座

    腸内にすてきな環境を作ることは、健康の第一歩です。ウンチ博士として知られる一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長の辨野義己博士が、エキサイティングなウンチと腸の世界を紹介します。

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