<連載> ワクチン接種Q&A

ワクチン接種4回目、副反応は? なぜ60歳以上だけ? 5回目もあるの?

疑問・質問「コロナとワクチン」(22)4回目のワクチン<下>

2022.05.23

 新型コロナウイルスワクチンの4回目接種、副作用はどの程度なのでしょう。なぜ、接種は原則60歳以上なのか。海外ではどうしているか。そして今後、5回目接種もあるのでしょうか。Q&Aにまとめました。

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ワクチン4回目接種の副反応頻度

【質問一覧 ワクチン4回目接種とは・下】

  • Q.1:4回目接種はいつから? 対象者は?
  • Q.2:どこで、どのように受ければいいの?
  • Q.3:なぜ4回目接種が必要なの?
  • Q.4:4回目接種の効果はどのくらい?
  • Q.5:どのワクチンを接種? 交互接種は?

Q.6: 4回目接種の副反応はどの程度ですか?

接種部位の痛みや発熱、倦怠感など 3回目より少なめの傾向か?

A:まだ限られたデータしかありませんが、これまでのところ、重大な副反応が起きたという報告はありません。今後、さらに大勢が4回目接種を受ければ、稀に起こる副反応が報告される可能性はあります。

 イスラエル保健省などが実施している、医療従事者274人を対象にした臨床試験では、ファイザー社製やモデルナ社製のワクチンを4回目接種として打った後に、軽症や中等症程度の接種部位の痛みといった局所反応や、発熱や倦怠(けんたい)感といった全身反応が起きましたが、重大な副反応は起きていないそうです。

ワクチン4回目接種の副反応
 

 単純に比較はできませんが、厚労省の研究班が国内で3回目の接種をファイザー社製ワクチンで受けた医療従事者(2931人)やモデルナ社製で受けた医療従事者(890人)の副反応をまとめた中間報告をみると、接種した部位の痛みなどの局所反応も、発熱や倦怠感などの全身反応も、国内の医療従事者の3回目接種後の方が発生頻度は、数字上は、イスラエルの医療従事者の4回目接種後よりも高い傾向にありました。

3回目副反応2社比較

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Q.7: 海外での4回目接種の実施状況は?

イスラエルのほか、欧米・シンガポールなどでも実施

A: イスラエルのほか、欧米やシンガポールなどで3回目接種から3~6カ月以上経った、一定の年齢以上の人や、介護施設や長期ケア施設などにいる高齢者らを対象に4回目の接種が始まっています。

諸外国の4回目接種の対応状況

 接種対象となる年齢は国や地域によって異なりますが、どこも中高年以上に対象を限定しています。米国は50歳以上、欧州医薬品庁と欧州疾病対策センターは80歳以上、イスラエルは60歳以上を対象としています。どこの国・地域も、対象年齢より若くても、免疫不全の人は4回目接種が可能としています。

 
諸外国の4回目接種の実施状況

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Q.8: 対象を60歳以上などに限定したのはなぜ?

重症化リスクの高い人だけを接種対象としたため

A: 厚労省はこれまで、3回目接種は12歳以上全員、2回目接種までは5歳以上全員を接種対象としてきました。個人の重症化を防ぐだけでなく、社会全体の感染者数を抑えて、医療体制が崩壊しないこともワクチン接種の目的としてきたからです。
 しかし、3回目接種による重症化防止効果がオミクロン株に対してもある程度、持続していることや、4回目接種による感染者数の抑制効果などについてまだ不明な点が多いことなどから、4回目接種については、全員ではなく、重症化リスクの高い人だけを接種対象としました。その点が4回目と3回目までの大きな違いです。

 予防接種法は、自治体には接種対象者に接種を呼びかける「接種勧奨」をするよう求めている一方、接種対象となっている人や、子どもの保護者には、接種を受けられるようにする「努力義務」が課されています。12歳以上の3回接種については、接種勧奨も努力義務も求められています。一方、5~11歳の子どもの2回接種については、もともとこの年代は感染しても重症化しにくいことなどから、努力義務は課されていません。

ワクチン接種への公的関与

 4回目接種については、60歳以上は重症化を防ぐ効果があるというデータが少数ながら海外から出ていることから、接種勧奨と努力義務の両方が適用されます。一方、60歳未満の基礎疾患のある人については、効果を示すデータが海外からもほとんど出ていないことから、接種勧奨のみが課されることになりました。

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Q.9:対象外の人は打てないのですか?

