第二の人生 仕事も学びも、前向きに、積極的に

三つのアンケートから紐解く Reライフ世代の仕事観、学習意欲

2022.11.06

 人生100年時代、その後半生となる「第二の人生」をどう生きていくか。朝日新聞Reライフプロジェクトが運営するコミュニティー「読者会議」(約1万3千人)のみなさんに聞くと、「仕事にも学びにも、積極的に、前向きに」という答えが返ってきました。今年実施した三つのアンケートから、「引退」という従来のイメージとは異なる、元気で活発なアクティブシニアの姿が見えてきます。

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第二の人生の始まりは

 そもそも第二の人生の始まりはいつなのか。最も多かった回答は「自分が定年を迎えた(仕事にひと区切りつけた)とき」で、全体の6割を占めた。

 とくに男性は回答の8割近くがこの選択肢に集中、仕事中心の前半生が色濃くあらわれる形になった。一方、女性の場合、「子どもの独り立ち」や「パートナーの定年」「親の介護の区切り」にも、男性よりも多くの回答が。それでも最も多いのは、やはり「自分の定年」だった。

「定年後も働く」6割超

 「定年」を区切りに仕事一辺倒から脱しても、Reライフ世代の働くことへの意欲・思いは旺盛だ。

 実際に何歳まで働くことが理想なのかを聞くと「働き続けられればいつまでも働きたい」(29%)が最も多く、「70歳まで」(23%)と続いた。一般的な定年年齢は60歳か65歳。65歳を超えて働き続けたい人が6割超となった。

何歳まで働きたいか

 ただし第二の人生での働き方の基準は、定年前とは異なっている。回答者(複数回答)の4割を超す人が選んだのは、「達成感が得られること」と「世の中に貢献できること」。次いで「健康増進にもプラスの効果があること」「働く場所と時間が自由に選べること」「自分が成長できること」を選んだ人も3割に達した。

 神奈川県の50代男性は「高度成長時代はとっくに終わり、政府もGDP(国内総生産)やインフレ率の目標が長年達成できない。ただでさえ経済的に厳しくなっているのだから働けるまで働きたいし、健康寿命も延びており生きがいを持ち続けるためには働くのが最も重要」。

 働き方を工夫する人もいる。55歳で長年正社員として勤めた会社を退職し、現在は派遣社員(無期雇用)で働いているという神奈川県の女性は「収入は5割ほどになったが、毎日の生活時間に余裕ができ、体力的にもとても楽になった。収入が減った分、できるだけ長く働けたらいいと思っている」。

「学び直し」に意欲95%

 自分で使える時間のゆとりを得た分、「学び直し」、いわゆるリカレント教育に対する受講意欲もきわめて高く、学び直しをテーマにした調査では、「学び直したい」と「今まさに学び直しをしている」の合計は95%に達した。

学び直しをしたい?

 その目的(複数回答)は、「教養を高めたい」(57%)と「趣味を深めたい」(54%)がそれぞれ半数を超える一方、「現在の仕事に役立つ」(13%)や「定年後の再就職に役立つ」(9%)といった実益目的は、比較的少なかった。

 興味のある分野は、「歴史・社会」「語学」「健康・医療・美容」の順に多く、IT(情報技術)を学びたいという人も少なくなかった。

 なぜ、学ぶのか。大阪府の60代女性は「学生時代は追われるように勉強したが、いまは純粋に学んでみたいと思える。仕事も退職し、時間も自由になったからこそできることであり、好奇心を忘れずに、充実した時を過ごしたい」。

 神奈川県の60代女性は「いまは新たに常に学んでいかないと世の中に置いてきぼりにされてしまいます。情報化社会で悪い面もありますが、それでも新しい考え方などを取り入れていかないと時代に取り残されてしまいます」。

 資格取得に興味が「ある」人も約4割。具体的な資格としては、英検や書道などなじみ深い検定のほか、就職にもつながりそうな図書館司書、ケアマネジャー、マンション管理士などがあがる。ドローン操縦や野菜ソムリエ、きき酒の資格といった答えもあった。

経済的な不安 「収入得たい」3割超

 一方で、働き続けたい人のなかには生活の糧が理由の人も少なくない。仕事選びの基準を聞いた質問では、「収入を得るため」という回答が3割を超え、3番目だった。

 背景にあるのは、寿命が延びればその分、将来のおカネの不安も大きくなるという思い。神奈川県の60代男性は「健康寿命が長くなるのはいいが、経済寿命(年金など老後資金)は安心できるほど長くなっていないと思う」。

 奈良県の60代女性も「働きたい人が働くことを選べる環境は大事だと思うが、経済的な事情から働かなければならない状況が、多くの人の現状なのではないか。経済的にはある程度保障されているうえで、『稼ぎ』のためだけではない『働き方』ができるような社会であってほしい」。これまでに培った仕事上の経験が生かせる場がまだ限られていることや、年齢で門戸が閉ざされ、採用される機会が減少していく現状などへの対応を求める声も少なくない。

 学び直しや資格取得も、それがすんなり再就職へと直結していない。「資格を取得しても実際のところ、職業として現場で活躍することは大変困難です」と埼玉県の50代女性は、いう。「59歳の新人キャリアコンサルタントではなかなか働く場所もない状態。学び直しはとてもよいと思うのですが、なぜかむなしさと絶望感にさいなまれます。それでも、何か学びたい気持ちが湧き上がってくるのですから不思議です」

 22年6~7月実施の「第二の人生」の生き方・時間の使い方に関するアンケート(有効回答955人)、22年3~4月実施の「定年後」の働き方に関するアンケート(有効回答439人)、22年1~2月実施の学び直しに関するアンケート(有効回答428人)のデータをもとに人生後半生に向けた読者会議メンバーの仕事観、学習意欲を横断分析しました。それぞれの個別アンケート結果は関連記事のリストからご覧ください。

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