<連載> ワクチン接種Q&A

コロナワクチン 5~11歳の子どもにも打つべき? 効果は? 副反応は?

疑問・質問「コロナとワクチン」(17)大人向けとどう違う 接種が望ましい子どもたちとは

2022.03.23

 5~11歳の子どもに対しても新型コロナのワクチン接種が始まっています。どのようなワクチンを、どこで接種できるのか。どんな効果が期待され、気がかりな副反応はなにか。とくに接種が望ましいとされるのは、どんな子どもたちでしょうか。Q&Aにまとめました。

 関連記事:「子どもに打っても大丈夫? 気をつけたい副反応は?」はこちら

新規陽性者・年代別割合の推移

【質問一覧】

◆米ファイザー社製を接種、量は12歳以上の3分の1

Q1: 5~11歳の子どもに対してもワクチン接種が始まっています。どんなワクチンを、どこで接種しているのでしょうか?

A:接種するのは米ファイザー社製のワクチンで、接種する量は12歳以上の3分の1です。12歳以上と同様、3週間の間隔を開け、2回接種します。原則として接種は、住んでいる自治体にある会場で受けます。集団接種会場だけでなく、小児科クリニックでも接種を受けられるところがあります。

 5~11歳には、ワクチンの有効成分であるm(メッセンジャー)RNAの量が12歳以上のワクチンの3分の1、10マイクログラム含まれる注射製剤を打ちます。製剤の濃度は12歳以上の半分です。1回目の接種後に12歳になっても、2回目は1回目同様、5~11歳用のワクチンを打ちます。 
 ワクチンの仕組みやmRNAワクチンの特徴は、連載「ワクチンを知ろう」の1回目「そもそもワクチンとは」で、製剤の濃度と効果の関係は、連載「ワクチンQ&A」の8回目「ワクチン接種量の決め方は」で、それぞれ解説しています。ご参照ください。

 接種会場は、厚生労働省の下記のサイト「コロナワクチンナビ」内の「接種会場を探す」で市町村を選択し、ワクチンメーカーの欄で「ファイザー(5-11歳)」を選んで検索すると、5~11歳の接種できる会場が表示されます。かかりつけの患者のみ接種できるクリニックもありますので、予約の条件を確認して下さい。

小児向け接種会場の探し方

※コロナワクチンナビ:https://v-sys.mhlw.go.jp/

【質問一覧へ戻る】

◆発熱や頭痛など、発生頻度は12歳以上より少なめ

Q2: 5~11歳の子どもにワクチンを接種しても安全ですか?どのような副反応が起こるのですか?

A: 発生頻度が高い副反応は12歳以上と同じで、打った部位の痛みや疲労感(だるさ)、頭痛、発熱などです。ほとんどが軽症か中等症で、厚生労働省は「安全性に重大な懸念は認められていない」としています。

 非常に稀に起こる副反応としては、心筋炎や心膜炎が報告されています。また、新型コロナウイルス以外のワクチンと同様、稀に重いアレルギー反応、アナフィラキシーが起こることもあります。小さな子どもは自分の症状をうまく言葉で表現できない場合がありますので、周囲の成人が、ふだんと様子が異ならないか注意深く観察することが大切です。

 厚労省によると、ファイザーの臨床試験(治験)や米国での接種実績などから、1回目、2回目を問わずに接種後、50%以上の5~11歳に起きた副反応は接種部位の痛みと疲労感、10~50%に起きたのは頭痛や接種部位の腫れ、筋肉痛、悪寒でした。

5-11歳のワクチン副反応

 また、米疾病対策センター(CDC)によると、接種した部位の局所反応は、5~11歳も他の年代とほぼ同じ発生頻度だったのに対し、疲労感や頭痛、筋肉痛などの全身反応は、他の年代よりもやや発生頻度が低い傾向がみられたそうです。ただしこれは、自分の症状をうまく表現できないことが影響している可能性もあります。

5-11歳のワクチン局所副反応
ワクチンの全身反応の頻度

 米CDCが接種後の副反応報告から推計したところ、5~11歳の男性が、接種後7日以内に心筋炎や心膜炎を起こす発生頻度は、2回目接種後に100万回接種あたり4.3回でした。これは、ワクチンを打たない場合よりも高い発生頻度ですが、12歳以上の男性のワクチン接種後より低い発生頻度です。女性は、ワクチンを打たない場合と同等の発生頻度でした。

心筋炎の発症頻度

 米CDCや厚労省によると、心筋炎や心膜炎が起きても軽症の場合が大半です。厚労省は「心筋炎や心膜炎のリスクがあるとしても、ワクチン接種のメリットの方が大きい」としています。

【質問一覧へ戻る】

◆米国での臨床試験では、発症予防効果90%

Q3: 5~11歳の子どもは感染してもあまり重症化しないと聞いています。この年代の子どもにワクチンを接種して、どのような効果が期待できるのでしょうか?

