老化はあなた自身でコントロールできる 前向き思考、若いと思う気持ちも重要

Reライフフェスティバルでセミナー開催 日本抗加齢医学会理事長の山田秀和さんが話す

2022.03.16

 「朝日新聞Reライフフェスティバル2022春」では、セミナー「老化はコントロールできる時代に――『見た目』から開く健康の扉」(日本抗加齢医学会共催)も配信されました。同学会理事長の山田秀和・近畿大学アンチエイジングセンター教授(皮膚科)が、外見的な若々しさと心身の老化には相関関係があることを解説しました。4月11日まで見逃し配信をしており、無料で視聴できます。

【老化はコントロールできる時代に――「見た目」から開く健康の扉】見逃し配信中

山田秀和さん
日本抗加齢医学会理事長の山田秀和さん=伊藤菜々子撮影

外見的な若々しさと心身の老化には相関関係がある

 ニュージーランド・ダニーデンにおける老化の研究は、同じ年齢の住民約千人を45年以上観察している。彼らが45歳の時に脳の萎縮度などを調べ、脳年齢を計算したところ、脳の老化が最も進んでいるとされた10人は、脳年齢が平均より3.79歳上であり、第三者や本人の評価による顔の見た目の年齢も平均より4.32歳上だった。医学誌「ネイチャー・エイジング」に2021年に発表された。

 この研究では、免疫や循環器、呼吸器、腎臓など計19種類を調べている。それらを総合した老化の進み具合と、外見的な顔の老化にも相関関係があった。

ダニーデン研究の写真 見た目の若い人・平均的な人・老いた人

 09年に英医学誌に公表されたデンマークの双子約1800人の研究も知られている。双子のうち年上に見える人の方が先に亡くなる傾向があり、見た目と生存率に関係があることが明らかになった。

 山田さんは「見た目は見た目にとどまらず、体全体を表している。内的老化と外的老化はつながっているのです」と説明した。

たるみの原因の一つは頭蓋骨の萎縮 美容はまず骨粗鬆症の予防から

 シワやたるみも、体の内と外に原因がある。きめの乱れや小ジワは、紫外線や皮膚の乾燥といった外的な要因に加え、食事や喫煙といった生活習慣の影響で起こる。

 大ジワやたるみの大きな原因は、頭蓋骨の骨粗鬆症による萎縮だ。内部の骨が小さくなり、骨を覆う皮膚が余る。「美容はまず骨粗鬆症の予防から、と言っています」と山田さん。若い頃から骨量を減らさない食事や運動を習慣づけることが望ましいという。

運動、食事、精神、環境……多方面の取り組みが効果的

 遺伝情報が共通する一卵性双生児でも寿命が異なることなどから、老化の進み具合は遺伝的要因が2~3割で、7~8割は生活習慣も含めた環境要因とわかっている。

図 アンチエイジングの手法

 そこで重要なのは、生活習慣病などの病気の予防。運動や栄養など、多方面の取り組みが効果的だ。有酸素運動や筋トレ、腹八分目の食事、過不足のない睡眠、紫外線への注意などに加え、「ポジティブシンキング」と呼ばれる前向きな気持ちも効果があると考えられている。

図 養生のさまざまな方法・要因

 山田さんは「あなたの未来(老化のスピード)は、あなた自身がコントロールできます」「自分は若いと思う気持ち自体が健康寿命を保つと分かってきています。若くいたい、と思うことが重要なんですよ」と強調した。

  • 山田秀和先生
  • 山田秀和さん(やまだ・ひでかず)
    日本抗加齢医学会理事長・近畿大学アンチエイジングセンター教授・近畿大学医学部奈良病院皮膚科教授

    1981年近畿大学医学部卒業。専門は皮膚科学(免疫・アレルギー疾患)、抗加齢医学。オーストリア政府給費生としてウイーン大学や米国国立衛生研究所で学ぶ。2007年から近畿大学アンチエイジングセンターで、医学、薬学、農学、運動に関する共同研究をしている。現在は「見た目」の研究から、遺伝子の働きを制御するエピジェネティクスの仕組みの究明にも力を入れている。2025年大阪・関西万博の大阪パビリオン推進委員会委員・ヘルスケア先端予防医療ディレクターも務める。

セミナーは見逃し配信中です。ぜひご覧ください。

 朝日新聞Reライフフェスティバル2022春『老化はコントロールできる時代に――「見た目」から開く健康の扉』

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