<連載> アンチエイジング最前線

見た目の若々しさに関心8割以上 5割以上の人が実年齢より5歳以上若く見られたい

アンチエイジングの最前線――人生120年時代へ 番外編「見た目と健康についてのアンケート」結果

2022.04.04

 人はなぜ老いるのか――。その謎が近年、解き明かされつつあります。アンチエイジングの研究は、老化の原因を解明し、健康に過ごせる寿命を延ばすにはどうすればいいのかを探求しています。連載では、研究の最前線や、研究に基づいた、日常生活で取り組める具体的な方法を紹介します。

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花見でシャンパンを飲む老夫妻

 最近の研究で、見た目が若い人の方が長生きするとわかってきています。今年2月に朝日新聞Reライフプロジェクトが実施したアンケートでは、美容や見た目に関心がある人が8割を超えました。7割以上の人が「実年齢よりも若く見られたい」と考え、5歳以上若く見られたいと思っている人が5割以上を占めました。外見の老化のスピードを抑えるには、気持ちの持ちようが大切だという意見も多数寄せられました。多くの方が見た目の若々しさと健康や内面がつながっていると考え、日々を前向きに過ごそうとしている様子が伝わってきました。

「朝日新聞Reライフフェスティバル2022春」のセミナー「老化はコントロールできる時代に――『見た目』から開く健康の扉」 4月11日まで見逃し配信中

 アンケートは読者会議メンバーを対象に実施し、見た目をどう考え、見た目の若々しさへの対策として何を実践しているか、白髪への対応、アンチエイジングの効果などについて聞きました。

気になるのは顔のしわやたるみ、体形、姿勢、髪、気持ちの若々しさ

 美容、見た目、ファッションに関心のある人は回答者の約84%いました。とくに関心のある点を尋ねると(複数回答)、多い順に「顔(しわ、しみ、たるみなど)」「体形」「姿勢」「髪の毛」「気持ちの若々しさ」「肌」という答えでした。

美容・見た目への関心回答
グラフ見た目でとくに関心がある点

関心のない理由のトップは「自然のままがいい」

 約16%の人は見た目やファッションに関心が無いという回答でした。その理由(複数回答)を選んでもらったところ、答えは「自然のままがいい」が最も多く、続いて「ほかのことにより関心がある」「外見は人間性や健康とは関係ない」「余裕がない」と並びました。

グラフ見た目に関心がない理由

7割以上が「実年齢よりも若く見られたい」

  実年齢よりも若く見られたいかどうかという問いに対し、7割以上の人が、見られたいと回答しました。どれぐらい若く見られたいかは、「5~9歳」がもっとも多く、次いで「10歳以上」「1~4歳」でした。合計すると、実年齢よりも5歳以上若く見られたい人が半数以上いました。実年齢相応に見られたい方は約2割でした。

グラフ 実年齢よりも若く見られたいですか

白髪を染めたいと思いますか? 答えはほぼ半々

 加齢に伴う見た目の変化の一つに白髪があります。最近は、白髪を染めずに、グレーヘア楽しむ人が増えています。白髪を染めたいかという問いに対し、染めたいと答えた人は約49%、染めたいと思わないと答えた人は約51%で、ほぼ半々でした。

グラフ 白髪を染めたいと思いますか

 染めたいと答えた人は、その理由(複数回答)として、「グレーヘアだと老いて見える」「身だしなみとして」「染めると若々しい気持ちになる」を順に挙げました。

グラフ白髪を染めたいと思う理由

 染めない理由(複数回答)としてもっとも多かったのは「自然のままがいい」でした。「年を重ねることを隠したくない」と考える人もいました。一方、「染めるのがわずらわしい」「髪が傷みそう」といった、見た目のあり方とは異なる理由から染めない人もいるようです。

グラフ白髪を染めたいと思わない理由

見た目の老化を防ぐためにしていること 「内面を充実させる」「活動的に過ごす」も上位に

 見た目の変化の防止、改善、カバーなどのためにしていることを選んでもらう質問(複数回答)には、運動や睡眠、食事への配慮とともに、「規則正しい生活をする」「勉強したり文化に触れたり内面を充実させる」「日々を活動的に過ごす」「立ち居振る舞いに気をつける」といった回答が上位に並びました。多くの方が、毎日の過ごし方や内面を充実させることが外見の老化防止につながると考えているようです。

グラフ見た目の老化予防にしていること

美容の効果は? トップは「気持ちが前向きになる」

 美容・アンチエイジングの取り組みにどんな効果があるのかという問い(複数回答)に対しても、「気持ちが前向きなる」と、精神的な効果を挙げた人が一番多かったです。次いで、「健康的に見える」「健康寿命を延ばす」「若々しく見せる」と、健康や若々しさへの効果を感じる人が多くいました。また、「身だしなみである」との回答もありました。