A: ファイザー社が米国などで実施した5~11歳の子ども約2300人を対象にした臨床試験では、2回目の接種後、症状が出るのを防ぐ効果が90.7%ありました。ただしこれは、オミクロン株が流行する前に実施された臨床試験で、オミクロン株への効果はわかりません。他の年代に比べると重症化する頻度は低いものの、重症化する人がゼロというわけではありません。とくに、基礎疾患(持病)のある子どもは、無い子どもよりも重症化リスクが高いので、接種により重症化を防ぐ効果が期待できます。

 厚労省によると、3月15日現在、10歳未満の子どもの死亡は3人です。入院している10歳未満は3万5449人と、全年代でもっとも多くいます。そのうち厚労省が確認した重症者は7人です。重症化率は低いですが、わずかながらも重症化する人はいます。新規陽性者に占める10代以下の割合は、今年に入ってから上昇し、3月半ばの段階で新規陽性者全体の約4割に達しています。小児科の専門医らが作る日本小児科学会は、5~11歳の子どもへのワクチン接種は「意義がある」と評価しています。

新規陽性者の年代別割合

 新潟県医師会は、インフルエンザや水痘(みずぼうそう)も、多くの子どもは軽症ですむものの、一部の子どもが重症化するので、その重症化を防ぐためにワクチンを打っているという現状を指摘した上で、「現在、ワクチン接種だけが、子どもたちを新型コロナウイルスから積極的に守る唯一の有効な手段です」としています。そして、ワクチンには、子ども自身を守るという効果に加え、家族や友だちなど周囲の人への感染を減らす効果や、幼稚園・保育園・学校などにおける、継続した教育の機会を確保する効果も期待できると説明しています。

【質問一覧へ戻る】

◆重症化リスク高いのは基礎疾患・高度に肥満の子

Q4: とくにワクチンを打った方がいいのはどのような子どもですか?

A:重症化リスクの高い、基礎疾患を持っていたり、高度に肥満の子どもらです。慢性の呼吸器疾患、⼼臓疾患、神経疾患、腎疾患、肝疾患、糖尿病などの基礎疾患があるお⼦さんや、病気や治療によって免疫抑制状態にあるお⼦さんなどは新型コロナウイルスに感染した場合に重症化しやすいと考えられています。

 ただし、持病の状態によっては、副反応による発熱などが体調を悪化させる恐れもあります。基礎疾患がある場合、かかりつけの医師とよく相談して下さい。日本小児科学会が公表した、とくにワクチン接種にあたり考慮が必要な疾患について、新潟県医師会が下記にわかりやすくまとめています。

※5-11 歳の新型コロナワクチンについて(新潟県医師会)7~8ページ:
http://www.niigata.med.or.jp/file/vaccine_child3_2022022.pdf

考慮すべき基礎疾患1
考慮すべき基礎疾患2

【質問一覧へ戻る】

Q5: 接種時に必要なものはありますか?

A: 保護者の同伴が必要です。自治体から送られてきた接種券や、本人確認のための健康保険証などの書類、小学生未満の子どもの場合は母子健康手帳も持参して下さい。

【質問一覧へ戻る】

 新型コロナウイルスやコロナワクチンに関するReライフ読者会議メンバーの疑問や質問に、新型コロナ関連の著書がある科学医療ジャーナリストの大岩ゆりさんが、専門家・研究者らに取材・解説します。

<新型コロナとワクチン関連記事>

  • 大岩 ゆり
  • 大岩 ゆり(おおいわ・ゆり)

    科学医療ジャーナリスト・翻訳家

    朝日新聞社科学医療部専門記者(医療担当)などとして医療と生命科学を中心に取材・執筆し、2020年4月からフリーランスに。同社在籍中には英オックスフォード大学客員研究員や京都大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師を兼任。主な著書に『最後の砦となれ~新型コロナから災害医療へ』、主な訳書にエリック・カンデル著『芸術・無意識・脳』(共訳)がある。

  • この連載について / ワクチン接種Q&A

    高齢者を対象にした新型コロナワクチンの4回目接種が本格化しています。感染・重症化予防の有効性は? 副反応への対処の仕方は? 今後のスケジュールは? 読者の疑問・質問に答えます。

関連記事

あわせて読みたい

おすすめ記事

PAGE TOP