<連載> べんの博士のウンチ講座

第2回 腸内の「腐敗菌」が臭いをつくる 臭いオナラは病気を疑え

いま知りたい! 腸活のための基礎知識 /「ウンチとオナラ なぜ臭い」

2022.03.11

 鼻をつまみたくなるような臭いウンチやオナラの経験はありますか。おしりから出てくる排泄物は、なぜ臭いのでしょうか。ウンチ博士として知られる一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長の辨野義己博士が、エキサイティングなウンチと腸の世界を紹介します。

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べんの博士のウンチ講座

においの原因 肉食・飲酒・腸の老化・・・

 毎日コンピューターの前に座って運動不足、ストレスがたまって、タバコを吸う。食事といえば、高カロリーのスタミナ食。食事は簡単に、短時間、しかも食べる時間は一定していない……。ある製薬会社の調査によると、家族の中で最もトイレの後が臭いのは、「中高年の男性」との結果が出ています。オヤジ世代の80%の男性が、家族から「トイレの後が臭い」といわれると答えているのです。「オヤジは臭い」というけれど、本当に臭かったのです。

 わたしは現在、野菜の多い食生活ですが、23年前までは肉食が中心でした。家族からトイレの後は臭いといわれ、わたしの後には誰も入れませんでした。酒を飲んで、肉を食べて帰ってきた後など、しかもニンニクでも入っていようものなら、自分でも我慢しきれなかったのです。若いときに40日間肉だけを食べる実験をしましたが、このときのウンチの臭いは、それはもうひどいものでした。

 ウンチの臭さの原因は、腸内の腐敗菌と呼ばれる細菌です。こうした細菌は、腸内に滞留する食物などに作用して、アンモニアやインドール、スカトールといった有害物質を発生させ、これが臭いの原因になるのです。

腹圧腹筋の弱まりも一因に

 オナラの臭さも同じです。食物を腸内細菌が分解するとき、発生したガスが体外に出たのがオナラです。成分の90%は、窒素や水素ガス、メタンガス、二酸化炭素など無臭性のものですが、残り10%がメタンガスや様々な微量ガスです。ウンチの臭いとオナラの臭いは比例関係にあります。臭くなる原因は、腸内で悪玉菌が優勢になり、有害物質を作り出しているからなのです。

 年齢を重ねると腸も老化します。腸の動きは老化すると鈍くなり、腹圧腹筋が弱くなると、腸管運動にも大きな影響を与え、善玉菌が減り、腐敗菌が増えてしまいます。その結果、腸内で腐敗物質がどんどんつくられてしまうのです。

 年を重ねるにつれ、ウンチの臭いはきつくなり、出るウンチの量も少なくなってきます。「老人性さい便」といわれるヒョロヒョロした便になるのです。排便後も残存感があり、すっきりしないことありませんか。

 「腸の老化は、加齢とともにやってくる」と思われていましたが、現在、若い人の腸の老化が問題になっています。働き盛りのサラリーマンのウンチの臭さ、そして、実年齢と腸年齢が反比例している現実は、生き物としての危険信号なのかもしれません。

 オナラが臭ければ病気を疑え。きつい臭いは不健康のサインです。

 次回は便秘の話です。

辨野博士の本

  • 辨野先生の本

  • 「腸内細菌」が健康寿命を決める
    出版社:集英社インターナショナル

    著者の研究秘話とともに、腸内細菌に関する最新知識を解説。腸内細菌がいかに健康・美容と深くかかわっているのか、理想のウンチの作り方から研究の最前線まで、楽しみながら健康知識をウンと高められるオモシロウンチエッセイ!

  • 辨野義己
  • 辨野 義己(べんの・よしみ)

    一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長 国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員

    1948年、大阪生まれ。酪農学園大学獣医学科卒、東京農工大学大学院獣医学専攻をへて理化学研究所へ。同研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室長、同研究所辨野特別研究室特別招聘研究員などを歴任して現職。半世紀にわたって腸内環境学・微生物分類学の研究に取り組んでいる。「『腸内細菌』が健康寿命を決める」(集英社インターナショナル)、「大便力」(朝日新聞出版)、「大便革命」(幻冬舎新書)、「長寿菌まで育てる最高の腸活」(宝島社)など著書多数。

  • この連載について / べんの博士のウンチ講座

    腸内にすてきな環境を作ることは、健康の第一歩です。ウンチ博士として知られる一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長の辨野義己博士が、エキサイティングなウンチと腸の世界を紹介します。

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