接種「対象外」の人は原則打てず 範囲拡大求める声も

A:原則として打てません。

 厚労省により承認されている新型コロナウイルスワクチンは、すべて国が費用を負担し、自治体を介して接種機関に供給されており、対象者が決まっています。このため、原則として、対象外の人は打てません。ただし、自治体が自己負担で独自に、国が対象とする人以外も対象にすると決めれば、国が対象外としている人も打てるかもしれません。

 愛知県などからは、医療従事者や高齢者施設の職員も4回目接種の対象とするよう要望の声が上がっています。大村秀章知事は5月2日の会見で、同県の問い合わせに対して厚労省からは国が費用負担することはできないとの回答があったことを紹介し、国の費用負担がなければ県独自で実施するのは難しいという見解を示しました。

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Q.10:3回目接種完了の人は国内でどれぐらい?

3回目接種を完了した人は約7200万人、全体の接種率は56.8%

A: 3回目接種が完了した人は5月19日現在、国民の56.8%です。65歳以上では88.5%です。
また、最新の数字は、こちら(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html)から確認できます。

ワクチンの総接種回数5月19日公表

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Q.11:4回目接種以降もワクチンを打ち続けるの?

欧州は、冬がくる前に「追加接種するか検討する必要」

A:英国や欧州医薬品庁などは、一般的に呼吸器感染症が流行しやすい冬には新型コロナウイルス感染症も流行もしやすいと考えられることから、冬の前に、ワクチンを再度、接種するかどうか検討する必要があるとしています。

 英国の「予防接種とワクチンに関する合同委員会」は2022年2月、政府に提言を出しました。そこで、「夏の間にパンデミックがどう進展するのか不透明な部分は多いが、冬は、個人にとっても、医療体制にとっても、新型コロナウイルス感染症の脅威がもっとも大きくなる可能性があると考えられる。このため、冬を前に、秋には、重症化リスクの高い人に対し、さらなる追加接種をすることも検討しておく必要がある」と述べています。 

 欧州医薬品庁と欧州疾病対策センターは4月6日に出した4回目接種に関する声明の中で、秋以降の接種についても言及しました。「新型コロナウイルスはまだ季節性が確立していないものの、呼吸器感染症を起こすウイルスは冬に流行しやすいので、再度の接種も考慮しておくべきだ」としています。また、3回目接種の重症化予防効果が今後、どの程度、低下するのかによっては、重症化リスクの高い人だけでなく、もっと広い人を対象に、追加接種が必要になるかもしれないとしています。

 その上で、「現時点で、新型コロナウイルス感染症による重症化などの悪影響を防ぐもっとも有効な方法は、最初の(2回の)ワクチン完了と1回の追加接種なので、公衆衛生上の最優先課題は、1回目の追加接種を進めることである」と強調しています。

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 新型コロナウイルスやコロナワクチンに関するReライフ読者会議:メンバーの疑問や質問に、新型コロナ関連の著書がある科学医療ジャーナリストの大岩ゆりさんが、専門家・研究者らに取材・解説します。

※Reライフプロジェクトでは、読者会議メンバーの皆さんを対象に「ポストコロナ(コロナ後)」の健康管理に関するアンケートを実施中です。ぜひ、ご参加ください。

<新型コロナとワクチン関連記事>

  • 大岩 ゆり
  • 大岩 ゆり(おおいわ・ゆり)

    科学医療ジャーナリスト・翻訳家

    朝日新聞社科学医療部専門記者(医療担当)などとして医療と生命科学を中心に取材・執筆し、2020年4月からフリーランスに。同社在籍中には英オックスフォード大学客員研究員や京都大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師を兼任。主な著書に『最後の砦となれ~新型コロナから災害医療へ』、主な訳書にエリック・カンデル著『芸術・無意識・脳』(共訳)がある。

  • この連載について / ワクチン接種Q&A

    高齢者を対象にした新型コロナワクチンの優先接種が始まりました。感染・重症化予防の有効性は? 副反応・アナフィラキシーへの対処の仕方は? 今後のスケジュールは? 読者の疑問・質問に答えます。

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