グラフ美容・アンチエイジングの効果は

「老化は病」という考え方 肯定65% 否定35%

  生まれてからの年数である「暦年齢」と、実際の身体の老化の程度を表す「生物学的年齢」は異なるとされています。また、専門家の間では最近、生活習慣などによって老化のスピードはコントロールすることができ、老化は加齢に伴う自然現象ではなく、病であるとみなされるようになってきています。そして、将来的には、ある程度は治療できるようになると考えられています。こういった考え方が理解できるかどうかという質問に対し、約65%の人が「理解できる・賛成できる」と答えました。

グラフ 老化は病という考え方への賛否

 この考え方について、自由回答で意見を聞きました。考え方が「理解できる・賛成できる」と答えた方の中には、「慢性胃炎や逆流性食道炎、歯医者でも不具合があると『老化(が原因なので仕方ない)』と言われる。体調が悪いのは治療できたらと思う」と記述した50代の女性のように、老化に伴って生じる現象を治療できるようになることへの期待を寄せる方が大勢いました。

 「見た目と内面の差がどんどん差が開いてきた。仕方ないと思えず、『病』と考えれば『治せる』に結びつき、意欲的になれる」(60代女性)、「年齢より上に見られてしまうのが悩み。治療して治るなら治療したい。医学が進歩してくれることを願います」(40代女性)といった声もありました。 

 一方、「理解できない・賛成できない」と答えた方の中には、「老化は自然なこと。治療するのは不自然」(50代女性)という意見が多くみられました。

老化は治療というより病気の予防・自己管理が重要だと思う 

 3月に開催された「Reライフフェスティバル2022春」のセミナー「老化はコントロールできる時代に――『見た目』から開く健康の扉」(日本抗加齢医学会共催)では、同学会理事長の山田秀和・近畿大学アンチエイジングセンター教授(現・近畿大学客員教授)が、「アンチエイジング医学は予防中心の医学」であり、老化のスピードを遅くするうえで大切なのは「生活習慣病などの病気を個別にではなく横断的に予防すること」だと説明していました。

 アンケートの自由回答でも、「老化は治療と言うよりも予防だと思う」(50代男性)、「(老化を)なるべく遅くしたいと思うので、それなりに努力は必要。治療というより自己管理だと思う」(60代女性)など、予防の重要性を強調するコメントが多数ありました。

「もう年だから」と思わない ライバルは郷ひろみさん 目標は加山雄三さん

 「老化は病である」という考え方に賛成かどうかにかかわらず、気持ちのもちようが大切であると指摘する意見がたくさん寄せられました。回答からは、読者の皆さんが、いかに前向きに過ごしているのかが伝わってきました。

 「『病は気から』というが、老化を『病』と考えるなら、老化はまさしくこれに当たる。ある程度は、気の持ちようでカバーできると信じている。できるだけ『もう年だから』という考えは持たないようにして生活するのが若さを保つ秘訣(ひけつ)だと思う。毎日の生活を生き生きと過ごしていくのが『老い』の病にかからないで元気に生きていく方法」(80代以上の女性)

 「年齢についてどんなイメージを持つかが重要だと聞きました。80歳は『ヨボヨボ』か、『加山雄三さん』か、そのどちらをイメージするかが、『老い』に影響を与えるそうです。だから、ライバルは郷ひろみ、目標は加山雄三、と思って毎日を過ごしています」(60代男性)

心の持ちよう、楽しく生活を送ることが一番重要 

 山田・日本抗加齢医学会理事長も、セミナーの締めくくりで、「心の持ちようも重要。楽しく生活を送るということが、結果的に一番、重要だと思っている」と話していました。

 

 アンケートは読者会議メンバーを対象にReライフプロジェクトのwebサイト「Reライフ.net」で2022年2月4日~27日に実施しました。有効回答は495人(女性約59%、男性約41%)。年代別では、60代がもっとも多く、ついで50代でした。

 (文・大岩ゆり) 

セミナーは見逃し配信しています。ぜひご覧ください。

朝日新聞Reライフフェスティバル2022春『老化はコントロールできる時代に――「見た目」から開く健康の扉』

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  • 大岩 ゆり
  • 大岩 ゆり(おおいわ・ゆり)

    科学医療ジャーナリスト・翻訳家

    朝日新聞社科学医療部専門記者(医療担当)などとして医療と生命科学を中心に取材・執筆し、2020年4月からフリーランスに。同社在籍中には英オックスフォード大学客員研究員や京都大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師を兼任。主な著書に『最後の砦となれ~新型コロナから災害医療へ』、主な訳書にエリック・カンデル著『芸術・無意識・脳』(共訳)がある。

  • この連載について / アンチエイジング最前線

    人はなぜ老いるのか――。その謎が近年、解き明かされつつあります。アンチエイジングの研究は、老化の原因を解明し、健康に過ごせる寿命を延ばすにはどうすればいいのかを探求しています。連載では、研究の最前線や、日常生活で取り組める方法を紹介します。

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