意識している栄養素 第1位は「たんぱく質」 

たんぱく質に関するアンケート結果

2022.07.15

 長引くコロナ禍や免疫力の向上など、生活の中でたんぱく質への関心が高まっています。最近はたんぱく質をとるための食品も売り出されています。Reライフ.netが実施した「たんぱく質に関するアンケート」(回答者563人)でも、食事のときにたんぱく質の摂取を意識している人が7割を超えていることがわかりました。たんぱく質の専門家、立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授に結果を分析してもらいました。(グラフの数字は人数です)

たんぱく質アンケート

食事回数 9割近くが1日3食

たんぱくアンケ食事回数

 まず一日の食事回数を聞きました。10人中9人が「朝・昼・夕の3食」(87.6%)でした。2食の人は「昼・夕」が5.7%、「朝・夕」が3.7%、「朝・昼」が0.9%。藤田教授は「たんぱく質を摂取し、体を維持するためには3食とることが大切で、とくにたんぱく質が不足しがちな朝食をしっかり食べることが重要です。回答者は中高年なので、この世代は朝食をしっかり食べているなという印象を受けました」といいます。

たんぱくアンケ 意識する栄養素

 「食事の際に意識している栄養素」を複数回答で聞きました。「たんぱく質」が73.0%とずば抜けて多く、「ビタミン」が48.5%、「炭水化物」が44.8%と続きました。藤田教授は「糖質や脂質のとり過ぎを気にする人が多いのではないかと予想していたのですが、たんぱく質が一番多かったのは驚きでした。それだけ体を意識していることのあらわれなのでしょう」といいます。

体の組織すべて たんぱく質なしにつくれない

たんぱくアンケ 関連体組織

 たんぱく質が関係する体の組織について複数回答であげてもらったところ、「筋肉」の97.7%が圧倒的に多く、次いで「皮膚」が64.3%、「毛髪」が64.1%、「爪」が62.2%、「内臓」が61.6%、「免疫」が56.7%という結果でした。半分以下だったのは「骨」の45.6%、「ホルモン」の37.1%など。「神経伝達物質」の32.0%、「酵素」の29.0%も3割にとどまりました。

 藤田教授は「体の組織はすべて、たんぱく質なしにはつくれません。たとえば神経伝達物質や酵素は、代謝の調節など健康にとても重要です。こうしたことがまだまだ十分に意識されていないようです。もっと知ってもらわないといけない」と話しました。

たんぱくアンケ 60キロの必要量

 体重60キロの成人が一日に必要なたんぱく質の目安を尋ねると、正解の「60グラム」を選んだ人が60.9%で最多でした。藤田教授によると、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年度版)をもとにした計算では、一日の目安は60グラムです。しかし、体重が多かったり、運動量が多かったりすれば、60グラム以上に必要になります。

たんぱく質の摂取は、3食均等に

 藤田教授は「1日60グラムを摂取する場合、夕食にたくさんの肉を食べたからいいという話ではありません。たんぱく質は小分けしてとった方が効果的なのです。朝昼夕の3食で20グラムずつとることを勧めます」とアドバイスします。

たんぱくアンケ 積極性

 積極的にたんぱく質をとっているかを尋ねたところ、「積極的にとっている」が36.6%、「ときどき意識してとっている」が38.4%で、全体の4分の3を占めました。しかし、藤田教授は「『ときどき意識』という人は、朝食でたんばく質の量が足りていないかもしれません。なぜなら、朝食はかなり意識しないと20グラムがとれないからです。厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果でも、30歳以上の男女の多くは年齢にかかわりなく、朝食で20グラムをとれていないというデータも報告されています。ぜひ意識してほしい」といいます。

摂取の理由 66%は老化予防 55%は免疫

たんぱくアンケ 摂取理由

 たんぱく質を積極的にとっていると答えた人が、その理由としたものの中でもっとも多いのは「筋肉の維持・増強」が90.8%、続いて「老化予防」が66.0%、「免疫力の維持・向上」が55.3%、「疲労回復」が42.2%でした。

たんぱくアンケ 意識食材

 たんぱく質をとるために意識している食品については、複数回答で上位3位に「豆腐など大豆食品」(76.0%)や「肉」(71.2%)、「チーズやヨーグルトなど乳製品」(68.4%)が並びました。 

たんぱく質補助食品 57%は購入未経験

たんぱくアンケ 商品購入履歴

 高たんぱくの栄養食品の購入については、57.5%が「購入したことがない」と答えました。購入したことがある人のうち20.4%が「粉末タイプ」、17.9%が「大豆を使った高たんぱくの食品」を選んでいました。

 藤田教授は「食事でたんぱく質をとるのが基本ですが、年齢を重ねると食が細るため、たんぱく質を必要量とることが難しくなりがちです。たんぱく質が不足すると、筋肉を分解して確保することになるので、筋肉量の減少につながります。たんぱく質を多く含んだ補助食品などを活用して、不足を補うことも一案です。食事を『置き換える』ではなく、『補う』のが上手なとりかたです」と話しています。

 回答者から「肉や魚などからとるたんぱく質と、粉末やプロテインバーでとるたんぱく質で、質や吸収率に違いがあるか? 」(30代女性)という質問がありました。藤田教授は「乳由来のホエイプロテインは吸収率が高いが、それによって食品を選ぶほどの差ではないと思います」と話しています。

暑さで不足のおそれ、熱中症予防にも摂取を

気になっている健康状態

 気になっている健康状態を尋ねたところ、「肩こり・腰痛」がトップで、「筋肉が落ちた」「疲れが残る」が上位でした。こうした不調の背景に、たんぱく質不足が関係していることがあります。

 夏本番。健康を守るアドバイスを藤田教授に聞きました。

 「暑さで食欲がなくなると、たんぱく質不足が懸念されます。意識してとることで体を守ることができ、熱中症の予防にもつながります。特に朝食は不足分を補うため、卵1個や牛乳コップ1杯、ヨーグルトといった一品を足すとか、栄養補助食品を活用すればよいと思います」

「たんぱく質に関するアンケート」は読者会議メンバーを対象に2022年3月25日~4月29日に実施しました。563人の方々に回答をいただきました。 

たんぱくアンケ 性別
たんぱくアンケ 年齢構成
  • 藤田聡
  • 藤田 聡(ふじた・さとし)

    立命館大学 スポーツ健康科学部 教授

    博士(運動生理学)。2002年南カリフォルニア大学大学院博士号修了。2006年テキサス大学医学部内科講師、2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科特任助教を経て、2009年より立命館大学。米国生理学会(APS)や米国栄養学会(ASN)より学会賞を受賞。専門は運動生理学、特に運動や栄養摂取による骨格筋の代謝応答。監修本に『タンパク質まるわかりBOOK』、共著に『体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学』など。

関連記事

あわせて読みたい

おすすめ記事

PAGE TOP