<連載> べんの博士のウンチ講座

第6回 ビフィズス菌の減少が、腸老化のサインです

いま知りたい! 腸活のための基礎知識 / あなたの腸は何歳ですか?

2022.04.08

 年齢を重ねると、腸も老化します。生理的な老化が、腸の中の老廃物を出す力(腸管運動)を弱らせ、有害な腐敗物質がたまりやすくなるのです。その結果、ウンチのにおいはきつくなり、出る量も減り、ひょろひょろした細いウンチになります。排便後も残存感があり、すっきりしない。腸の老化は大きな問題です。ウンチ博士として知られる一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長の辨野義己博士が、エキサイティングなウンチと腸の世界を紹介します。

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べんの博士のウンチ講座

 加齢に伴って腸内細菌の状態も変わってきます。一般な成人の腸内細菌で培養可能な菌のうち、20%がビフィズス菌などの「善玉菌」、10%は大腸菌やクロストリジウム属などの「悪玉菌」で、残りが善玉菌としても悪玉菌としても働く可能性を持つ「日和見菌」です。それが、加齢によりバランスが崩れ、善玉菌が急激に減り、悪玉菌が増加していきます。

 このように腸管運動が鈍くなること、腸内細菌のうち、ビフィズス菌が減少・消失する変化を「腸年齢の老化」と呼びますが、これによりさまざまな生理機能が低下し、腸内でつくられた有害物質が腸管から吸収され、老化がさらに加速するという悪循環が生まれています。

 まずは「腸年齢チェックシート」を使い、あなたの腸年齢の老化度を測定してみましょう。該当する項目をチェックしてみてください。

表1

 腸年齢の老化を、ウンチの提供者56人を対象にこの「腸年齢チェックシート」を使って調べたところ、若ければ若いほど腸年齢と実年齢に開きがあることが判明しました。

表2

 この結果からわかるのは、若い人の中には実年齢より腸年齢が高い人がいるということです。腸年齢が上がると腸内環境が悪化し、善玉菌の代表であるビフィズス菌なども減ってしまいます。食生活の問題や不規則な生活など原因はいろいろ考えられますが、若者の腸年齢の高齢化は生物としての危険信号といえるのではないでしょうか。

 次回は大腸と病気の関係の話です。

辨野博士の本

  • 辨野先生の本
  • 「腸内細菌」が健康寿命を決める
    出版社:集英社インターナショナル

    著者の研究秘話とともに、腸内細菌に関する最新知識を解説。腸内細菌がいかに健康・美容と深くかかわっているのか、理想のウンチの作り方から研究の最前線まで、楽しみながら健康知識をウンと高められるオモシロウンチエッセイ!

  • 辨野義己
  • 辨野 義己(べんの・よしみ)

    一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長 国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員

    1948年、大阪生まれ。酪農学園大学獣医学科卒、東京農工大学大学院獣医学専攻をへて理化学研究所へ。同研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室長、同研究所辨野特別研究室特別招聘研究員などを歴任して現職。半世紀にわたって腸内環境学・微生物分類学の研究に取り組んでいる。「『腸内細菌』が健康寿命を決める」(集英社インターナショナル)、「大便力」(朝日新聞出版)、「大便革命」(幻冬舎新書)、「長寿菌まで育てる最高の腸活」(宝島社)など著書多数。

  • この連載について / べんの博士のウンチ講座

    腸内にすてきな環境を作ることは、健康の第一歩です。ウンチ博士として知られる一般財団法人辨野腸内フローラ研究所理事長の辨野義己博士が、エキサイティングなウンチと腸の世界を紹介します。

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