55~64歳の「定年」目前世代、「忙しくて」運動しない派が増加

~ 運動する・しないで、体調に10ポイント超の差 ~ 「ポストコロナ」の健康課題(中) 

2022.07.12

 コロナに負けない体づくりや健康維持に欠かせないのが運動・トレーニングや食事の工夫です。アクティブシニア層にその取り組みの実際をアンケートしたところ、回答者の7~8割が運動、食事の両方に意識的に取り組む一方、「定年」の区切りを迎える60歳前後の世代では、環境変化や忙しさに追われ、思うように取り組めない人が前後の世代より増える傾向にありました。

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運動するシニア夫婦

 

運動の有無で体調変化に最大17ポイントの差

運動と食事への取り組み

 朝日新聞Reライフプロジェクトのコミュニティー「読者会議」メンバーを対象にしたアンケートで、回答を寄せた768人のうち8割超の人たちが体に良い食事を意識し、約7割の人が健康維持の運動に取り組んでいました(数値はいずれも上記グラフの「積極的にやっている」と「まあ、やっている」の合計)。一方、運動を「あまりやっていない」「ほとんどやっていない」と答えた約3割の人たちは、様々な面で体の不調を感じていました。

運動への取り組みと体調変化

 運動を「している」人と「していない」人の差が最も強く表れたのが「足腰の弱まり」です。運動をしていないグルーブでは5割近い人が足腰の衰えを感じていたのに対し、運動をしている人たちで衰えを感じていたのは3割ちょっとにとどまり、17ポイントの差がついてました。

 同様に「体重が増えた」と答えた人の割合も、運動をしていないグループでは4割に達したのに対し、運動をしているグループは、ほぼ4人に1人、26.3%にとどまりました。「疲れやすくなった」という回答も、それぞれ34.9%と22.0%で、体調変化の上位三つの項目で、運動を「している」と「していない」とでそれぞれ10ポイント以上の差が生じていました。

 運動・トレーニングをする人たちによると、具体的な運動メニューは「外出時、できるだけ歩く。エレベーターやエスカレーターを利用せず、階段を利用」(50代後半女性)、「週4日スポーツジムに通い、筋力トレーニングやヨガ、エアロビクスなどをしている」(70代前半女性)、「天気が良い日はウォーキング。1カ月20万歩を目標としている」(70代後半男性)、「ユーチューブをみながら、ヨガやフィットネス」(60代前半女性)、「毎夕、背に約15kgのザックを背負い、歩数で8000~9000歩の散策をしている」(70代後半男性)など。アンケートにはこうした多種多様な取り組みが寄せられており、日々の運動の積み重ねがコロナ禍の体調維持に寄与したことがうかがえます。

定年迎える60歳前後、「運動しない」派が4割に

 運動・トレーニングへの取り組みを年代別にみてみると、定年を目前に控えた50代後半から実際に定年を迎える60代前半にかけての世代では、「運動をしていない」人たちが、その前後の世代より多くなる傾向もくっきりとみてとれます。

年代別の運動への取り組み

 10歳きざみの年齢層でみると、「積極的に取り組んでいる」と答えた人の割合は、55~64歳のグループでは2割ちょっと。4割前後を占める65歳以上を大きく下回り、25%を超している54歳以下のグループにも及びませんでした。その逆に運動を「ほとんどやっていない」と答えたひとの割合は唯一、2割台をつけ、5%前後にとどまる65歳以上のグループや1割台前半の54歳以下に比べ、大きな割合を占めていました。

年代別の運動への取り組み図表

 より細かな5歳きざみの年齢層では、運動を「ほとんどやっていない」という回答が最も多いのは55~59歳層、「積極的にやっている」が最も少ないのが60~64歳層でした。なぜ運動しないのか、その理由を聞くと、この年齢層は「忙しくて時間がとれない」や「始めるきっかけが見つからなかった」といった回答が他の年齢層よりも多く、定年を前にして依然仕事に追われていたり、定年という環境変化にすぐに対応しきれなかったりしている様子がうかがえます。

食事への取り組み、運動ほどの世代差はあらわれず

 一方、食事の工夫に対する取り組みでは、運動でみられるほど、世代による顕著な違いはあらわれませんでした。

年代別の食事への取り組み

 それでも55~64歳層は、食事に「とても気をつけている」人が前後の年代層より低く、「あまり気をつけていない」が前後より多くなっていることがみてとれます。

 5歳きざみの年齢層でみてみると、食事に「とても気を付けている」人が70歳以上の年齢層ではいずれも25%を超え、それぞれ4人に1人以上の割合となっています。一方、退職期と重なり合う60~64歳層では「とても気をつけている」割合が最も少なく、70歳以上と比べ10ポイントを超す差が生じていました。また、50~64歳までの年齢層は、食事に「あまり気をつけていない」「気をつけていない」と回答した人の割合が他世代より多い、比較的、食に無頓着な世代となっていました。

年代別の食事への取り組み図表

 体力、気力が兼ね備わった40代などと比べて、徐々に無理がきかなくなるのが50代、そして60代。第二の人生への準備も重なりあうなか、忙しさや環境変化に追われ、健康維持に必要な運動、食事とも、ついおろそかになりがちなのが、この世代の特徴といえるでしょうか。流されてしまわないためには、この時期は、とくに意識的に健康への気配りをすることが必要かもしれません。

 調査は朝日新聞Reライフプロジェクトの会員制コミュニティー「読者会議」メンバーを対象に2022年5月17日~6月16日に実施。有効回答は768人(男性52.5%、女性47.0%、その他0.5%)。年代別は、49歳以下8.5%、50代23.7%、60代34.8%、70代25.5%、80代以上7.6%。

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