<連載> べんの博士のウンチ講座

第3回 3日以上排便がなければ「便秘」です 肌にも影響?

いま知りたい! 腸活のための基礎知識 /「なぜ便秘になるのでしょう」

2022.03.18

 ウンチが出ないことを便秘といいます。悩んでいる人はとても多くいます。便秘には様々な種類があります。さて、どんな種類があり、そのメカニズムは。ウンチ博士として知られる一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長の辨野義己博士が、エキサイティングなウンチと腸の世界を紹介します。腸内にすてきな環境を作ることは、健康の第一歩です。

べんの博士のウンチ講座

通常は食べて16~24時間で排便

 食べ物は口にしてから16~24時間でウンチとなって出てきます。24時間以上かかるのは便秘傾向で、72時間かかると便秘といわれます。便秘にはいくつかの定義がありますが、日本内科学会は「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と定義しています。

 男女問わず便秘の症状がある人はいますが、調査によると、若い女性にその傾向が強くあります。便秘で悩んでいる女性は2人に1人の割合だそうです。

原因は様々 ストレス・ダイエットもきっかけに

 ところで、便秘にはさまざまな種類があることをご存じでしょうか。

 朝なかなか起きられずトイレに行く時間がないため、平日は出さずに、週末に下剤を飲んで一週間まとめ出しをする「週末トイレ症候群」。

 ストレスのため便秘になり、1日に浣腸(かんちょう)を5、6回使わないと出ないほどの「ストレス性便秘」というものがあります。

 ウンチのもとにならないパンやお菓子などしか食べないために、出すものがないために起きる便秘もあります。

 子どもたちにも4~5日に1度、ウンチをちびちび漏らす「遺糞症」といわれる便秘が多くなってきています。

 とりわけ女性の場合、中学・高校のころから、朝食を抜き、ミニスカートで体を冷やしていると、便意をもよおさなくなります。

 また「恥ずかしくてトイレに行けない」「行くと馬鹿にされる」という社会的な側面も、排便を我慢させる一因となっています。

 また、若い人ほど運動不足で、腹筋・背筋が弱く、ウンチを排出する力がないのが現状です。

ふきでもの 便秘が影響している可能性も

 最後に便秘薬について解説します。便秘薬は大腸の水の吸収を阻害し、水分含量を十分に維持して便を出させます。いわゆる下痢状態を作ることで、腸管運動を活発化させるのです。

 運動不足や老化で腸管のぜん動運動が弱くなり、ウンチを押し出すことができない人を対象に、腸管に刺激を与える薬もあります。この種の便秘薬は、神経系統にも働くため、飲み続けるとまひして効かなくなってきます。すると、ますます強い薬を飲み、腸管の運動を低下させてしまうことになります。

 ウンチがうまく出せなくなると、大腸内の腐敗菌が有害物質を産生し、それが大腸壁から吸収されて全身の血中にめぐります。その結果、皮膚に常在する菌の活性を高めてしまいます。吹き出物が出やすく、顔色も黒ずんでつやがなくなります。

 大腸内にガスがたまり、有害物質ができて体に悪い影響を与えるとともに、ますます、便秘がひどくなるという悪循環に陥るようになります。

 便秘薬には即効性がありますが、薬によって便秘を解消させる選択は、大きな誤りといえます。

 食生活で自分の便秘を解消する、あるいは、少しは軽減させる努力をしないと、便秘を促進する結果となります。便秘薬や便秘予防薬に慣れてしまうと、便秘はますますひどくなり、薬が効かなくなることを知ってください。

 次回は便秘解消とヨーグルトの関係です。

辨野博士の本

  • 辨野先生の本
  • 「腸内細菌」が健康寿命を決める
    出版社:集英社インターナショナル

    著者の研究秘話とともに、腸内細菌に関する最新知識を解説。腸内細菌がいかに健康・美容と深くかかわっているのか、理想のウンチの作り方から研究の最前線まで、楽しみながら健康知識をウンと高められるオモシロウンチエッセイ!

  • 辨野義己
  • 辨野 義己(べんの・よしみ)

    一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長 国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員

    1948年、大阪生まれ。酪農学園大学獣医学科卒、東京農工大学大学院獣医学専攻をへて理化学研究所へ。同研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室長、同研究所辨野特別研究室特別招聘研究員などを歴任して現職。半世紀にわたって腸内環境学・微生物分類学の研究に取り組んでいる。「『腸内細菌』が健康寿命を決める」(集英社インターナショナル)、「大便力」(朝日新聞出版)、「大便革命」(幻冬舎新書)、「長寿菌まで育てる最高の腸活」(宝島社)など著書多数。

  • この連載について / べんの博士のウンチ講座

    腸内にすてきな環境を作ることは、健康の第一歩です。ウンチ博士として知られる一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長の辨野義己博士が、エキサイティングなウンチと腸の世界を紹介します。

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